ベースとケース選び
利便性を取るか楽器を守るか?
意外と悩ましいアイテムなのがケースという存在。
安全性を考えれば頑丈なのに越したことはありません。
一方、それだけ重くもなっていくのが難点。
ベース本体と合わせて10kgを超えてしまうとか、移動だけで労働した気分になるとか、それだけでうんざりしてしまいます。
とは言え、何が起こるか分からないのがこの世の中。
楽器は大切に守りたいところ。
実際、不意に落として打痕ができてしまった経験もありますし、コントロールパネル付近が割れてしまったなんて話を聞くこともあります。
それどころか、ネックが折れてしまったなんてやつも実際に知っていたり。
まぁ本当、ライブ当日にそんな事件が起きた日には、一生のトラウマになることでしょう。
万が一も許されないと考えると、ケースの選択は意外と侮れない問題です。
ネックの枕があると安心
ヘッド角がある楽器の場合は特にそうですね。
「ただの袋」って感じの気の利かないケースでは、どうにも納まりが悪くなる印象が強い
そのあたり、ヘッド・ネックに対する支えがあると安心感がまったく違います。
自分が所有している『NAZCA』と『IGIG』の場合、ヘッド角のあるベースを入れても違和感がありません。
特に後者のIGIGについては、枕というより「ネック敷布団」みたいな感じのクッションが付いているのがナイスですね。
楽器をしっかり固定できるベルトもある為、より確実に収納することができるのも嬉しいところ。
こういった枕やクッションというのが最近は標準的な仕様になっているあたり、それだけ要望が多かったということなんでしょうね。
ケース選びの意外な重要ポイントとも言えそうです。
収納スペースをどれだけ求めるか?
ストラップとケーブル1本にチューナーだけ。
これぐらいなら大した収納量は必要ではありません。
しかし当然、人によってはもっとスペースが欲しくなるところでしょう。
別でバッグやリュックなどに分ける方が正解なのも確かですが、これはこれでちょっと問題があるんですよね。
忘れもの癖があったり管理が面倒に感じる場合など、それで酷い目に遭う可能性も考えられる為、一つにまとめられるのであればそれに越したことはありません。
自分の場合、ちょっとした衣装や着替えなどが必要になったり、泊まり込みでの移動で荷物が増える場合、NAZCAとIGIGだったら後者を使用します。
収納スペースがかなり広いので極端な話、ギターや小サイズのベースとかだったらそっちの方に入ってしまったりします。
さすがに収納スペース表側にまでのクッションはない為、ダブルケースとして使うのはおすすめしませんが、それぐらいの余裕があるのは確かですね。
ショルダーストラップも厚み・幅ともに十分.
簡易的なレインカバーまで装備していたり、なかなか至れり尽くせりな仕様。
NAZCAと比較した場合、前面の持ち手がないのと多少重くなるのが難点ですが、それを抜きにして考えてもユニークで優れたケースと言えるのではないかと。
軽いから楽とも限らない
移動を楽にしたいのであれば、軽量であることを最優先にしたいところ。
ただ正直、それだけに特化させるのも考えものです。
ペラッペラのソフトケースだとストラップがしょぼかったり、そもそも両肩で背負えなかったり、かなり問題点が多い印象。
バランスが悪ければそれを無意識に支えようとしたり、変な姿勢を保たなければなる為、ただ単に軽いってだけではやっぱり駄目だったりします。
また、高級なものであっても意外とストラップは安物じみてる場合がある為、これも要注意なポイントですね。
クッションの役割を成してないようなものは、本体がいくら軽くてもよろしくありません。
自分の場合、気分と用途でケースを使い分けますが、通常の移動時などはNAZCAのケースを迷わず選びます。
IGIGも素晴らしいケースですが、NAZCAの扱いやすさと楽さには勝てません。
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NAZCA IKEBE ORIGINAL Protect Case for Bass “Dark Gray” 【即納可能】
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ハードケースのような耐久性や安全性を求めるのはさすがに無理だけれど、めっちゃ軽くも十分なクッションがあるので保護性に問題なし。
移動や保管に相当神経を使うような場面でなければ、特に気にならないでしょう。
後、個人的に助かるのが、前面に持ち手があること。
ふとした時、ひょいとそのまま持ち上げやすいので、これがあるとないとで使い心地がまったく別物になってしまう感すらあります。
利便性を求めた場合、このNAZCAのケースは本当に助かる存在ですね。
とにかく扱いやすく、雨の日のうんざり感とかも軽減されます。
ダブルケースはきつい
「2本同時に持ち運びたい!」
という人のためのケースも存在はしていますが、これは正直、自分としてはおすすめしません。
車での移動がメインならともかく、これを背負って歩き回るのはかなり苦行じみている印象。
たとえばベース本体の重さが4kgとしてそれが2本。
ケース自体の重さが3kgだったらその時点で10kgオーバー。
さらにケーブルなど色々加わるとなるとさぁ大変。
とても10kg前後なんて話では済まなくもなってきます。
冗談抜きに移動だけでも心が折れますね。
こういったケースを使う場合、カートなどを使用した方が現実的でしょう。
もしくはケースを二つ用意して、重さを分散させた方が良いんじゃないかと。
ちなみに、『キャスター付きダブルケース』なんてものも過去には存在しましたが、あれにはやられました。
「これが欲しかったんだよ!」と飛びついたはよいものの、現実は甘くない。
ベースを2本入れるとその重さでケースがたわみ、キャスターではなく底の方が地面に付いてしまうという酷い罠。
肝心のキャスターが何の役にも立たなかったどころか、ただの邪魔者。
なまじ滑るようになる分、油断すると転がってケースが倒れるという悲劇にも見舞われたり、何も良いことがない。
しまいにはそのキャスター付きケースをカートで運んだり、なんとも虚しさ爆発。
こうしてネタにする分にはいいけど、まぁほんと、あの真顔になる感じは勘弁ですね。
まとめ・雑談
今まで手に入れてみたケースは、
・ムーラディアン
・サドウスキー
・リユニオンブルース
・MONO
・NAZCA
・IGIG
などなど、こんな感じ。
名前を問わないなら他にもまだありますが、評判が良さげなのはとりあえずこのへんではないかと。
で、その中でもIGIGとNAZCAが良かったので、そこに落ち着くことになった次第。
特にNAZCAの軽さと扱いやすさは本当に嬉しいポイントですね。
自分のような軟弱者でも移動がそんな憂鬱にならずに済みます。
リユニオンブルースなどはその強度に惚れたのと、単純に「かっけぇ!」と思って手に入れましたが、頑丈な分だけ重くなってしまうのが辛かった。
また、収納スペースもあまり広くなかったり、前面の持ち手がないのが個人的に痛いところ。
ストラップの感触もあまり好きになれませんでしたし、どうも自分には合わなかった次第。
サドウスキーについても同じ理由と言いますか、けっこう重かったことに加え、これまたストラップがどうにも気に入らず手放しました。
真ん中の金具でストラップを固定するのがまったく受け入れられず、背中への当たりの違和感が酷くてギブアップ。
「背負えるセミハードケース!」って感じですごく良いんですが、やっぱり、相性ってものがあるみたいです。
で、色々と注文があったのか、最近のものはかなり改善されたみたいですね。
高い耐久性と利便性をかなり両立したケースに進化したように感じます。
ムーラディアンに関しては、旧タイプはストラップがいただけなかったことに加え、マイナーチェンジ後のストラップも好きになれなかった為、自分には合いませんでした。
後、ネック枕がないのもアウト。
フェンダータイプとかだったら問題ないのかもしれませんが、今現在はほとんどヘッド角があるベースしか持ってない為、その時点で選択肢から外れてしまいます。
MONOはダブルケースを持ってはいるんですが、試しに2本入れて背負ってみたところ、一瞬で心が折れました。
ストラップが薄くて気に入らなかったのも痛いんだけど、そもそもそういう問題ではない。
あの重量になってしまうと根本的にどうにもなりません。
片側に荷物を入れるとかそういう手もあるのですが、それはIGIGの方に任せてしまえば良いので、残念ながら使い道がなくなっちゃったかも?
そんなこんな、色々なケースを試すのが好きな自分。
その中でもNAZCAが一番合ってると感じる次第。
飛行機移動が多いとか超ハードなツアーをこなすなんて人の場合はまた条件が違ってきそうですが、とりあえず今のところはほぼ何も不満がありません。
「軽い!」ってそれだけでも嬉しいんですが、他にも自分が好きなポイントが揃ってて素晴らしい。
話によるとオーダーメイドも受け付けてるらしいので、変形タイプとかで困っている人には最高の選択肢になるかもしれませんね。
とにかく移動は楽に済ませたいもの。
10kgオーバーとかはマジで勘弁願いたい。
エレクトリックベースという楽器だからこそ、全てお手軽であってほしいなと。