24フレットのベースを弾いてない
某SNSで書いてた記事を見直してみて
自分の過去記事を見ていて笑ってしまうのが、その内容の変わらなさ。
文章の書き方や伝え方が変わっているのは当然としても、ず~っと同じこと言ってきたんだなってのが面白い。
一方、さすがに大人になったのを実感しますし、柔軟になっていることにも気付きます。
10年前の自分じゃ絶対に受け入れない、認めなかったであろうことでも、無理に無根拠には否定しない。
それをちゃんと経験したり、どれだけの興味があるのかを判断するようになってるかなと。
そんな中、その自分の過去記事を見ていてあることに気付きました。
「24フレットってどんな感じだったっけ?」
これが分からなくなってる、苦手で避け続けてきたなと確認。
とくに必要は感じないけど、このまま放置するのも視野が狭いかなと思い始めた次第。
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24フレットは基本的には嫌い
まずは自分が24フレットのベースが苦手な理由を並べてみます。
・スラップの位置と音が苦手
・弦を押しこみにくくなる
・鳴り方と響きが苦手
・好きな楽器がない
・なんか音が好きになれない
とりあえず簡単にこんなところで。
スラップの音が変わってしまうというのはもう宿命ですね。
どうしたって弾くポジションが変わるわけですから、そういうものだと受け入れるしかない。
弦を押しこみにくくなるというのも、縦振動のタッチを習得せんと志している自分にとってはやはり、相性が悪いと言わざるを得ません。
弦の振動時にフレットにぶつかってしまうリスク、それだけ音が細くなってしまうリスクが増えてしまうと考えると、24フレットの楽器は条件的に難しくなるものだと認識しています。
鳴り方と響きが苦手、好きな楽器がない、なんか音が好きになれないという、これも本当、様々な要素が自分に合わないことの表れなんだろうと感じますね。
PUについて言えば、問題なのはその位置。
自分の好み的に60年代のジャズベースのPU位置が好きなんですが、これをやるとスラップの時にけっこう邪魔になるんですよね。
フロントPUと最終フレットがかなり近付いてしまう為。それだけで不便が発生してしまいます。
かと言って過剰にブリッジ側に寄せるのは好きじゃないし、変なPU位置にしたりそのミックスは使いたくない。
ボディの設計にしてもジョイントを過剰に削っているのは、明らかに好みの方向性とは異なります。
こっちとしては豊かなボディ鳴りを求めたいのに、表面的な演奏性ばかりを気にしてザックリ削っちゃうのはどうなのかと疑問になる。
やたらと薄いネックにしてしまうのも逆に疲れたりしますし、それだけ音も薄くなっちゃうような印象が強い。
こう並べていくとやはり、根っから相性が悪いと言わざるを得ないですね。
それは24フレットのせいなのか?
あれこれ苦手な理由を並べてみましたが、ここで疑問になるのはこれ。
「24フレットだからなの?」
ただ単に設計・スペック的に合わないものばかり弾いてるからそういう感想になるのか?
それとも根本的に徹底的に24フレットという存在自体が嫌いなのか?
そのあたりがどうも分からないんですよね。
24フレットの宿命と言うか当然の選択っちゃそうなんですが、それにしたって、あまりにもハイポジションの演奏性を気にしすぎと言うか、ジョイントを過剰なぐらに削って貧弱にしちゃうから困ります。
それぐらいボディ鳴りに関心がない、タッチにもレスポンスにも無頓着、音はPUでプリアンプでつくるものだと考えてそうなものばかりでうんざりしてしまう。
そもそもの話、自分的にまともに作られた楽器が存在しないという、その状況が悲しく思えてなりません。
24フレットであろうがなかろうが苦手、嫌いな楽器ばかりなのが現実なんじゃないかと。
いまいちこう、冷静な判断を下せてないんだなと考えさせられるところであります。
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実は凄いベースを持っていた
「24フレットってもう一本も持ってないな・・」
と思いきや、番外的な楽器を所有していたことに気付きました。
『JIRAUD W-BASS』
フレットレスの中でもさらに特殊、唯一無二の存在であるこのベース。
つば出しタイプの指板で24フレット分の長さがあります。
しかし、そのサウンドは最高しか言いようがありません。
これほどディープなサウンド、贅沢なエレクトリックベースは他にないと言っても過言ではない、生音レベルで豊かで凄い鳴りを持っている楽器です。
で、このW-BASSを考えてみてもそうですが、さらに上を見るのであれば、コントラバスなんかは24フレットどころの騒ぎじゃないですよね。
「音が細くて嫌い!」なんていう楽器でもないし、間違っても「深みがなくてチャラい!」なんて評する存在ではない。
もちろん、フレットの有無によって条件はまったく異なるものになってしまいそうです。
単純にまとめてこうだと言えるものではありません。
フェンダー的な場所から見るのとそうではない領域を比べることに意味はない気もします。
ただ、ここで一つ気になることが出てきました。
「ギターに寄りすぎじゃね?」
24フレットのベースの多くに感じる違和感はこれなのかなと。
発想も求めるものもスタート地点があまりにも高音域寄り。
テクニカルな目線や方向性を求める側面が強すぎる印象。
・まず最初に豊かなサウンドを持つベースを作る
・その後に音域拡張を施していったらどうなるのか?
これがすごい気になりますね。
24フレット=弾きやすく楽な方向へ行こうとする疑問
自分が欲しい・弾いてみたい24フレットのベース。
需要がないと言えばそうかもしれません。
すでに淘汰されてきた結果が今である可能性もあります。
しかし、本当にそう断言できるぐらいの試行錯誤がされてきたのだろうか、何百本かそれ以上と試奏してきてもピンと来ないこの現実は何なのかと、大いに疑問になってしまう次第。
・あまりに楽器の鳴りもタッチも蔑ろにされてはいないだろうか?
・楽な方に極端に舵を切りすぎなのではないか?
そう考えるだけでも、多くの24フレットのベースのその方向性に疑問が湧きます。
自分が求めるものとはあまりにかけ離れた方へ突き進んだものばかりという、それがやはり、判断を狂わせてしまっていそうに思えてなりません。
理想の24フレットの仕様って?
どういった形が理想かは何ともですが、耐久性に問題がなく、メンテの簡易性も捨てるのであれば、つば出しの延長タイプが良いんですかね?
ネックの方まで長くしてボディに食いこみすぎてるのは何か違うのかもしれませんし、その鳴り方が自分は苦手なのかと想像するところでもあります。
また、延長指板をボディを貼り付けるというのも、あまり条件が良くないのかなと。
ジョイント付近の振動をミュートしてしまうのか、妨害してしまうのか、きついピックガードで悪影響を実感したことがあります。
もっと言うならば、延長指板によって明らかに音への悪影響があったという話を聞いたこともあるので、これも方法としては微妙なのかなと疑問になる次第。
となるとあれですね。
まずは基本形、24フレットのプレベかジャズベを作ってみるのが良さそう。
ジョイントは貧弱にせず、指板はつば出しにする。
それが良いか悪いかではなく、どう変化するのかを知りたい。
・音が悪くて使いものにならないのか?
・意外と好意的に受け止められるのか?
・スラップをやらないならさらに拡張できるのか?
その確認をするだけでも、24フレットの新たな道が開けるような気がします。
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ただし自分でやる気はない
長々語っておいてあれですが、多大な資金が必要であると考えると、自分じゃ絶対にやらないでしょう。
ただの興味本位であって、これを真剣に求めてるかどうかと問われたら答えは一つ。
「NO!」
こいつが本音です。
まぁでも、ここまで真面目に読んだ人がいるのだとすれば、24フレットのベースへの疑問や変な方向での興味を持ってもらうのは良いことかなと。
万が一、
「24フレットを変えてやる!」
なんて人が出てきたら万々歳。
そんな他力本願で今回の記事を終わりたいと思います。