K.Yairiのアコースティックベースを語る アコベの魅力と面白さ

アコースティックベースの難と魅力

 

その実用性にどうしても難があるアコースティックベース。 

どう考えたって大音量に向いた楽器だとは思えません、

 

エレクトリックがメインの人間としてはやはり、常にハウリングのことを気にしなければいけないという時点で大きなストレス。

 

バンドの見栄えを気にしたり、見た目で使いたいぐらいって以外、正直言ってあまりメリットのない楽器かなという印象が強いところ。

 

しかしです。

それでも憧れちゃうんですよね。

 

箱の音を聴きたい。振動を感じたい。それに酔いたい浸りたい。

そんな気分になった時、ソリッドの生音じゃどうやっても満足できません。

 

これはもう理屈じゃない。

不便が分かっていても手を出したくなる。

別に外で使わんでもええわって割り切ってしまうのも有り。

 

文句を言いたくなる、ケチを付けたくなる部分が沢山あるのも確かだけど、だからと言ってアコースティックの世界を切り捨ててしまうのは寂しい話。

 

いさぎよく別の楽器だと認識し、違う世界を楽しむべきなんじゃないだろうかと最近は思うようになりました。

 

そこで今回、自分が密かにファンであるヤイリのベースについて語りたい次第。

後述しますが、いつかまたオーダーしたいと考えてもいます。

 

 

K.Yairi アコースティックベース

 

K.Yairi YB-3

 

864mmのロングスケール。

 

通常のエレクトリックベース、フェンダー基準から言えば当たり前のスペックですが、アコベの世界においては意外とそうでもないのが面白い。

 

全体のサイズを考えた場合、アコベの構造では大型化しすぎるためか?

それとも楽器の敷居を下げる意味か?ギターを意識してか?

 

そのあたり定かではありませんが、いずれにせよ、34インチという条件が実はそこまでスタンダードでもない印象はあります。

 

そんな中しっかりロングスケール、ネックの感じも違和感なく仕上がってるアコベを探すのであれば、まずこのYB-3が思い浮かぶところ。

 

ネックが長いとやっぱり『オモチャ感』がなくなるんですよね。

「しっかり鳴らすぞ!」という気持ちに自然となります。

 

実際、ブリッジ寄りで軽くなでるぐらいのタッチじゃ楽器が鳴ってくれません。

アコースティックならではの醍醐味、箱鳴りを感じたいのであればやはり、それ相応のタッチが求められる。

 

それだけにちゃんと弾くとま~、楽しいのなんの。

 

冒頭の通り、色々と不便もあるアコースティックベース。

でもそれは使い方や方向性を誤っているだけだったり、その魅力を活かせてないのではないかと疑問になるのも本音。

 

こういう楽器を当然のように音楽的に弾けたらどれだけ素敵だろうか、そんな事を考えてしまう魅力があります。

 

と、話の流れからだと生音専門みたいな印象を受けそうかもしれませんが、このベース、しっかりPUを積んでいます。

 

『L.R.BAGGS』【ELEMENT VTC】というピエゾPU。

 

フィッシュマンのPUがスタンダードなイメージだった中、このL.R.BAGGSもかなり定番になりつつある感じ。

 

それでも正直、ちょっと音が硬い印象が強いのも確かですが、これぐらいじゃないと埋もれてしまうと判断するならばそれも分かる話。

 

このあたり、やはり判断が難しい。

外部のプリアンプなども通す前提にするか、試行錯誤が必要なポイントですね。

 

このYB-3、実はそこまで胴が分厚かったり大型なわけでもないので、アコベ入門にも色々試すにも良い感じな一本ではないかと思います。

 

まぁ、入門と言うにはちょっと高くもあるけれど、半端なものに手を出してアコベってジャンル自体に冷ややかになるんだったら、まず10万クラスから見るというのは有りでしょう。

 

で、実はわたくし、このYB-3を基本にオーダーメイドで作ってもらったことなんかがあったりします。

 

詳細はこの場では省略しますが、今まで弾いてきたアコースティックベースの中で最高の一本だったのは間違いありません。

 

残念ながら諸事情あって手放してしまったけれど、また新たに企画してオーダーできないものかと野望を秘めていたりします。

 

本当に魅力ある楽器ですね。

 

K.Yairi YB-3 【キズ有り特価】

 

K.Yairi YB-2

 

f:id:bakibakibass:20180915201905j:plain

 

こちらは812mmのミディアムスケール。

アコベによくあるサイズですね。

 

実はこれの5弦ベース版が自分が初めて手に入れたヤイリのアコベ。

正直、最初は全然期待してなかったんですが、本当に良い意味で裏切られましたね。

 

スケールが短いとはいえ、『ミニベース感』みたいなもの安っぽい感じはありません。

弦の張りとかベロンベロンなのかと思いきや、意外とそうでもない。

 

アコースティックならではの難しさと面白さ。

これがしっかり味わえましたし、軽く衝撃を受けました。

実際に手に入れたことでアコベのイメージが変わったと言っても過言ではありません。

 

もちろん、物凄いスケール感大きなサウンドを狙ったり期待するものではないし、それこそコントラバスみたいな方向性を狙うのは厳しい。

 

PUもブリッジ駒のピエゾ一発で箱鳴りまで完璧に求めるのは無理がある。

 

アコベ選びで失敗しがちなのはそのあたりでしょうね。

 

「ウッドベースに憧れる!」

「あんなキャラが欲しい!」

 

これを過剰にふくらませた結果、勝手に幻滅して使い方も誤るということもよくあるのではないかと想像します。

 

そういった意味で自分がヤイリのベースに惹かれたのは、ベースでありながらギター的な魅力も感じたということなのかもしれません。

 

なんかそのバランスが面白いんですよね。

 

ウッドコンプレックス丸出しみたいなのは嫌だし、ギターのオマケで作ったの丸出しなシャリシャリサウンドも嫌。

 

かと言って、ソリッドのベースと変わらないんじゃ意味がないし、セミホロウとかで割り切るのも面白くない。

 

そういったことを考えていくと、ヤイリのアコースティックベースに何やら可能性を感じてしまいます。

 

また、大きなポイントとして、

 

『値段が手頃』

 

これも凄く重要。

 

そりゃ、とんでもない金額を積めば海外品で良いのもあるだろうけど、そうなっちゃうと現実的じゃなくなってくる面があります。

 

あまりに高級、家宝のように扱いたくなるのも違うだろって気がしてしまうわけですね。

 

バンバン遠慮なく使いたくなる値段でしかも魅力的という、これもヤイリの魅力の一つではないかと認識している次第。

 

このYB-2に関して言えば、ピッコロやテナーベースにしても面白いかと感じました。

5弦だったらハイCにするのも良かったですね。

また新たな楽器の世界と魅力が広がっていきます。

 

一方、リアルなことも言うと、32インチだとローB弦が張りづらかったり、弦の調達で厄介な面があった為、その意味でも多弦にするならハイCの方が良かった印象。

 

ミディアムスケールでも弦の選択肢が豊富ならいいんですけどね~。

納得のいく弦が見つからない場合、そのチョイスでちょっと苦労するかもしれません。

 

いや本当、もっと発展していってほしいジャンルです。

 

K.Yairi YB-2-5 [Low-B仕様]

 

 

K.Yairi YB-13

 

こちらは少々変わり種な感じ、バイオリンシェイプのアコベ。

 

YB-2同様のミディアムスケールでボディも薄型コンパクトという、明らかにエレアコ風味の強いベースでもありますね。

 

実際、大きな生音までを期待するのは違うかなと。

 

しかしま~、これのフレットレスが何とも楽しいんですよね。

 

アンプから音を出すと不思議とその気になれると言いますか、ネック寄りでコントラバスチックに弾きたくなる魅力があります。

 

個人的な好みから言うのであれば、YB-13は圧倒的にフレットレスの方が好きですね。

『スーパーミニコントラバス』とでも表現しますか、弾いてて無条件に楽しくなってしまう。

 

ちなみにですがこのベースの場合、YB-2や3と違い、フィッシュマン製のPUとプリアンプが搭載されているのが特徴。

 

手元で簡単に操作ができるタイプなのでやはり、よりエレクトリックな方向性、その使用を前提としている面があるのではないかと感じるところ。

 

「生音重視!」

 

そうやってこだわるのも良いけど、実際問題、EQとかでどうにかしないといけない部分って沢山あります。

 

ピエゾ一発、パッシブにこだわったはいいけど、シャリシャリのジョリンジョリンってんじゃ困りますし、ましてや我々が弾くのはベースです。

 

特殊なサウンドを狙ってギャインギャインしてるのはいいけど、温かみのあるサウンドや箱物ならではの生々しさを求めてそれじゃ困るなんてもんじゃない。

 

と言うか、お話になりません。

 

そういう意味でやはり、手元で操作できるプリアンプが搭載されているというのは、非常にありがたいと感じるポイントですね。

 

ちゃんと実用性が考えられている証ではないかと。

 

K.Yairi 《K.ヤイリ》 YB-13FL w/Black Nylon Strings (VS)

 

 

K.Yairi YSB-1

 

www.pompombass.com

 

先日の記事の中でも紹介したこのYSB-1。

こちらでもあらためて触れたいと思います。 

 

『フラグシップ』

 

こう呼ぶべきなんでしょうかね?

その価格といい、明らかに存在感が違うアコースティックベースです。

 

前述の通り、ヤイリのベースにはYB-2から興味が湧いた身ですが、オーダーをするまでに至ったのは、このYSB-1を弾いたのが一番大きなキッカケでした。

 

「こんなアコベを作れるんだったら絶対イケる!」

 

一回の試奏でその確信を得た次第。

 

いや本当、このベースには軽く衝撃を受けたんですよね。

 

見た目にも思わず弾きたくなる風格がありましたし、ある意味、それが全てをあらわしているのかもしれません。

 

また、このベースはちょっと変わったPUを積んでいるのも特徴。

 

L.R.BAGGS製であるのはYB-2と3同様ですが、その発展形とも言うべき、

 

【Anthem】

 

これが搭載されているのが面白い。

 

前述のL.R.BAGGSのElementを基本に、ボディ本体にコンデンサーマイクを内蔵、それのミックスを可能にするという、かなり凝ったシステムですね。

 

サウンドホールに取り付けたコントロールでそのブレンド具合も変更できますし、最大50:50の割合でマイクの音も出すことができます。

 

マイクとピエゾと細かく完璧な音づくりとミックスをしたいのであれば、物足りない面もあるかと思いますが、ま~、楽器本体だけでこんな操作ができるシステムが出ているんだと驚かされましたね。

 

初心者向けとか遊び用みたいな安っぽいアコースティックベースが多い中、このベースは存在感から何からちょっと異なる存在です。

 

実用性から言えば冒頭でも話した通り、色々と難しい面があるのがアコースティックベースの宿命なのも確か。

 

ガンガン鳴らすドラムやジャッキジャキに鳴らすギターなど、そういったアンサンブルで使うのは厳しいとしか言いようがない部分が多々あります。

 

でも、そういった場面ばかりを気にするというのも、ちょっと違うだろって気がしちゃいますよね。

 

使うべき場も期待するところも間違えてると言うか、絶対、もっと活かせるシチュエーションがあるはず。

 

その可能性を見い出す意味でも、こういった楽器があると非常に良いんじゃないかと。

ここで完結と言わず、まだまだこれからどんどん発展していってほしいと願います。

 

K.YAIRI  YSB-1

 

K.YAIRI YSB-1

 

アコースティックベースへの期待

 

・ギターっぽくしたいのか?

・コントラバスみたいにしたいのか?

・生音を強く求めたいのか?

・アンプからの音をメインにするのか?

 

このあたりのコンセプトすら定まってない印象があるのが、アコースティックベースへの正直な印象。

 

そして、それはきっと製作側の話だけでなく、プレイヤー側の方も同じなんでしょう。

 

コンセプトがぶれぶれだったり、実現不可能な無茶を要求するから、いまいちピンと来るものが出来てこないのではないかと想像します

 

そのあたりの複雑な要素をハイクオリティに融合したのが、

 

『 Citron 』

 

自分の中ではこの工房の楽器が、理想的なエレクトリックアコースティックベースであるイメージがあります。

 

マグネットPUを搭載したものならば、アンプを鳴らすにもより完璧に感じるところ。

 

一方、生楽器としての魅力をより色濃く求めるとなると、話がちょっと変わってくるかなと。

 

めっちゃくちゃ贅沢な楽器なのは間違いありませんが、純粋なアコースティック楽器として使うのは違う気がするのも確か。

 

だからこその実用性なんですが、なんと言いますか、そのあたりを贅沢にクリアしたアコースティックベースが登場してくれれば、とんでもなく面白くなるんじゃないかって期待しちゃうんですよね。

 

コントラバスにできてアコベじゃ無理とか、そんなことは考えたくありません。

現実として厳しい面、どうにもならない部分も沢山あるのでしょうが、それを言ってばかりでは面白くない。

 

今じゃ作ってないのが残念なんですが、アスリートの6弦ベースとか超面白そうでしたね。

 

カシオペアの野呂さん櫻井さんのアコースティックデュオとか、個人的にはかなり嬉しい企画でした。

 

あれでアコベを『使えない楽器扱い』するのは無理があると納得。

スーパープレイヤーが使うとやっぱり違う、ちゃんとポテンシャルのある楽器なんだと確信できる内容です。

 

ペガサス~アコースティック・デュオ

ま~ほんと、アコースティックベースの世界には無責任に期待をしてしまいます。

 

「ウッド弾けよ!」みたいなのに超うんざりしてる身であるのと、ギター的な魅力もあってほしい人間としては、こちらの方に楽器としての魅力を感じる次第。

 

今はエレクトリックに専念することを決めた身ですが、またあらためてオーダーで何本か試してみたいですね。

 

どうにも自分の中で心残り、 ああすべきだったか、こうすべきだったかという未練があるので、また気分が熱く盛り上がったらヤイリさんにお願いするかもしれません。

 

密かにアコベに対する熱き想いがあるわたくし。

最高の一本の実現を夢見ています。

コントラバスともアコギとも異なる、生のベースの豊かさを手に入れたい!

 

【ブログカテゴリー】