Jiraud Black Cloud 5 JJ Limited

 

ジラウド ブラッククラウド 5弦

 

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手に入れてから10年超え。これ以上の楽器には出会えないだろうと確信する一本。

 

同じ仕様のものはこれを含めて世界に二本。とにかく貴重。レアもレア。クオリティもとんでもなく素晴らしいベースです。海外のハイエンドに対する憧れや幻想など、もはや自分にはありません。

 

48回払いで分割購入。貯金もない見切り発車でしんどい時もありました。でも一切の後悔なし。得られたものと価値を考えれば、こんな安い買いものもなかったなと満足。

 

『一生物』

 

安っぽい誉め言葉ではなく、心の底から声を大にしたくなります。

 

ボディについて

 

木材と仕様

 

1ピースホンジュラスマホガニー

 

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このベース最大の贅沢ポイント。ど~んと惜しげもなく貴重なホンジュラスマホガニーがボディ材として使用されています。

 

しかも、最近流通しているものとは異なり、何十年もずっと眠っていた古木。 それを1ピースで使用するという、超々贅沢仕様。

 

ブラッククラウドのオーダーが可能であっても、このクラスのホンマホを使用して作ることは恐らくもう不可能。所有して十年が経ちましたが、実際、ジラウドからホンマホ仕様のベースが再登場することはありませんでした。

 

マホガニーのイメージが覆る

 

マホガニーと言うと、

 

・音が粘る

・甘い音色が魅力

・温かみがある

 

こんな評価がよくされている印象。

 

その反面、

 

・輪郭がない

・アタックが弱い

・抜けてこない

 

こう評されていることも多いんじゃないかと。

 

そんな評価が一切通用しないのでがこのブラッククラウド。実際に弾いてみてそんな印象を抱く人は皆無でしょう。超ワイドレンジ&異次元の超高速レスポンスを体感可能。

 

マホガニーはとろい?

 

そんな常識は通用せず!

 

タッチレスポンスに定評のあるジラウドベース。その中でもブラッククラウドは別格。そしてホンジュラスマホガニーの使用でさらに大変なことに。

 

これを弾いた後にアルダーボディのベースとか鳴らすと、ま~、かったるくて弾いてられません。そのスピードの違いに唖然とさせられます。

 

各々、ベース選びの基準には色々あるものだと思いますが、自分がおすすめしたいのは、タッチ・ピッキングへの反応速度、応答性に強くこだわってみること。

 

音色を意識するのは当然だけど、そればかりでは見えてこないものもあります。

 

根本的な解像度、密度、立ち上がり、レスポンスの違いなど、アコースティックな反応に優れたものを弾けば世界が変わる。エレクトリック楽器、ソリッドボディと言えど、弦楽器であることを無視すべきではない。

 

「マホガニー?だめだめ!俺には合わないよ!」なんて構えていては出会えなかった、感動を得ることもできなかったのがこのブラッククラウド。

 

木材に対して固有のイメージを抱いたり、音色を決定付けようとするのも分かる考え方だけれど、あまりそこに囚われてしまうのも考えもの。

 

その先入観が仇になり、素晴らしい楽器を遠ざけてしまっては、もったいないの言葉では済まないことになってしまいます。

 

絶品のオイルフィニッシュ

 

前述した画像は入手からまだ一年も経ってない頃。

こちらが現在のもの。

 

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丹念なオイルフィニッシュがまさに至高。インスタントな付き合いでは分からない感動を生んでくれるのも、このブラッククラウドの素晴らしさ。

 

深みが増すとはこのこと。使い込んでいくほど、経年変化以上の魅力を実感できます。

 

もう本当、目にも耳にも、体に馴染んでいく感覚が凄い。あまりにも良すぎて、他のものに手を出そうって気持ちが失せていくのが最高。入手から十年、新しい楽器に同じだけの時間をかけるのは正直厳しい。

 

一聴瞭然、一目瞭然。

使い込むことで楽器は変わります。

 

シャム柿・センタートップ

  

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センターにはめ込まれたシャム柿。これこそがブラッククラウドをブラッククラウドたらしめている存在と言えるでしょう。

 

このベースの主材になるのはあくまでマホガニーではありますが、このシャム柿がなければモデル名は【J-BASS】になってしまう事実。

 

このセンター材を見せつけるのがブラッククラウド。その特徴的なシルエットは最大のポイントと言っても過言ではありません。

 

センターに材をはめ込んでるとだけ言うと、他でもよくある仕様、そのどこが特別なのかと疑問になるかもしれません。それこそ、装飾目的の家具調ベースと評されてしまう可能性もあるかと想像します。

 

ブラッククラウドの場合、3ピースのボディにしたりスルーネックのようにするのではなく、1ピースのボディはそのまま、そこに1cmほどの厚みの板をはめ込む仕様。

 

論より証拠、ボディ裏の画像を見れば分かるはず。シャム柿は『センタートップ材』と言うのが良さそうでもあります。

 

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まさにジラウド最速ベース

 

ジラウドの象徴、他にないオリジナルモデルであるJ-BASS。それをより高速に、より重心低く、木工的に発展させたのがブラックラウド。

 

シャム柿をはめ込むことによってどんな変化が起こるのか?

 

・より充実した重心低いボディ鳴り

・全音域にわたるタッチレスポンスの向上

・J-BASS以上の更なる均整感

 

トップ材を使用すると言っても、マホガニーの弱点を補うとかそんな理由ではなし。さらなる高速性を求めての仕様、音の追求から生まれたベース。

 

ホンジュラスマホガニーというだけでも高速、それをさらに詰めたこのベースのレスポンスはまさに無敵。

 

トップ全体にベタッと貼るのではなく、センターブロックにするわけでもない。だからこその深いサウンド、豊かなボディ鳴りが本当に素晴らしい。

 

多重構造にしたり硬質な材を貼る場合、音もレスポンスもどんどんおかしくなったり、重すぎて使えなくなっていくのが大体のパターン。

 

それを解消する目的か、ホロウ構造にしたり、ボディを薄くするものもありますが、その方向性は自分の好みではありません。

 

かなり大型のボディに加え、厚く太いネックでもある一方、意外と重量はそこまででもないのがブラッククラウド。中には、3kg台に仕上がった個体もあったと言うのだから凄い。

 

軽量で厳選された材を使用していることも大きいとは思いますが、ベースらしい実用性、トータルバランスを重視しての結果なのだと実感。無闇な大型化、過度な重量、硬度至上主義とは全く異なる楽器ですね。

 

硬質な木材を組み合わせることによって得られるメリットをほぼデメリット無しで実現、そう考えると、恐ろしく実用的で贅沢な仕様だと驚愕させられます。

 

高密度で重量のある材をボディに使用、音の重心が下がりボトム豊かかつレスポンスは向上、贅沢さと美味しさを突き詰めた素晴らしいベース。

 

「弾かなきゃ分からない!」と言うのも月並みですが、でも本当にその通り、この素晴らしさは実際に弾いた者でなければ絶対に分からない。

 

これでもかと言うぐらいジラウド。象徴的部分が贅沢に詰め込まれているのがブラッククラウド。めっちゃくちゃ気持ちいい音がします。

 

設計と思想について

 

生鳴りあってのジラウドベース

 

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フラットトップのものと比較するとその違いは明らか。この3Dデザインのボディシェイプもジラウドならではの大きな特徴。

 

複雑なカッタウェイが施されたオリジナルデザインが非常にユニーク。これによって様々な恩恵を得られます。

 

一見は特殊なシェイプに見えるようでも、基本のそれは実はジャズベース。闇雲にただ見た目で主張するものとは、そもそもの出発点が違うからこそのクオリティ。

 

前述した木材的な面からだけのアプローチではなし。まずあるのは設計、ジャズベースをより完璧に、より深く、よりオリジナルに発展させたのがジラウド。

 

エレクトリック楽器においてボディ鳴りは必要のない要素であるとか、こだわる意味などないと考えてしまう人も中にはいるかとは思いますが、その発想からは絶対にブラッククラウドは生まれないでしょう。

 

それを本気で主張するならば、是非一度、ジラウドを弾いてみてほしい。ブラッククラウドを他社のものと比較してみてほしい。

 

「アルダーもアッシュもマホガニーも関係ない!」

「ネックの作りも強度も指板の違いも関係ない!」

「生音の大きさやボディ鳴りなど意味も持たない!」

 

これがどれだけ馬鹿げた発言になるか、事実を確かめてみるべき。

 

マグネットPUは一切の干渉も影響も受けない、電気信号にしか反応しない完璧なマイク、そんな風に認識しようとする方がよほどに危険でうさんくさいんじゃないかと自分は思う次第。

 

生鳴りを求めての3Dシェイプ

 

何かと電気的な部分に注目が集まりがちなジラウド。

 

それも素晴らしいのはもちろんとして、もっと気付いてほしいと願うのが、その素晴らしい生鳴り、豊かなボディ鳴りあってこその音の魅力。

 

楽器の生音へのこだわりから生まれたのが、3Dデザインのオリジナルシェイプ。より生音を大きく、深く、体で実感することもできるのが素晴らしい。弦だけがペチペチ鳴るようなものとは比較にならない振動を肌でも感じ取れます。

 

楽器の大型化と言うと、演奏性の心配をしてしまいますが、実際に持ってみて驚くのがジラウドベース。幾層ものカッタウェイが体にフィット、軽量化にも貢献しているのが分かります。

 

そもそもの話、ジラウド店主の福田さんはプロのベースプレイヤー。プレイヤーならではの感覚、そこから求められる実用性を考慮しないなんてわけがありません。

 

コンパクトに華奢に作られたものが弾きやすいとは限らず。安定感を失い、音の魅力も失い、かえって疲労の元になることもあるのが人間と楽器の不思議。

 

本体の設計、木材の厳選、ブラッククラウドは本当、ジラウドならではの要素の集大成ではないかと感じますね。べたっとフラットトップだったり、ハイポジションの演奏性に考慮しすぎた構造では、とても辿り着けない領域にある楽器だと確信。

 

生音の段階からタッチレスポンスとトータルバランスにここまでこだわったベースは他に存在せず。体に馴染む3Dシェイプも本当に素晴らしい。

 

贅沢な材と作りにこだわっているようでも、実際のところは、PUとプリ任せで音は微妙なものが非常に多い世の中。

 

そんな楽器とは対極、ラージボディかつ実用的、PUのパワーにもプリに頼らずともよい、フェンダーのコピーに満足しない、個性という名の逃げ場にも行かない、それがジラウドのブラッククラウド。

 

他では絶対に味わえません。

 

ディープジョイント

 

ジラウドと言えばこのジョイント

 

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これまたジラウドならでは。非常に特徴的なのがこのディープジョイント。一部を除いたほぼすべてのベースの共通仕様になっています。同社のJ-BASSを基本にしているこのブラッククラウドもやはりディープジョイント。

 

その効果は絶大、絶対と言っても良いかもしれません。

 

よくあるシングルカッタウェイの楽器、あれも一見はディープジョイントのように感じるところ。しかし、裏側をざっくりと削ってしまっているものが非常に多いのが現実。本当に良い効果を得られるのか、実は微妙なんじゃないか、自分は疑問を抱きます。

 

他にも、ボディに深々とジョイントされているものなどもよくありますが、ネックの実寸を短くする目的とは異なるものばかりな印象。あれもやはり、良い効果があるのかは疑問。

  

ジラウドの場合、12~13フレット付近からジョイントのためのネック厚が増す構造、ボディ側のジョイント部は14~15フレット付近まで延長されている仕様。ネックの不要な共振を抑えたり、豊かなボディ鳴りを得るためのものだと認識。

 

結果、デッドポイントが少なく、どの弦でもどのポジションでもバランスよく鳴ってくれるのが素晴らしい。それと同時に、豊かなボディ鳴りも得られるのが最高に魅力的。冷たくそっけない感じとは対極なのが見事。

 

やたらとネジを増やしてみたり、とりあえず大きくジョイントさせておけばいいなんてものとは思想も結果も異なるのが、ジラウドのディープジョイント。

 

弾き込むほどにその恩恵を感じ取ることができます。

 

どんなに凄い材や技巧を駆使して作ったとしても、基本設計が無茶苦茶なのでは本末転倒。それでは良い楽器になるはずがないと数多く実感。

 

表面的な弾きやすさばかりを優先、ジョイントを貧弱にするようなものほど、その傾向が強くなっていくから怖い。

 

ボディ鳴りを実感できない、エージングなんてオカルトな領域だと思ってしまう、そんな人がいるならば、よく弾き込まれたジラウドベースを弾いてみることを推奨。

 

また、そういう人の場合、逆にど新品のものを手に入れてみるのも面白いかもしれません。言葉にするだけじゃどうやったって信じられなそうですが、数時間弾いただけでも音が変わるのが本当の話。

 

楽器を育てる楽しみをはっきり実感。その成長速度が速いのもディープジョイントの魅力と醍醐味。まずは弾いてみないことには否定もできないし、音を楽しむこともできません。

 

深い魅力が存在しています。

 

慣れれば得られる素晴らしいサウンド

 

そのメリットが嬉しい美味しいディープジョイント。一方、初見ではまず弾きにくさを感じるのも仕方なし。ある程度の練習と慣れがどうしても必要になるのは確か。

 

今はもう、完全にこちらに馴染んでしまった為、通常のジョイントだと逆に違和感がある体になってますが、ジラウドに通い始めの頃はやはり、抵抗と拒絶の方が勝ってしまったいたのが本音です。

 

ハイポジションを多用する人にはウケが悪くて当然。これが嫌でジラウドを避ける人だっているんじゃないかと想像。実際、どうしても受け入れられないと話を聞いたこともあります。

 

されど主張したい。

 

それを押して余りある魅力を持っているのがディープジョイントだと。

 

デメリットを感じるのも分かるけれど、このディープジョイントによるボディ鳴りの豊かさ、素晴らしいサスティーンやバランスの良さ、それを是非とも体験してほしい。

 

他に類を見ないほどのタッチレスポンス、トータルバランスに優れたブラッククラウド。それもやはり、このジョイントあってのものだと自分は確信。弾き込むほどにボディ鳴りを実感、その成長スピードが早いのもならではの特性。

 

最初は違和感があっても、コツさえ掴めば問題なく弾けるようになります。握力に頼らないフィンガリングを身に付けるきっかけにもなること間違いなし。

 

ベースにおける技術水準がどんどん高まっている昨今、それに合わせるようにジョイントが貧弱になってる感があります。それによって失っているものも非常に多い印象、それが標準になってしまうのもどうかと思うところ。

 

だからこそ、そこから逆行するようなディープジョイントのジラウドはめちゃくちゃ尖がってて面白い。確かなコンセプト、尋常じゃないこだわりを持って作られていることが分かります。

 

ちょっと取っ付きにくいのは確かだけど、その分だけ得られることが沢山あるのがディープジョイント。表面的な弾きやすさ、薄っぺらい音にうんざり、そんなモヤモヤを抱えてるなら、絶対に弾いてみる価値がある。

 

以前に撮った動画ですが、こんな感じで練習していけば慣れていくんじゃないかと思います。分かりやすいようにちょっと極端目にしていますが、少しでも参考になれば幸い。

 

www.youtube.com

 

地味だけど嬉しいこだわり

 

ザグリを少なくするのがジラウド

 

「裏を見たら馬鹿でかいプラスチックの蓋が・・」

 

ハイエンドと呼ばれていたり、凝った木材を使用しているのにもかかわらず、こんなことになっているベースはガッカリ。

 

百歩譲って、軽量化やアコースティック感などを狙う意味でそうしてるならまだしも、ただ単に無闇に大きく削っているだけなのであれば、まことに残念な話。

 

自分の楽器が意図しないホロウ構造になってるとか、楽な配線と手抜きのために無駄なスペースが空けられているとか、自分はちょっと笑えません。

  

ジラウドで地味に美味しいポイントだと思うのが、そのザグリの少なさ。ボディ鳴りを活かすためか、共振やデッドの発生を抑える目的か、断定まではできませんが、こだわりがあってやっているのは間違いないでしょう。

 

例えばジラウドのメビウスJB。画像を見ればそのこだわりは明らか。アクティブですが裏にあるのは電池ボックスのみ。

 

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 最小限にとは言っても、電池から何から無理やり詰めるのではなく、電池ボックスは別で専用に用意しているのがありがたい。アクティブ楽器で嫌悪される電池交換が楽になるのは、それだけで効果絶大。

 

使い勝手も気分も明らかに変わります。

 

ノブの取り付けも一味違う

 

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これまた地味にこだわってるポイントがノブの取り付けスペース。

 

フラットにそのまま取り付けるのではなく、落とし込みになっています。見ため的な意味もあるとは思いますが、一番は強度を確保するための仕様。

 

ジャズベースのような金属のプレートならともかく、いつ何がどうなるか分からないのが木材。それを結構なスペース取って薄くなるのは不安、将来的なリスクを抱えるのは怖い。

 

耐久性の意味でも、このこだわりは何気な重要なポイント。細かいところまで本当によく考えられています。

 

裏蓋もホンマホの豪華仕様

 

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これまた贅沢、ボディ同様、裏蓋もホンジュラスマホガニー製。

 

音手的は意味ないと言えばそれまでなんですが、それでもやっぱり、こういうのって嬉しいもの。細部まで徹底していると満足感が上がります。

 

ただ、そこまで分厚くできるものではない為、オイルが深く浸透しないのか、色の変化が本体と比べて少ない様子。残念ながら、本体ほどの良い色は出てくれないのがちと残念。

 

一方、経年変化による色の違いを確認できるのが面白い。最初は同じ色だったのがここまで変わるのか、もっともっと明るく薄かったのか、その道のりを感じることができます。

 

じ~っと見てると、しみじみするものがあります。

 

「使い込んだなぁ・・」

 

実に味わい深い、多くの面から楽しめる楽器ですね。

 

ヘッド・ネック・指板について

 

こだわりのヘッド

 

長く悩まされてきた他社のローB弦

 

テンションバランスが言葉として正しいかどうかはともかく、感覚としては非常に大事な要素。これがめちゃくちゃだと弾きにくいったらありゃしない。

 

今の時代、パーツから弦から何から含め、多弦ベースの改良もかなり進んできましたが、一昔前は本当に酷いものが多かったですね。

 

特に、ローB弦の実用性が壊滅的。ベロンベロンで音程感も張りもなかったり、価格関係なしに使いづらい製品に悩まされました。

 

一見は凝った造りと良質な材のようでも、いざ弾いてみると首を傾げるのが日常茶飯事。弾き手と作り手の感覚の乖離が致命的、気持ちいい音で鳴ってくれる多弦は少なかった記憶ばかり。

 

オーダーメイドの楽器だろうと、油断したり丸投げしていてはいけません。しっかり舵取りしなければ、問題点を残したままのものが出てきてしまいます。

 

音も弾き心地も抜群

 

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ローBを鳴らしていまいちな印象が強かったベースのその多く、ナットからローB弦のペグまでの距離が短いものは大体駄目でした。ローBの太さが仇になり、弦を綺麗に巻けないヘッドデザインは致命的に感じます。

 

テンションバーを使用するのもいいけれど、取り付け位置がナットに近いとさらに悲惨。不自然に曲がったり、変な角度も付いてしまう為、音程感も張りも微妙。悪影響が出る傾向が強かったと思います。

 

その点、ジラウドのヘッドは実に考えられています。この辺りの感覚、バランス、さすがはプロのベースプレイヤーが作ったものだと納得の一言。

 

コンパクトにまとめたデザインかつ、弦に十分な余裕を持たせられるペグ位置をキープ。ヘッド落ちやデッドポイントの発生にも気を付けつつ、オリジナリティも主張。いいかげんにテキトーに作ったものとは思想がまったく異なるでしょう。

 

34インチではありますが、もう本当、そんなものは関係ない十分な手応えを実感できますね。スケールを伸ばしたい気にならないし、特殊な弦が必要になるわけでもない。扱いも楽、実用的で助かります。

 

ブラッククラウドの場合、指板とボディセンターと合わせるよう、ヘッドにシャム柿が貼り付けられてるのも嬉しいポイント。音的な意味でも、見ため的な意味でも、上から下まで統一感が素晴らしい。

 

ただ単に弦を一本増やしてみましたみたいな5弦とは、多くの意味で次元が異なること間違いなし。ヘッドに対するこだわり、設計からしてもう違います。

 

多くを教われるネック

 

6本所有のジラウド 全部頑丈で助かるネック

 

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高密度で安定、非常に頑丈で助かるジラウドのネック。極太のフラットワウンドを張ってもまったく問題ない個体もあったり、強度への強いこだわりを実感。

 

入手当初、自分のブラッククラウドはちょっと暴れを感じるところがありましたが、とてもスムーズに調整できるので助かりました。無事、現在は非常に安定して落ち着いています。

 

名リペアマンがさじを投げた、どうにもならないベースに当たったこともあるだけに、信頼できるネックには心底安心を覚えますね。多弦なら尚更、安定したネックは生命線。

 

現在、6本のジラウドベースを所有、いずれもタフで何の問題もなく使用しています。管理が余程にめちゃくちゃでもない限り、トラブルの心配はほぼ無いでしょう。

 

ぶっとくかつ馴染む弾きやすいネック

 

かなり幅広で太いネックだけに、弾き心地の好みは分かれそうですが、華奢なものが苦手な身としてはこちらの方が馴染むし、非常に魅力的にも感じます。

 

ちょっと触る分には、薄くて幅も狭いネックの方が弾きやすく感じるものかもしれません。一方、長時間弾いていると、違和感の方が強くなっていったりするから難しい。

 

無闇に細くするだけ、シェイプに工夫がない、音もどこか頼りないなど、かえって疲れてしまうものも珍しくありません。

 

幅広で厚みのあるネックは取っ付きが悪いのも確か。でもそこはジラウド、バリバリのプレイヤーが作っているさすがのベース。無意味に無神経に太くしているのとは、弾き心地がまったく異なります。

 

これまでの経験、弦高を極端に下げたり、華奢なネックを愛用していた頃の方が、怪我や音に悩まされ続けました。 基礎を無視して弾きやすさばかりを優先すると本当、ろくな目にあいません。

 

疲労、怪我、トラブル続きだったのを解消したのは、握力に頼らないフィンガリングの意識や、しっかりした弾き心地のものを選ぶようになってから。

 

特に、このブラッククラウドを愛用するようになってからは、左手がパンパンになるようなことはほとんど無くなりました。

 

演奏技術の未熟さを言い訳したり、そこに合わせた楽器を選ぶようになってしまうと、救いのない負のループに巻き込まれる可能性が高くなるから怖い。

 

タッチもフィンガリングもどんどん悪くなっていったり、怪我に悩まされたり、結構長いことうんざりしてきたのが過去の自分。

 

表面的な楽を求めるのは実はリスキー。負の積み重ねでは何も解決しない。機材にこだわればこだわるほど、音も痩せていく悪循環。

 

ブラッククラウドには本当に多くのことを教わり、そして救われています。

 

ボディ同様、念入りにオイルフィニッシュされているのも、自分的に非常にポイントが高い。触り心地が堪らなく魅力的、ポリ塗装はおろか、ラッカーであっても違和感を覚えるレベルでお気に入り。

 

あまりにもこれにハマってしまった為か、もう本当、「これ一本でいいかもなぁ・・」なんて思ってしまうことが多々ある次第。

 

ネックが鳴る=良い楽器とは限らない

 

楽器の良し悪しを判断する場合、ネックの鳴りを重視することも珍しくないと思います。ただ、そればかりを重視するのは微妙だと多く痛感してきました。

 

過剰な振動や共振、それで音が痩せてしまうのはどうにもよろしくない。豊かなボディ鳴り、身のしっかりある低音、全音域にわたるバランスを求めると、ネックが振動していることが良いとは限らない印象が強い。

 

その意味でも華奢なネックは自分には合わない、避けたい仕様と言えます。

 

ディープジョイントにしてもそうですが、ジラウドで目の当たりにしてきた多くの要素、そこに敷居の高さを感じるのも確か。

 

しかし、一度それを超えて慣れてしまえば、一生の役に立つ価値を手にすることができます。「とにかく練習!」と言うと根性論じみてしまいますが、その練習の質を上げることができるのも、ジラウドベースの大きな特徴。

 

出音や耐久性、トータルバランスを重視した方が、長い目で見ても有意義。ネックは鳴っていてもボディは鳴っていない、頼りない出音にしかならないなんてものは弾いてて辛い。

 

振動しまくるネックが良いとは限らず。求めている音とは対極の特性を生んでしまう可能性があるものだと自分は認識しています。

 

指板とタッチレスポンス

 

メイプル指板は使わないブラッククラウド

 

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このブログを始めて以来、しつこいほどにタッチレスポンスについて話してきました。

 

ブラッククラウドはその集大成と言うべき楽器。異次元レスポンスと言ってもまったく過言ではない仕上がり。下から上まで恐ろしいほどの反応を見せてくれます。

 

そのこだわりの証明か、シャム柿以外の指板を見たことがないのが面白い。唯一、ブビンガ材を使用したものを見たこともありますが、試作の結果、シャム柿の方がより理想の材であると結論したのだと想像。

 

世間的なイメージでは、メイプル指板はアタッキーとか派手、立ち上がりの良い音と言われている印象が強いですが、正直、スピード的には劣る感じが自分にもあります。

 

思ったよりも伸びない、綺麗に響かない、レンジ広くも感じない、むしろ逆のイメージの方が強いまであるのが本音。例え、トラ目の高密度な物であっても、さらに高密度で重量のある指板とは根本的に質が異なる印象。

 

高速性を追求するならやはり、メイプルは避けたい指板材だと感じる次第。

 

全音域にわたり最高のタッチレスポンスを追及したのがブラッククラウド。となると、必然的に却下されてしまうのがメイプル指板。

 

ボディ材も同様、ブラッククラウドにアルダーを使用しているものは見たことがありません。ブラッククラウドどころか、ジャズベやプレベにも使用されることがなくなったのがアルダー。

 

タッチレスポンスにこだわり続けるのがジラウド。それこそ、頑なまでのこだわりがあるんじゃないかと強く実感させられます。

 

全てが高速仕様

 

扱いやすさだけを考えるのであれば、スタンダードなローズウッドの方が理想的なのかもしれません。シャム柿と言われてもピンと来ないのも普通の感覚だと思います。

 

だからこその夢を感じてしまうのがブラッククラウド。フェンダー的な感覚やバランスに甘んじるのではなく、常識を打ち破る挑戦をしているのが堪らなく魅力。

 

音を遅くさせる要素が存在しないと言っても過言じゃない、そのブッちぎり具合が本当に素晴らしい。誰かに合わせることを至上、無難にやっていく術をあざ笑うかのごとき熱き姿勢が見事。

 

自分の独断と偏見ではありますが、ブラッククラウドを遅くしたいとか、普通のベースのようにしたいとは思いません。全てにおいて徹底的に高速、見た目だけのための豪華仕様とは次元の異なる楽器。

 

『タッチレスポンス』という感覚と言葉が具現化したような存在です。

 

こだわりの21フレット

 

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とりあえず極論、24フレットは音がかなり痩せる印象。豊かなボディ鳴り、充実の低音を求めるには様々不利になると感じます。

 

ごく一部を除き、24フレットのベースが存在していない。ジラウドならではのこだわり、ベースへの理解を強く感じるポイントです。

 

着脱式の延長指板による21+3フレットの試作品を見たことも一応はありますが、恐らくはその一本限りしか生産してないはず。今後も作られる可能性は恐らくない。

 

24フレットのデメリット、これが意外なぐらい存在すると自分も感じます。できれば選択したくない仕様、確実に苦手、別の楽器になってしまうと言っても過言ではない。

 

得られるメリットに対し、失われるものが大きい印象が強い24フレット。そのリスクについて考えるとやはり、なかなか手が出なくなってくるのが正直な話。たった数フレット分の追加、それだけでも馬鹿にならない影響があると自分は認識。

 

演奏性を意識するほど、楽器本体をそちらの方向に舵取りしなければいけなくなるのが宿命。より多くボディを削り、ジョイントもカット、ジラウドの目指す方向とはまさに対極とすら言えるかもしれません。

 

他にも分かりやすい影響で言えば、スラップ派なんかは一発で理解できる話でしょう。20フレットか?24フレットか? それだけでもう、感覚も音も全然違いますよね。

 

弾くポジションが強制的に変わる問題が大きいし、楽器自体も別物になる感が強い。例え一見は同じジャズベーススタイルだとしても、フレット数によって印象は大きく変わってしまうのが現実。

 

スラップに限った問題ではなく、これは2フィンガーで弾くにしても同じ。フレット数が増えるほど、それだけの影響が出てくると痛感。

 

この辺り、縦振動のタッチの研究をしていてもよく分かります。フレット数が多い分だけ、厄介な問題が絡んでくるのが困った話。

 

そのリスクを取ってまで僅かな音域を増やしたいのか?自問するとそれはちょっと厳しいと判断するしかありません。

 

あくまでも好みの問題、目的用途によりますが、大は小を兼ねるとそう単純にはいかないのは間違いないでしょう。特に意味もなく24フレット以上の楽器を選択するのは考えもの。

 

当然ながら、ブラッククラウドに24フレットは存在しません。豊かなボディ鳴り、身の詰まった太い音、タッチレスポンスにこだわるのであればやはり、意識して避けたい仕様と言えそうです。 

 

フレット数、侮るべからず。

 

PUについて

 

直球勝負のPU

 

実はとてもスタンダード

 

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「高出力」とか「パワーが凄い」なんてレビューされることも珍しくなさそうなジラウド。実際、目の前でそれを耳にしたことがあります。

 

でも実のところ、PU自体は意外なぐらい普通。それこそ、昔ながらのフェンダーに近い仕様、アルニコとエナメル線の使用にこだわっているのが本当の話。

 

セラミック系だったりバーポールピースのような構造のものとは対極?新時代どころかもはやヴィンテージなぐらい?自分のブラッククラウドもシンプルなシングルコイルそのもの。

 

まさに温故知新。捻くれて奇をてらうだけのものとは思想も仕上がりもまったく異なります。

 

出力に関しても同様、あくまで自然な方向性。パワーを欲張るなんてことはしない。過剰に巻数を増やすのではなく、むしろ素直でスタンダード。

 

ビンテージのコピーを売り文句にしているものも沢山ある世の中。しかし、大抵は変なアレンジをしたり、無理やりなパワーアップで嫌な癖が出ている印象が強い。

 

超高域まで素直に再生するものなどほぼ皆無。とにかく高域特性が悪い、音の汚いものが溢れているように感じます。シングルコイルだろうと油断は禁物。どうにもならない癖の酷いものが多い。

 

出力を欲張って音を太くしようとか、変な癖を与えてキャラを主張しようとか、そんなことを考える前にまず、本体の鳴りや構造を見直すべきではないかと自分は思います。

 

出発点が狂ってるからおかしなPUが必要になってしまうのではないか、電気的な過剰補正を求めるようになるのではないか、様々疑問が湧く次第。

 

まさにベースの為のマイク

 

マグネットPUなんて現代的な存在でもなんでもない。むしろ超絶アナログ、時代遅れにもほどがあるものだと思います。

 

一方、そうは言っても、大多数のエレクトリックベースにとっての重要なマイクになるのがマグネットPU。ソリッド楽器の生音のみで勝負なんてあまりに現実的じゃない。

 

だからこそ、プレイヤーのタッチが活きるものであって欲しい。後に通る回路を無理なく活かすことができるものでもあってほしい。

 

出発点が狂ってることを面白がるのもいいけれど、そんなものばかりが溢れていたり、基準にもなってしまうのはどうなのか? 酷い特性のものが多い状況には強い疑問を抱きます。

 

ブラッククラウドを所有して分かったこと、それは長く使い続けても飽きがこない魅力、上手くなるほどそれに応えてくれる楽しさと素晴らしさ。

 

その奥深さを生み出すために重要になるのが、ジラウドこだわりのPU。シンプルで素直なだけに奥が深い、多様な音作りも余裕で可能にする逸品。

 

生楽器としてのタッチへの反応、電気楽器としての多彩な音作り、アコースティックとエレクトリック、どちらの期待に対しても答えを返してくれます。

 

散々な目に逢ってきたこれまでの多弦用PU

 

多弦用PUのその多く、高域特性が壊滅的だったり、反応も薄かったりつまらない印象。癖の塊、わけの分からないものに困惑することばかり。

 

これに関しては前述した通り、楽器の設自体が微妙、見た目を優先、製作思想や狙いが支離滅裂なものが多いせいなんじゃないかと思います。その線の細さや弱さを誤魔化す為、太く聴こえさせようとするPUやプリが好まれるのだと想像。

 

そのような楽器の場合、本体の特性やタッチを活かしてしまうようなPUでは、恐らく相性最悪。本体の特性を活かそうとするほど逆効果、確実に頼りない音になってしまうはず。

 

不思議か必然か、木工に凝ったハイエンドなものほど、やたらとサイズが大きかったり出力も高いハムバッカーがよく使われている印象。何だか理由が分かる気がします。

  

フェンダー系の音を狙って巻数を真似しようとか、構造をそのまま流用しようとするものなどもあるかと思いますが、これも問題がかなりあるんじゃないかと疑問が湧くところ。

 

多弦用のサイズになっているのにもかかわらず、それそのまま馬鹿正直にコピーしたらどうなるか?当然、それだけコイルは長くなるだろうし、無闇に出力が上がったり変な癖も出てくるでしょう。

 

壊滅的な高域特性にもかかわらず、「多弦におけるビンテージクローンの完成!」なんても言われてもまぁ、ちょっときついってもんですよね。

 

「4弦の方が気持ち良い音がする・・」「多弦は音がすっきり抜けてこない・・」ありがちな話だと思いますが、それだけに、気のせいでは済ませられない壁を感じます。

 

楽器本体の設計、鳴り方に問題があることに加え、PUが酷いと来たら、そりゃどうにもなりません。でも悲しいかな、そんなものが多いのが厳しい現実。

 

正直、心が折れます。

 

JB-05以上の5弦用PUは存在しなかった

 

高域特性が壊滅的な多弦用PU・・・

 

当然、ジラウドがそんなものを出すわけがありません。4弦の安易な流用ではなく、ちゃんと5弦専用。大変なテストをクリアー、素晴らしくワイドレンジでレスポンスも文句なしの仕上がり。

 

・楽器らしく活き活きとしたパンチ

・全音域バランス良くローノイズ

・無理せずともよい気持ちいい自然な音抜け

 

5弦でこんな美味しい仕上がりになってるものは他に知りません。

 

ただでさえ、良いシングルコイルを求めるのは難しい。5弦になるとさらに壊滅的、選択肢が皆無になる恐れすらある。昔ながらのアルニコとエナメル線、条件を加えていくとどんどん厳しくなっていく。

 

でも、考えてみるとおかしな話、ジラウドのPUって実は特殊でもなんでもない、むしろ当たり前のような存在、それが何でないのだろうと多くの疑問が湧いてきます。

 

何故、こういうものが逆になくなってしまうのか?多弦ベースは何でおかしな方向に行ってしまうのか?PUの点から見ても、様々な気付きがあるかもしれません。

 

ジラウドほど音に対して真摯に向き合っている存在を自分は知りません。評判が良さそうな製品をのっけて終わり、そんなものとは次元が違います。

 

どこまでもこだわる姿勢が本当に素晴らしい。

 

実はスタンダードなPU位置

 

特別なようで普通 だから実用的

 

どこまでも個性的、もはや特殊にすら思われそうなぐらいの印象もあるジラウド。

 

一方、基本にあるのはフェンダーのそれ。特にジャズベースを起点にしていると言っても過言ではない。実際、店主の福田さんは、69年製のフェンダージャズベースをリアルタイムで愛用、プロミュージシャンとしてバリバリに知り尽くしている方でした。

 

自分のブラッククラウドに関しても、PU位置は60年代のジャズベ基準。ミックス時の素晴らしいサウンドはもちろん、バランサーをどのポジションに振ってもちゃんと使える音が出てくれます。

 

前述したように、PUそのものが非常に素直な特性。変な癖や安易なキャラ付けなどがない為、タッチコントロールによって驚くほどに音色を変化させることが可能。それこそ、スタンダードなジャズベと同じように使うこともできます。

 

元がしっかりしているということは、プリアンプを使用したり積極的な音作りをするのも楽。フロントでもリアでもミックスでもどう使ってもOK。特殊どころかものすごく扱いやすい。実用的に自在な音作りを実現。

 

2PUのミックスは凄く難しい問題

 

PU位置やインピーダンスに無関心なベースのミックストーンは本当に酷い。残念ながらそんなものが多いのが現実、数多くうんざりさせられてきました。

 

嫌味でもなんでもなく実際問題、どうしても変わったことをしたいのであれば、PUは一つに絞った方が良いんじゃないかと思うところ。下手に干渉を起こさせるよりその方が潔いし、実用的でもあるはず。

 

分かりやすい例がアンソニージャクソンのコントラバスギター。無理に2PUにするのではなく、より狙いを絞って勝負。28フレットになるだけに、PU位置も限定されてしまう為、あえて一つにするのは非常に分かる話。

 

そういったコンセプトがあるわけではなし、

 

「とりあえずハムを2個だな!これで太い音が出るだろう!」

「・・・心配だからプリアンプも載せておこう・・」

「ツマミいっぱい増やしときゃ多機能になるはず!」

 

こんなノリで作っても世の中そんな甘くない。何の計算もなく2つのPUをミックスしても結果は悲惨。干渉が酷ければと音はかえって痩せるだけ。

 

ただでさえ癖があるPUが多いのに、楽器本体もおかしい、まったく鳴らない、加えてPU位置までめちゃくちゃ、それをプリアンプで誤魔化そうとか、それじゃ音はどんどんボヤけたりグズグズになる一方でしょう。

 

壊滅的な特性の多弦ベースが多い理由って、この辺りの問題が非常に大きいと自分は感じます。デザイン重視、表面的な演奏性重視、個性派気取り、その結果、すっきりしない気持ち悪い仕上がりのものになってしまうんじゃないかと。

 

そんなことを考えていくと、恐るべきはフェンダージャズベース、そのトータルバランスや実用性、時代を超えて愛されるのも当然だと納得させられます。そのPU位置の絶妙さは、もはや感動的ですらあるかもしれません。

 

それ故、そこを崩すのは大変だと思い知るところでもあります。

 

個人的な好みで言えば、ジャズベースは70年代のPU位置になっただけでも違和感があるのが正直な話。1cm程度の変化でも音に影響が出てしまう事実。それぐらい繊細で設定が難しい領域なのだと痛感。

 

絶妙なPU、そのポジションがまだまだ隠れていたとしても不思議ではありませんが、それを発見するには膨大な試行錯誤が必要になることは避けられないはず。

 

それなりに良い結果が出るぐらいじゃ挑戦する意味がない。ものすごく良かったとしても、それが果たして実用的なのか、好みであるかどうかは難しい問題。

 

プレベ、ジャズベ、スティングレイ、時代を超えて評価される楽器にはやはり、それだけの理由があるのだと実感させられる次第。PU位置の設定の素晴らしさに唸ります。

 

基本はフェンダー されどオリジナルなジラウド

 

ジラウド=独特の存在、他では味わえないオリジナティの塊であるのは確か。一方、基本のそれはフェンダーにあったり、普通なところは意外なぐらい普通だったりもするから面白い。

 

ブラッククラウドも基本はジャズベース。楽器本体にしてもPUにしても、アナログ思考にも程があるってぐらいのものと言えるかもしれません。

 

しかし、フェンダーコピーに甘んじるのではなし。信念とこだわりがオリジナリティを生み、凡百では決して辿り着けない領域に踏み込むのが素晴らしい。

 

福田さんご本人からすれば、「欲しいもん作っただけ」ぐらいなノリで出来た可能性も多分にありそうな気はしますが、いずれにせよ『その欲しいもん』ってやつが半端じゃないベースであることは間違いありません。

 

乱暴に言ってしまえば、

 

「使える道具」

 

まずこれを押さえてるのがジラウド。

 

そこからさらに奥深い世界に行くこともできるし、より道具としての実用性に富んだ機能を盛り込んでもいるし、本当に選択肢が豊富、素晴らしい自由を感じますね。

 

弾いてなんぼな良い楽器。弾かなきゃ分からないジラウドの魅力。 ネットの評判など気にせす実際に弾くのがおすすめ、それも出来れば長い付き合いを推奨したい。

 

基本あるからこその発展性。

危うい新鮮さと安定の優秀さと常に向き合えます。 

 

バッファについて

 

ジラウド アクセラレータ

 

シンプルな高性能バッファ

 

自分が所有する6本のジラウドのベースの内、4本はこのアクセラレータを内蔵。ジラウドらしく実にオリジナル、本当に素晴らしいバッファ。

 

普通、エフェクターやプリアンプの入力インピーダンスは1MΩが相場。実際、後述するJFDTにしてもそれは同じ。

 

ところが、このアクセラレータの入力は3.2MΩ。これほど超高速、超ワイドレンジに機能するバッファは存在しないでしょう。

 

これを体験してしまうと、他は目に入らなくなってきます。

 

と、こうして話にだけ聞くと、「でもそんな凄いやつって使いにくくない?ドンシャリなんじゃ?」なんて懸念も出てくるかもしれません。

 

そんな心配については、このフレットレス動画でも見れば晴れるはず。アクセラレータを積んでいますが、まったりマイルドに弾いてます。

 

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もう一つ例を上げるなら、ローファイなジェマーソンスタイルみたいなベースにも使用しています。金属感などどこへやら、ボフボフ言わすにも問題なし。

 

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変な先入観なんか持つだけ無駄

 

とかく、音とは好みが分かれるもの。

 

超絶派手なサウンドが好き、渋いパッシブサウンドが好き、誰も出してない独自の音を出したい、実に様々、弾く人の数だけ存在するとも言えます。

 

アクティブ派だのパッシブ派だの、そんな論争がいまだにあるとも想像しますし、やれドンシャリがどうだの、枯れたビンテージサウンドだの、あれには向かないこれには向くだの、そういった機材レビューも氾濫、固定観念も強く働くものではないかと。

 

そんな中、アクセラレータの何が凄いって、

 

「何でもこいや」

 

地味だろうが派手だろうお構いなし。どんな方向に進もうが、その恩恵を受けることが可能。絶大で確実な活躍を期待できます。

 

具体的にどんな仕事をしてくれるものなのか?

 

「PUからの信号をハイインピーダンスで受けローインピーダンスで出力する」

 

ただそれだけのこと。でもそれが本当に大事。

 

たった一つの仕事をこなす、その僅かなことでこれほどの効果が得られるものなのか、事実で思い知らせてくれるのがアクセラレータ。

 

基本事項を高性能に実践、これぞ正しくバッファ。

 

まさに究極 アクティブバランサー

 

アクセラレータを二基搭載、各PUに直接通す恐るべきバランサー。これを自分のブラッククラウドに内蔵しています。

 

フロントとリアと各PUに対しバッファを通すという、何とも贅沢な発想。PUからほぼ最短でインピーダンスの変換を行うことで、とにかく劣化の少ないクリアな音を実外。

 

もちろん、バランサーとしての性能も素晴らしいのなんの。センターにすると音量が落ちるとか、通すだけで音が曇ったり痩せるなど、ありがちな心配は不要。

 

入力インピーダンスの低いアンプを使用しなければならない場面に遭遇しても安心。発想としては実はシンプル、だからこそ実用的で効果も分かりやすい。

 

PUの微弱な信号をいかにロスなく届けるか、いかに妙な加工をせずそのまま出力するか? その要求に対し、これほど見事に応えてくれるものもないでしょう。

  

高速タッチレスポンスが魅力のブラッククラウド。ただでさえ凄いのに、アクティブバランサーの組み合わせは本当に強烈。木工的にも超高速。電気的にも超高速。レスポンスにおいてこのベースは勝てるものは存在せず。

 

高域がただやかましいのが速い音なのか?そんなものとは根本的に異なるのがジラウドという存在。超低域、超高域、全音域にわたって凄まじい反応と音抜けの良さを実感できます。

 

これを弾いてしまうと本当、他のベースが弾けなくなるかもしれない、そんな圧倒的な差に唸ること間違いなし。

 

嬉しい美味しいネオパッシブ

 

フロントPUにパッシブトーン

 

なんのこっちゃは置いておいて、まずは動画を参照。

 

使用しているのはフロントPUのみ。最初はストレートなセッティング、次にパッシブトーンを0にしてオン。最後にパッシブトーンを少し戻して弾いています。

 

いかにもアクティブ~なジャリジャリ感も、パッシブトーンを通せば甘くマイルドに。

 

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「プレベの5弦が欲しいけどもうベースは増やしたくない・・」

「そもそもPUの構造的に無理がある・・・」

「これ以上理想の5弦はもう絶対に手に入らない・・」

 

こんな悩みを抱えた末に思い付いたのが、フロントPUへのパッシブトーンの追加。これもジラウドならではの美味しさ、超ハイファイとローファイのどちらも理解、実現もできる懐の広さが素晴らしい。

 

超ハイファイ仕様の泣き所、EQをカットしてミドルを強調した音作りをしたとしても、その粒立ちや解像度まではなかなか落とせません。クリアーであることが必ずしも正解になるとは限らない、それが音楽の奥深く面白いところ。

 

その意味で「パッシブらしさ」みたいなのを求める気持ちはよく分かります。独特で絶妙、美味しい濁り、歪み感、こういったニュアンスもやはり捨てがたい。

 

そこで本題、

 

『ネオパッシブ』

 

アクティブのメリットとパッシブの美味しさを両立できる素晴らしい仕様。

 

前述した通り、PUからアクティブバランサーに信号を送り、3.2MΩ入力の恩恵を受けているのが自分のブラッククラウド。常識外れにクリアー、素晴らしいレスポンスと超ワイドレンジに仕上がったモンスター。

 

一方、それで全部行くのは辛いのも確か。時には甘くマイルドにしたくなるもの。

 

だからネオパッシブ。

 

PUの信号をバッファに送る前に、スイッチによる選択でパッシブトーン(250kΩ)を通す仕様。アクティブでは真似のできない独特のハイカット、甘さと太さを加えることが可能、

 

アクティブながらもパッシブ、微妙な音の膨らみや味わいがなんとも魅力的。

 

動画で確認するネオパッシブ

 

超ハイファイでクリアーなサウンドから一転、モコモコのローファイなサウンドを瞬時に実現、そんなことだって本当にできるのがネオパッシブ。

 

論より証拠。甘く太いフレットレスサウンドをバッキバキのスラップサウンドに切り替えた動画がこちら。パッシブトーンのON/OFFで劇的に変化させることができます。

 

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当初の狙い通り、ぶっとく荒っぽいプレベサウンドを狙うにも実に良い感じ。ジャリジャリしたセッティングから一転、スポンジもかまして音をより古臭くした動画がこちら。

 

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このフロントのパッシブトーンを利用したミックスサウンド、これがこれまた面白い。通常では不自然なミックスになってしまいそうなところ、そこで活躍するのがアクティブバランサー。実にナチュラルに出力が可能。

 

両PUミックス時、フロントPUのパッシブトーンをカットした場合、リアPUの倍音、キャラクターを主にしながらも、フロントの甘さと太さを加えるような音作りが可能。

 

リアPUだけにするとどうしても硬質になりがちだったり、量感豊かなボトムを望むのが難しい面がありますが、そんな時にパッシブトーンを効かせたフロントPUを混ぜると実に良い感じに。

 

これは、後述するJFDTプリアンプをスルーした状態でもできる為、バランサーのコントロールとパッシブトーンの有無だけでも、かなり幅広く音作りができて面白い。

 

フロントPUのネオパッシブ化で狙ったのは、ローファイ路線やプレベっぽさだけではなし。実はリアPUに対する効果を期待しての追加だったりもします。

 

ここで一つ動画。バランサーセンター、フロントのみ、リアのみ、バランサーセンターでフロントのトーンを0、そのまま少しリア寄りの順に弾いてます。

 

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実にジラウドらしさ溢れるネオパッシブ

 

スイッチ1つで劇的な変化可能、もちろん微妙な調整に使ってもOK。ローファイなセッティングにしたとしても、出力はあくまでもローインピーダンス。甘い音にしてもちゃんと抜けてくるのも魅力。

 

発想としては実は単純でもあるのかもしれないネオパッシブ。でも、実際にこういうことをちゃんと真面目に詰めてくれるところって本当にない。

 

アクティブバランサー、後述する微電流用トグルスイッチ、スイッチポットなど、細かにこだわった自社製品の数々、それがしっかりクオリティに繋がっているのが素晴らしい。

 

パッシブトーンをたった一つ追加するだけ、それでサウンドバリエーションが増える事実。デジタルどころか完全アナログ、ナチュラルで心地よいサウンドが嬉しい。

 

多機能を音痩せも無理もなく実現できるのがジラウド。ネオパッシブの発想の素晴らしさ、アクティブバランサーの魅力も改めて実感させられます。

 

単純なパッシブの2ボリューム2トーンの構成で的確にインピーダンスの処理ができるかは微妙。ましてや、超ハイファイ仕様のフルチューンのようなサウンド、バリエーションを作り上げることはほぼ不可能でしょう。

 

選択肢を増やすことがプラスに働くとは限らないのも確かだけれど、それはクオリティが低い故の迷い、実用性の薄い楽器をイメージしているからなのではないかと疑問も湧くところ。

 

自分が望んだ「一本に贅沢まとめたい!」という希望。これをハイクオリティに実現できるのは、ジラウドをおいて他になかったと断言できます。

 

その気になれば、このブラッククラウド一本でも十分。他に沢山所有したり、あれこれ持ち替えたり、エフェクターにも凝ったり、そんなことをする必要なんか実はないと考えることもあったり。

 

複雑そうだけど、実はシンプルの極み。一本で自分に必要な要素のほぼ全てを満たすことも可能な恐るべきベース。本当に幅広く、奥の深い楽器に仕上がりました。

 

ネオパッシブ、もっと評価されるべきではないかと声を大にしたい。

 

プリアンプについて

 

ジラウドと言えばJFDT

 

有名なSlapperの中身

 

これぞジラウドな象徴。それがJFDT。

 

【スラッパー】の名前をご存じの方も多いかと想像。あのペダルに使用されているものを内蔵したのが【JFDT-C】となります。

 

このプリアンプがあることでどれだけ様々助かるか、お手軽便利に役立つか、お金の無駄遣いも減るか、恩恵を考えるとキリがありません。

 

ブラッククラウドにこれでもかと要素を詰め込んだ結果、もう本当、ケーブル1本あればそれでどうにでもなると実感。嫌いなアンプに当たっても手応え十分。JFDTを使えば大助かり。

 

あまりに幅広く音作りが可能、それ故、逆に扱いが難しい面もありますし、誤解を感じるレビューを見ることも珍しくありません。評判を聞いて入手、そしてわけが分からず手放す、そんな人も少なからずいるはず。

 

だからこそ伝えたい。

 

「ドンシャリ製造機なんかじゃねぇぞ」

 

このJFDT、なめてもらっては困ると。

 

そのクオリティ、扱い方が分かってくれば、無敵に活躍してくれるプリアンプ。他のものに手を出す気が失せる魅力と実力が詰まりまくってます。

 

魅惑のフルディスクリート回路

 

ジウラドに触れることで初めて知った言葉、

 

『ディスクリート』

 

いわゆるICを使用していないことが特徴、フルディスクリート構成の回路が素晴らしいジラウド。JFDT、前述したアクセラレータ、共にフルディスクリートで作られています。

 

と言ってもまぁ、無知な自分では本当のところは説明できないのですが、実際に使えば分かるその素晴らしいクオリティ、ジラウドならではのオリジナリティの前で理屈は不要、それも問題ない認識ではないかと思う次第。

 

常にフルブースト、バカスカぶっ叩くなんてことでもない限り、電池の持ちも非常に良い。複雑なデジタル回路どころか、この上なくアナログで低消費電力。

 

だからこその高速レスポンスとクリアなサウンド、まさにベースのために作られたジラウドの回路、その代表と言えるのがJFDT。

 

これをほんと、その辺のアクティブと同じにしてもらっては困るってもんでして、ドンシャリだのピーキーだの何を言ってんだとツッコミ入れたくなってしまいます。

 

他社製プリアンプのそのほとんど、通すだけで音がおかしくなったり、くどいキャラなどを押し付けてくるから厄介。そんな中、ジラウドの回路は圧倒的にクリアで効きも抜群。素性の良さ、クオリティが完全に別物。その高速な特性、実用性は他に類を見ません。

 

よく聞く話、「アクティブのは誰が弾いても何でも同じような音になる」なんてイメージなど、このプリアンプにはまったく通用せず。プレイヤーのタッチをそのまま再生、音作りにも自在に応えてくれる恐るべきプリアンプ。

 

定番の回路など見向きもしなくなりました。

 

ドンシャリと思うならカットしてみるべし

 

「耳に痛いドンシャリ」

「アンサンブルでは使いづらい」

「ミドルがなくて不便」

 

こんなレビューも珍しくないだろうJFDT、そしてスラッパー。

でもちょっと待った。そうと決め付けるのは早計だとツッコミたい。

 

EQのカットを試してないんじゃないか?

そもそもカットする音作りを知らなかったりするんじゃないか?

スラッパー=スラップ専用と思ってないか?

 

様々、疑問が湧く次第。

 

トレブルとベースの2バンドゆえ、ミドルのコントロールが難しいと思われがちなのだとしたら、是非、その認識は改めてほしい。EQをカット方向で使ってみることを推奨。

  

よくあるEQの多く、カットすると音量まで露骨に落ちたり、痩せて聴こえてしまったり、味もそっけもなく特定の帯域だけがストンとなくなるなど、そんな印象が強い。

 

一方、JFDTは一味も二味も違います。

 

ベース・トレブルと言っても、ごく僅かな特定の帯域だけに働くのではなし。ミドルとも連動、総合的に波形が変化するのが凄い。ベースとトレブルをカットすることで相対的にミドルを強調、山なりの波形にすることが可能です。

 

逆に、ブースト時はミドルを鋭角的にカット、これも美味しいのは間違ないけれど、独特の動き方をするのも確か、そこが難しく感じるのかもしれません。

 

その使い心地、感覚に慣れれば、この上なく頼れる存在になると確信。ドンシャリ専用みたいな誤解しっぱなしは悲しい、JFDTはもっと評価されるべきだと声を大にしたい。

 

長く付き合いたい奥深いプリアンプ

 

常識外れなレスポンス、一線を画すクリアな粒立ちなど、他では考えられない素晴らしいクオリティを有しているが故、扱いが難しいと評されることもあるだろうJFDT。

 

独特の働き方をするEQとも相まって、なかなか上手く扱うことができないのは確かに分かる話。

 

しかし、だからと敷居高く構えすぎるのは反対。

 

使っていけば分かります。

 

「こんな超絶便利な2バンドEQはない!」

 

めっちゃくちゃセッティングが楽、美味しすぎるプリアンプだと。

 

作りたい音をしっかり持っている、アンサンブルで的確に聴こえるセッティングが分かっている、実用的なサウンドを心得ている、イメージを具体的にできる、そんな経験を積めば積むほど、どんどん心強くなっていくのがJFDT。

 

トレブルもベースも0にするなんてセッティングにした場合、世の多くの製品は使いものにならない音になって終わり。

 

でも、JFDTだったらそんな心配は不要。問題なく使える音が出てくれるのが美味しい嬉しい。ドンシャリな音しか出ないなんてイメージとは、まったく別な音作りも簡単に実現。

 

話してるだけでは何なので、ここで一つ動画。

 

前半はプリスルー、後半がプリON。ONの際、トレブルとベースはオールカット。よりミドルを強調するセッティングにしています。

 

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ドンシャリになるなんてことがなければ、音量がガクンと下がることもない。ハーモニクスが引っ込むなんてこともないし、スカスカになったりモコモコこもるだけなんてこともなし。

 

普通じゃ使いものにならないだろってセッティングにしても、グチャグチャに崩れた出音にはなりません。その音が活きる場をプレイヤーが理解してさえいれば、必ず使えるベースサウンドになってくれます。

 

2バンドでも異常なぐらい幅広い音作りが可能、操作も実に楽。後述するスラップモードとも合わせればさらに多彩、超絶サウンドも簡単に実現。

 

内蔵 スーパーミドル

 

ミドルのツマミがないから扱いづらいと思われそうなJFDT。

 

「だからドンシャリになりがちなんだ!」なんて認識だったら、それも今ここで改めた方が絶対お得。本体に内蔵してあるミニトリムを操作すれば、ミドルの設定をすることも可能。

 

手軽に操作することはできませんが、「もっとミドルを!」と求めるなら、知っておいて損はありません。

 

と言いつつ、無闇にいじると元の音が分からくなるリスクはある為、EQの操作と感覚に慣れてない人が手を出すと、音作りの底なし沼にハマる可能性はあるかもしれません。

 

『スーパーミドル』と名付けられる通り、単純なEQとして働くのとはちょっと違うJFDTのミドル。無闇にいじらない方が無難は無難。

  

前述したように、トレブル・ベースがミドルとも連動して変化するのがJFDT。2バンドの操作でも幅広い音作りが可能。EQをカットすればミドルが自然と強調されます。

 

だからこそ、その自由度に手を焼くのも不思議ではない、的を絞れず首をひねりっぱなしになってしまう恐れがある。

 

そんな中、ミドルの操作まで加わってしまったらどうなるか?トレブルとベースの変化の仕方と印象も変わってしまったらどうするのか?

 

より操作も設定も複雑化、困惑に困惑を重ねる事態になってしまうでしょう。

 

その為、よほどに熟練熟知した人でもない限り、3バンドのEQとして使いこなすのは難しい、多彩で豊富なサウンドバリエーションに翻弄されてしまうんじゃないかと。

 

何の世界でもそうかもしれません。選択肢を増やすことが必ずしもプラスに働くとは限らない。常にツマミをいじりっぱなし、細かく細かく音色を激しく変化させるのは非常に難しい。あえて2バンドのシンプルな構成にしている意味を感じます。

  

正直な話、自分のブラッククラウドもちょっとツマミが多いかなと思ったり。ここにミドルまで追加しちゃったら絶対迷いが生まれる、音作りの収拾が付かなくなりそう。

 

ミドルのツマミはあえて封印、簡単に操作できなくしてあるから良い。どうしても変更したくなったら、その時に改めて操作すればいい。たぶん、その設定付けが正解なはず。

 

音作りの沼、ツマミ地獄に陥るのは避けたいもの。

 

「スーパーミドルも美味しいぞ!」と声を上げたいところではありますが、そこをあまり深く詮索しないのも、使いこなしのコツと言える気がします。

 

フルチューンについて

 

アクセラレータ+JFDT

 

アクセラレータ、JFDT、共に高性能なフルディスクリート回路。

単体だけでも十分な活躍を期待できる逸品。

 

それを両方内蔵しちゃおうってのがジラウドならではの究極仕様、

 

『フルチューン』

 

PUからバッファ(アクティブバランサー)に直結させた後、JFDTへと繋げます。さらなる高速仕様、ワイドレンジな仕上がり、EQの効き方も尋常じゃない。

 

その超絶な特性について分かりやすく例を上げるならこの動画。使うのはフレットレス。しかも弦は数年張りっぱなし。それでもバッキバキにスラップ決めることが可能です。

 

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JFDTだって入力インピーダンスは1MΩと十分高い。アクセラレータを通さない場合、『ノーマルチューン』と呼ばれますが、それでも他じゃ味わえない特性を実現します。

 

しかし、そんなもの軟弱だと言わばかりにブッちぎるのがフルチューン。未体験の超高速レスポンス、超絶ワイドレンジ、アクセラレータがPUとJFDTの実力をより引き出す異次元仕様。

 

嫌いな人はとことん嫌い、好きになればこれしか弾けなくなる、そんな極論、賛否があるから面白い。

 

半端じゃありません。

 

ハマると抜け出せない中毒性

 

ジラウドに通い始めの頃、フルチューンを弾くのがま~嫌だったこと。粗丸出し、下手なのバレバレ、使いこなせる気がしない、弾くのが怖くて避けてたのが本当の話。

 

ちょっとしたバズ、タッチノイズ、普通じゃ気付かないような音でも、容赦なくそのまま再生してしまうから恐ろしい。フレーズの粒もまったく揃いませんでした。

 

しかし、人は成長するもの、慣れるもの。今はもう、これでなければ駄目な体になってしまったかもしれません。その超高速サウンドと圧倒的な音抜けに惚れ込みっぱなし。

 

木工的にも最速、電気的にも最速、それが自分のジラウドブラッククラウド。このベースのレスポンスに勝てるものは存在せず。

 

100万超えの楽器だろうが何だろうが圧倒的にぶっちぎります。 その音抜け、粒立ち、ジラウド以外では絶対に味わえません。

 

その圧倒的な特性ゆえに、多くの誤解を招きそうでもありますし、実際、フルチューンのサウンドに手を焼いて手放した人も少なからずいるでしょう。

 

「これぞJFDT!」と考えられればいいけど、あまりにも行き過ぎのモンスターだと認識してしまうのも無理ないし、その印象は人それぞれ分かれてしまいそう。

 

だからこそ、実際に弾かなきゃ分からない。フルチューンを体験して驚かない人はいないはず。音抜けに悩んだり、レンジが狭くて物足りなかったり、それが裏返ってしまう可能性があるのがフルチューン。

 

「もっと引っ込んでくれ!抜けすぎないでくれ!」

 

懇願するようになるかもしれません。

 

驚愕のスラップモード

 

ただでさえクリアでワイドレンジなJFDT。

 

それをさらに超絶サウンドに変貌させるのが、

 

『スラップモード』

 

ドンシャリなんて言い方はぬるい異次元の音を味わえます。

 

低音がボワつくだの、高域が耳に刺さるだの、そんな安っぽい代物ではなし。とんでもないハイが出ているようでも耳は痛くない、嫌なピークなく超高域まで綺麗に再生、常識外れな超ワイドレンジなサウンドをスイッチ一つで実現。

 

この特性を他社のプリアンプやEQで真似しようとするのは、もはや非現実的。「シャー!」ってノイズに苦しむのは必至、2バンドで実現しようというのもほぼ不可能でしょう。

 

スラップモードだったらもう、推奨するのは低音フルブースト。縁の下の力持ちだの、お行儀よく構えて満足だの、そんなもんはブッ飛ばす。まずはアグレッシブに楽しんだ方が絶対気持ちいい。

 

弾けば分かる。弾かなきゃ分からない。ベースらしくないだの、そんな音は必要ないだの、いい子ちゃんぶってんじゃねーと言いたい。

 

「俺は大好き」

 

もっと夢を見んかいと。

 

実はアコースティックサウンド

 

その名前の通りの派手な音、スラップ専用装置みたいな印象を受けそうなスラップモード。前述した内容からイメージすると、余計にそう思ってしまうかもしれません。

 

ここで繰り返し伝えたいのは、単なるドンシャリってやつとは一味も二味も違うってこと。と言うより、そもそもの思想も狙いも別物、電気的な音を作るのとは実は異なると認識した方が良い。

 

スラップモードで得られる特性とは何なのか?

 

『フラット』

 

自分も最初は意味が分かりませんでした。でも、よく話を聞いてみたら納得。

 

どんなにレンジが広いマイクだとは言っても、ベースに使用するのはしょせん古臭いマグネットPU。フルレンジとは程遠い特性、中域に寄ってしまうのが宿命。単体で超低域から超高域まで再生することを望むのは厳しい。

 

そこでJFDT、そしてスラップモード。

 

マグネットPUの強い中域、山なりな波形を矯正。フラットな波形、生音のような出力を目的としているというのだから驚き。

 

一言で言うならば、

 

『アコースティックモード』

 

スラップモード=弦の音を忠実に再生と考えることができます。

 

実際、ワイドレンジで癖のないシステムで鳴らした場合、ピエゾかと思うような音を出すこともできるのがスラップモード。実に繊細なニュアンス、弦振動による生音、倍音がそのまま出てくる感覚。

 

スラップするだけではなくソフトな指弾き、和音やアルペジオに用いるのも最高。ハイCを張った5弦に使用しても、非常に美味しいスラップモード。実にアコースティックにダイナミクス豊かに弦の音が響きます。

 

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JFDTのスラップモードの何が良いって、繊細でアコースティックな一方で、ピエゾにはないマグネットPUならではの力強さ、分厚さも実感できるのが良いんですよね。

 

どんなにワイドレンジだの綺麗な特性だの言っても、立ち上がりが悪かったり音が引っ込んでいたり、お上品にまとまっているだけでは面白くない。

 

単にシャリシャリ、ガリゴリうるさいってのとは次元が違う。とてつもないパンチを感じられるから素晴らしい。それこそ、思いっきりバカスカ叩きたくなるような衝動を駆る、暴力的なパワーを感じられるのが最強に良い。

 

『スラップモード』の名に恥じぬ圧巻なサウンドとレスポンス、実際に体験しなければ絶対に理解できない魅力、弾けば一発で分かるその実力、

 

「これしかねぇ!」 

 

一度好きになったらもう忘れることなど不可能。

 

ちまたで言われるドンシャリなんてのがいかにしょぼいか、レンジ狭くダイナミクスも大したことないか、全力で知らしめてくれます。

 

超シビアだからこそ成長の実感も具体的

 

唯一無二なスラップモードのサウンド。

 

超魅力的な一方、多くのプレイヤーの心を折ってきたであろう特性、ジラウドの誤解を招く元になっているんじゃないかと思うところもあり。

 

超ワイドレンジ、超高解像度、尋常ではないレスポンス、その半端じゃない特性が故に、ちょっとしたミスやノイズもそのまま再生されてしまう恐ろしさも持っています。

 

タッチやフィンガリングが悪いとま~悲惨。バズまみれ、ノイズだらけの音になってしまう可能性が高い。常識外れなサウンドの分だけ、アンサンブルの中で活かすのもなかなか難しい。

 

ジラウドのベースに慣れるまで、弾くのが怖かった時期があったのは、前述した通り。特にフルチューンの難しさは異常、スラップモードじゃ恐怖の象徴と言っても過言じゃありませんでした。

 

「俺はこんなに下手だったのか・・」

「基礎なんか全然できてなかったのか・・」

「こんな恥なんか晒したくない・・」

 

弾く度に落ち込んだものです。

 

アクティブ=誤魔化しだの、パッシブは誤魔化せないとか、そんなものはフルチューンとスラップモードのシビアさの前では、お遊戯ってなぐらいかもしれません。

 

だからこそですね、

 

「超練習になる!」

 

真剣に向き合えば上達間違いなし。

タッチもフィンガリングも自然と鍛えられます。

 

縦振動を身に付けようとジラウドに行った場合、まずはOPBを体験することになるでしょう。パッシブの極致、PUの反応もシビア、太い音を出すのが非常に難しいベース。

 

では、そのOPBでぶっとい音を出せるようになれば、フルチューンサウンドも自在にコントロールできるようになるのか?

 

これがまた、話が全然違ってくるんですよね。レンジの狭いOPBでは認識できなかったシビアさ、その圧倒的な解像度、反応速度に四苦八苦させられます。

 

鍛えられるのは右手のタッチだけではない、実は左手がめちゃくちゃ鍛えられるのが、フルチューンとスラップモード。押弦の甘さが残酷なぐらい分かる恐怖、基礎がなってない現実をこれでもかと突き付けらます。

 

だからこそ、こんなに練習になる楽器はない。弾けば弾くほど楽器演奏の奥の深さを感じ取れる。まだまだ眠っている音が存在するのだとワクワクできるのが素晴らしい。

 

イメージ的にはどう考えても上級者向けだと思ってしまいますが、弾くだけで自然と鍛えられる、ちょっとした差にものすごく機敏に反応するのであれば、実は初心者にこそ絶大な力を発揮すると言うこともできます。

 

僅かなミスやノイズが分かるのだから、上達だってすぐ分かるし実感できる。音がろくに前に出ない楽器にストレス感じて我慢するより、バンバン攻めれられる楽器の方が気持ちよく音を出せる。

 

全てを再生する分だけ、上達のスピードが尋常じゃなく上がります。

 

フルチューンのジラウドベース、ようやく楽しく弾けるようになってきたと思うだけに、「もっと早く手に入れてれば今よりずっと上手くなってたのかも?」なんて考えることもありますね。

 

実に多くの価値、様々な恩恵をもたらしてくれます。

 

迷ったらダイレクトサウンド

 

潔くプリスルーも良い

 

このベースのコントロール系を改めて並べるとこんな感じ。

 

・ボリューム(JFDTスラップモードのオン/オフ)

・バランサー(Wシールドのオン/オフ)

・ベース

・トレブル

・フロントPUのパッシブトーン(プルアップでオン)

・プリスルースイッチ

 

恐らく、初見で全て使いこなせる人は皆無だと想像します。

 

正直言って、操作が面倒なのは苦手。ツマミが多い楽器を嫌う人も多くいるんじゃないかと思いますし、自分も本当はそっち側。セッティングを細かく決めるのは苦手な方。

 

多機能ゆえに迷いが生まれる、そんな面も否定できないこのブラッククラウド。解説してきた機能を全て駆使することにより、超幅広い音作りができる一方、実際にフル活用するかどうかは何ともなところ。

 

だからもう、あれこれいじる必要性を感じない場合には、JFDTをスルーしちゃうのも有り。プリアンプは使用せず、バッファのみを通す。PUの信号をストレートに出力、これが実に素直な音で良い。

  

スイッチひとつで簡単にスルー、分かりやすく言えば、アクティブからパッシブへの切り替え。まさに素の音を出してるって感覚です。

 

「その切り替えについてもフルチューンは一味違うぞ!」と声を出したいのは、アクティブバランサーを通っているということ。

 

前述した通り、プリをスルーしてもバッファは通る為、極端に音量が落ちるとか、長いケーブルによる音痩せなどを心配する必要がないのが大きい。

 

アクティブ/パッシブの切り替えなんて特に珍しくもありませんが、その際、アクティブ用のローインピーダンスのボリュームポットをパッシブのまま通すのは色々厳しい。

 

例えばこの動画。入力インピーダンスが低いアンプにパッシブそのまま通すとどうなるか、間にバッファをかますとどれぐらい変わるのか、非常に分かりやすく確認できます。

 

www.youtube.com

 

「アクティブにもパッシブにもなります!」ってやつの多く、どちらもおかしなことになってたりするのが珍しくないから厄介。

 

せっかくのアクティブなのにローインピーダンス出力になってない、パッシブなのにローインピーダンスのポットを通って激烈に痩せている、インピーダンスのアンマッチングは本当に勘弁。

 

その点、フルチューンだったら、内蔵してるプリアンプをスルーしても安心。PUの信号をアクティブバランサーに送り、ローインピーダンスに変換、プリを通さずともまったく問題なく使えるのが魅力。

 

ある意味、最もピュアなサウンド。PUの信号をほぼ劣化も加工もなくそのまま出力。『ダイレクトサウンド』とでも呼ぶべきシンプルさが心地よい。

 

スラッパー内蔵と考えるのも面白い

 

プリスルー状態をメインのサウンドにした場合、JFDTの影響は受けません。ということは、スイッチひとつで音の激変が可能な状態、JFDTを強烈なセッティングにしておき、オン時に超絶サウンドに変貌なんて使い方も有り。

 

『JFDT内蔵=スラッパー内蔵』こんな考え方をするのも分かりやすい。スラップ用のエフェクターを内蔵、ここぞって時にスイッチを入れる、そんな使い分けも面白い。

 

その際のポイント、表に出ているボリュームとは別に、JFDT内部の方にマスターボリュームが内蔵されているのが美味しい。ベースフルブーストなど、そういった極端なセッティングにしておいたとしても、あらかじめ音量をセットしておけば安心。

 

プリを入れた瞬間に音量が上がりすぎる、アンサンブルが壊れてしまう、ボリュームも反応も違いすぎて扱いにくいなど、そういった事態を防ぐのに役立ちます。

 

超多様に複雑に使用することが可能。その逆、とことんシンプルに使っても問題なし。大人しい音と超絶サウンドの両極端を絶妙に使い分けてもよい。とにかく懐が広いのがジラウドならではの魅力。

 

感覚派だろうと理論派だろうと問題なし。

 

自由に好きなように使えます。

 

パーツについて

 

微電流トグルスイッチ

 

ジラウド最初のオリジナルパーツ

 

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ジラウド初のオリジナル製品、それがこの小さなスイッチだというのだから驚き。

 

電源などに使用されるようなスイッチ、それが平然と楽器に使われていた楽器業界、それに憤慨して作ったと聞いて納得。ある意味、これほどジラウドらしいパーツもないと感心させられます。

 

PUや9V用の回路など、そこから生まれる信号なんてやはり、実にたかが知れてるものなんでしょう。それを安易なパーツ流用で無神経に劣化、無頓着なままにするのかと問われたら、なるほど確かに、ジラウドじゃ絶対やらないだろうなと。

 

こういった細かい部分、軽視されがちなところもしっかり考えられているのが、ジラウドの良さと魅力。自分が欲しいものを作る。この世にないからこそ作る。これこそ物作りの基本、音への妥協がない姿勢のあらわれ。

 

考えたら当たり前なのに、なぜか世の中にない。ちゃんとやればいいのに、なぜかやらない、やろうとする人間もいない。

 

このままじゃ理想は実現できない・・・

 

じゃあどうすればいいか?

 

「自分で作っちまえ!」

 

素晴らしく分かりやすい。

 

地味に大活躍な重要パーツ

 

大げさなようですが、この微電流スイッチがあるからこそ、ジラウドならではの多機能を音痩せなく実現していると言っても、決して過言ではなさそうです。

 

プリアンプのオン/オフなどはもちろん、このスイッチをPUにも使用しているのが面白い。

 

並列と直列の切り替え、それだけならばどこでも聞く仕様ですが、問題は配線を引き回すはめになること。加えて、アンマッチングなスイッチを使用なんて来たら、サウンドバリエーションが増えるどころか、望まぬ音痩せにずっと苦しむことにもなりかねません。

 

それを嫌ったのがジラウド。直列と並列の配線切り替えスイッチをなんと、PUカバーに内蔵。最短で配線、微電流用スイッチを使用して音痩せを避けることに成功。

 

直列による図太いサウンド、シングルコイルのようなキレの良いサウンド、その使い分け、選択肢の増設を理想的に実現しています。

 

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「理屈じゃない!」と無根拠なままだったり、いい加減であることが美徳になりがちだったりもする楽器の世界。それも確かに分かる感覚だけれど、作り手の無知や無神経がわざわい、どうにもならない劣化を強いられてしまうなんてのは受け入れがたい。

 

自信がないから世間で評判の良いパーツにしたとか、音がよく分かってないから多機能にしてみたとか、そんな後付けな盛り込みを行ったところで、良い楽器になるかどうかは限りなく微妙。むしろ遠回り、良い結果に辿り着けなくなる可能性が高い。

 

ジラウドは音で納得できるのはもちろん、理屈でも納得できる楽器を作っている希有な存在。小さなスイッチひとつ、そこから分かる強い姿勢、確かな証拠、ロマンも感じてしまいます。

 

地味だけど絶対外せない、何ともジラウドらしいパーツですね。

 

ダブルシールド

 

実に多彩なジラウド。

これまた美味しいのがダブルシールド。

 

かなり以前にデジカメで撮った動画、あえてノイズが多くなるようなセッティングにして実験、シールドの切り替えによる劇的な変化を確認できます。

 

※カメラ自体のノイズについてはご勘弁を。

 

www.youtube.com

 

簡単に言いますと、

 

・元気があってレンジも広い方を選ぶか?

・ノイズレスで安心して使える方を選ぶか?

 

これをワンタッチで切り替えることができるのがダブルシールド。

 

自分のブラッククラウドの場合、バランサーのポットを引っぱることで、フルシールドの方を選択可能。上記の動画のノイズレスセッティングの方がそれに該当。

  

細かいパーツも充実してるジラウドならではのダブルシールド。前述した微電流用スイッチ、カスタムバランサー、カスタムポットなど、根拠あって作っているからこその実用性、音痩せも感じずに弾くことができます。

 

レンジが広いベース、高域特性にも優れる分だけ、環境によってはどうしてもノイズを拾いがちになるのは否定できず。だからこそ、簡単にノイズレスに切り替えられる機能が嬉しい。

 

フルシールドにするとハイが落ちると言っても、そもそもレンジが広いのがジラウド。しかもフルチューンなら圧倒的。フルシールドにしても何の問題もありません。

 

ノイズレスにしても十分すぎるほどレンジが広い。音抜けもレスポンスも別次元。露骨に音がこもってしまう心配なんて一切不要。

  

地味に絶賛したい機能かもしれません。

 

ブリッジ、ペグ、弦など

 

・ブリッジはヒップショット【B Style】のアルミ軽量タイプ。

 

駒をがっちりロックだの、弦間変更可能だの、ゴテゴテしたやつに痛い目見てきた身としては、こういうシンプルで弦交換も楽な方が好み。

 

・ペグはゴトーのGB510。これまた軽量タイプ。

 

小型で軽い一方、ハンドル(?)に厚みと丸みがあるのが非常に良い感じ。薄すぎず、小さすぎず、実に扱いやすくて気に入ってます。

  

ただし、現在では生産が終了しているらしいのが残念。さすがに、この分野までジラウドオリジナルを望むことはできない為、こればかりは諦めるしかなさそうです。

 

・同じくゴトー、便利で助かるのがロックピン。

 

他のジラウドベースにもこのゴトーのロックピンを取り付けている為、お気に入りのストラップが一本あれば、それですぐ切り替えられるのが良い。

 

ストラップを無理に増やす必要がないし、穴がガバガバに傷むなんてこともなく、安心安全、経済的にも助かってます。

 

・弦はリチャードココのステンレス。

 

他にも色々と試してきましたが、酷く散財した結果、これに落ち着いた次第。

 

ちょっとくたびれ気味になっても、良い感じに弾けるのが魅力的。劣化=弦の死亡ではなく、また別の味わいを生んでくれるのが美味しい。

 

もうほんと、フルチューンのジラウドベースに張ると、いつ弦交換をしたのか忘れるぐらいに弾き続けることができますね。フレットレスについては年単位で交換せずとも問題を感じません。

 

ステンレスではあるけど独特の弾力が心地いい。スラップメインではなく指で弾いてもまったく問題なし。やたらシャリシャリ軽いとかそういう弦じゃないのが凄く良い。

 

ココ弦、ほぼ一択って感じです。

 

セットアップについて 

 

ブリッジの駒の調整 これ大事 

 

個人的には勘弁願いたいのは、指板Rに律儀に合わせるように駒の高さを調整すること。特に、低音弦側の方を過剰に下げてしまうのがまずい。上げればいいってもんじゃないけど、下げすぎは明らかによろしくない。

 

余裕のある振幅が得られない、ダイナミクスが希薄になる、弦の張りが弱くなる、立ち上がりも悪くなる、デメリット尽くしな印象強し。

 

ベチョンベチョンなのとか論外、でも世の中、そういうのが意外とある悲しさ。頑なまでに指板Rに合わせて調整、完全に音詰まりしているのに放置、楽器店で試奏した中にはそんな酷いものが本当にありました。

 

製作側も販売側も弾き手のことなんか考えてないんだと失望の極み。

  

ブラッククラウド含め、自分が持っているベースのセッティングを大雑把に言いますと、『低音弦側は上げて高音弦側を下げる』この状態にしています。

 

ジラウドで実際にしてもらった調整、

 

『右手優先のセットアップ』

 

これが非常に良い感じ。

 

「テンション感」が言葉として適切かどうかはともかく、実際に演奏する人間としては非常に大事な感覚です。各弦の張りがバラバラ、高音弦が異常にきつい、低音弦がゆるいなど、これはものすごく弾きにくい。

 

どの弦を弾いても同じぐらいの張りを感じられるように調整、それで驚くほどに弾き心地は変わります。

 

必然的に振幅が大きくなる低音弦に余裕を持たせたい意味でも、指板にきっちり合わせるよりは、高音弦から低音弦に向かってなだらかに上がっていくような状態にしたい。

 

張力の数値だけを見るならば、100%均一になることを期待するのは絶対無理なのも分かるんですが、だからと言って無頓着に放置するのが良いとはなりません。

 

弾きづらいものは弾きやすくしたい。各弦の張りをなるべく揃えるようにしたい。そうするにはやはり、自分の感覚を何より大切にしたい。科学的に理想の数値が合っているかどうか、それが自分に合うとは限りません。

 

ブリッジの駒をしっかりセットアップするかどうか?それで演奏性を驚愕のレベルで変えることもできると実感。

 

ネックはほんの軽く順反りが好き

 

駒をベタベタに下げるのは嫌い。これをやってしまうと、ベースは鳴らなくなる印象が強い。それこそ、悲惨なぐらい音がしょぼくなるケースも珍しくない。

 

弦高を調整するならまず、ブリッジよりネックの調整。順番が違っちゃってるけど、駒をいじるよりネックを何とかすべき。

 

「弦高が上がったから駒を下げよう!」ではなく、先にネックを見た方が絶対に良い。

 

個人的には、超真っ直ぐなネックより、ほんの軽く順反りしてる方が好み。逆反りとか反りすぎは論外。真っ直ぐすぎるのはローポジションの鳴りが物足りない。本当に僅かに順反りになるよう調整したい。

 

それがあっての駒の調整。ネックを見ずにいきなり駒を動かすのはアウト。

 

ネックぐにゃぐにゃ、駒めちゃくちゃ、ナットずどーん、こういうのが楽器屋に当たり前のように並んでたりする世の中の恐ろしさ。

 

ジラウドの中古を見つけたとしても要注意。わけの分からない調整のせいで真価を発揮できない、そんなパターンで失望するのは、あまりにもったいない。

 

まずはネックに気を付けるべし。

 

ナットは低め

 

縦振動のタッチ、太い音の出し方でも有名だと思われるジラウド。

 

じゃあ、ものすごく高い弦高を推奨しているのか?根性論先行の調整をするのか?そんな先入観、固定観念を持ってしまってる人もいるのではないかと想像します。

 

そんなイメージからするとかなり意外?ジラウドはナットの溝をかなり低く削る方だったり。「1フレットが押さえられない!」なんて心配は不要。実際、自分のブラッククラウドはかなり低めに調整してあります。

 

そこはやはり、プロのベースプレイヤーが作る楽器。闇雲任せでピッチを気にしないとか、演奏性の悪影響を放置するなど、そんなことはやらないよと。

 

超絶低弦高が好きなど、それだとさすがに合わない面が出てくるとは思いますが、常識を逸脱して弦高が高いみたいな想像をするのは、まったく意味がないと声をあげておきたい。

 

表面的な弾きやすさばかりに固執するのではなし。無駄のない押弦、力強いタッチにもしっかり応えてくれるセットアップ、それが良い。

 

目的を持った調整により、演奏性もグルーブも驚くほど変わってきます。

 

まとめ・雑談

  

実は凄く分かりやすいブラッククラウド

 

基本的な使い勝手、音の傾向、簡単にまとめると

 

『凄いジャズベース』

 

こう考えるのも分かりやすいブラッククラウド。

 

「フェンダーシェイプとサウンドそのものでなければ認めない!」なんて場合、受け入れがたい面があるのは否定できなそう。徹底してそこにこだわるとしたら、オーバースペックかもしれません。

 

一方、フェンダーそのものはフェンダーに任せりゃいい、もっと先を行く凄いものが欲しい、より高い完成度、バランスを求めるとなれば、自分にとってこれ以上のものはありませんでした。

 

特に、タッチレスポンスに関しては、比較になるものが存在せず。レンジの広さ、音作りの幅も含め、ちまたの安易なアクティブベースなどとは、明らかに次元が異なります。

 

圧倒的にブッちぎります。

 

フェンダーコピーをフェンダー以外に求め続けるのは疑問

 

ブラッククラウドがいくら凄いベースとはいえ、最終的には好みの問題。フェンダーが欲しけりゃフェンダーを弾けばいい、それは前述した通り。

 

音詰まりがある、音量バランスに難がある、環境に左右される、そういった欠点と思われそうな点も含め、独特のサウンドや味わいになったりもするのだから、楽器は奥が深い。

 

だからこそ、オリジナルよりコピーに躍起になるのは疑問が湧いてしまいます。フェンダーが再現するならともかく、余所がそれを第一の売りにするのはどうなんだと。

 

古いジャズベやプレベが欲しいなら、それを弾けばいいだけの話なんじゃないか?高級なクローンって何かおかしくないか?その辺、個人的にはかなり微妙な気持ちになります。

 

60年代前半のジャズベをフレットレスにしたものを弾いたことがありますが、あれは本当にびびりました。

 

パッシブの欠点がどうの、インピーダンスがあれやら、そんなもん、語る気が一切失せましたね。実際に弾いたらもう、それどころじゃない、そういうこっちゃない。あの再現を追い求めたって、決して超えることなどできないのだと納得。

 

欠点から何から含めて、その全てがあっての完成品。存在そのものが魅力の塊。理屈抜きと言うにふさわしい。真に素晴らしい楽器だった次第。

 

好きだからブラッククラウドを弾く

 

ある意味、ブラッククラウドは淡泊な楽器とも言えそうです。音色的にあまり魅力を感じない人がいても、そんなに不思議ではないかとも思います。

 

自分にとってはこれ以上ない楽器だと確信していますが、それが他の人にとっても最適かは別。フェンダーを求めるならフェンダー。ギブソンを求めるならギブソン。それが正解、世の中ってそんなもん。

 

なぜブラッククラウドを弾くのか?

 

素晴らしいスペックについて長々と話してきましたが、本当はこんなんで済んだりもします。

 

「これが好きだから弾いてるんだ!」

 

あれこれ並べる必要なんかないと思うのも本音。単純に好きだから。自分に合ってるから。まずはそれがあってからこそ。理由は後付けですね。

 

結局のところ、

 

好きかどうか?

 

これが大切でしょう。

 

弾いてて楽しい、飽きないってのは本当に重要なポイント。それなくして延々スペックを自慢したところで、虚しく響くだけではないかと。

 

良いものを作るための確かな理論と経験、独自の感覚がこれでもかと詰め込まれている楽器、その意味でジラウドは本当に素晴らしい存在。

 

ブラッククラウドはまさにその集大成。余所では決して真似のできないベース。

 

と、こう語っていくと、機械的に完成されているイメージの方が先行してしまいそうですが、実はそこから対極にあるからこそ、めちゃくちゃ面白い楽器になってるのかなと考えてもしまったり。

 

それってどういうことか?

 

『弾くのは人間』

 

こんな曖昧でいいかげんなもんはありませんよね。

 

弾き手のタッチ、セッティングに正直に応える楽器。と言うことは、最大の不確定要素をそのままにしている、そこに委ねてしまっている、そんな恐ろしさを抱えているのが最高に楽しい。

 

固有の音色で主張したり、強いキャラクターに頼るのではなく、人間側に全部任せてしまう。完璧どころか、こんな不完全なものもない?語れば語るほど、何だか不思議な気分になってきます。

 

とにかくタッチコントロールが楽しい。弾けば弾くほど上手くなるし音も良くなる。何年でも弾いていられる素晴らしく完璧で曖昧な存在。プレイヤーありきの楽器だからこそ、一本あればもうそれでいい。

 

20本ぐらいメインベースをとっかえひっかえ、試奏数は軽く数百本超え、千本以上弾いててもおかしくない、そんなフラフラだった自分だからこそ、この楽器の特別さが分かります。

 

「こいつが一番」

「こいつが俺」

 

そんなベースですね。

 

「他のやつが使ってるベースと同じなんて嫌だ!」とか、そんな幼稚で見栄っ張りな要求にだって応えてくれるのも実にナイス。超絶レア、他の誰も作ろうとしない、こんな尖がった楽器はありません。

 

自分の人生、これと共に在ります。