JIRAUD W-BASSを語る・まとめる 弓でも弾けるアコースティックなフレットレス

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基本スペック

 

ボディ:アルダー・2ピース

ネック:メイプル+ウォルナット・5ピース

指板:エボニー 15mm

PU:Jiraud JP-3D

プリ:JFDT-W

塗装:ポリ系

 

コントロール系

 

・ボリューム

・JFDT-W スーパートーン

・JFDT-W オン/オフスイッチ

・アコースティックモードスイッチ

 

弓でも弾けるベース

 

ジラウドの中でも特にオリジナルと言えるのが、このW-BASSかもしれません。

 

弓奏にも対応したベースが今でもほとんど現れないことを考えると、いかに特別な存在かが分かるというもの。

 

ガサガサとしたピエゾの音とは違い、量感豊かで滑らかな音が本当に魅力的。

マグネットPUなのに弓の音もしっかり再生してくれます。

 

磁力線が複雑になっている為なのか、よりさまざまな弦振動を拾うらしく、タッチによってはウッドのようなサウンドにもなるから面白い。

 

そんなわけでとりあえず動画を

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指板について

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通常のベースと比較して大きく異なるのはまず指板。

 

厚みもRも一般的なエレクトリックベースのそれではなく、最大で厚さ15mmにもなる贅沢で凝った作りになっています。

 

これはコントラバスをイメージした方が早いでしょう。

 

そして、使用されているエボニーも真っ黒で高密度。

ネック材と共に厳選されており、トラスロッドは一度も触ったことがないという凄さ。

 

生音でも分かるディープな音色やサスティーンは本当に素晴らしく、いつものエレクトリックベースの感覚とは違う世界を味わえます。

 

とにかく一音を大切に楽しみたくなるこのベース。

現在はラインを入れた安心感もありますし、より音に集中できて良い感じ。

 

贅沢さとお手軽さを両立できる、めちゃくちゃ美味しい楽器になっています。

 

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ボディについて

 

W-BASSで特徴的なのはネックだけではなくボディも同様。

 

ジラウドならではの3Dシェイプの極致かもしれません。

弓奏に対応するためのカッタウェイが非常に独特。

 

同社の新型でニュークラインというバイオリンシェイプのものがありますが、ジラウドらしい形の意味では、W-BASSの方がそれらしい気もするような?

 

基本的にはフェンダーJBの延長線上にあると思われるのが面白いところ。

見た目にもエレクトリックベースな印象の方が強いでしょう。

 

EUBなどの場合、ネックだけみたいな構造になったり、ボディはオマケ扱いだったり、フレームや細いバーなどで演奏性を確保しようとしますが、このベースはストラップでごく普通に構えることができます。

 

いつもの高さやフォームで弓と指とを両立するのはさすがに厳しいけれど、エレクトリックベースの演奏性を崩していないのは大きなメリット。

 

スケールも34インチで弦も普通のフラットワウンドですし、新しい楽器として一から身につけるのよりも感覚としては入りやすいはず。

 

また、こういった方向性の楽器として珍しいのは、ボディが完全ソリッド構造であること。

使っている木材にしても、アルダーのみという実にシンプルでスタンダードな仕様。

 

アコースティック感を意識するあまり腰砕けだったり、ボワついて締まりがないものとは異なり、どっしり豊かなボトムと心地よいサスティーンを得られます。

 

当然、ハウリングに怯える必要もないし、耐久性について怯える必要も心配もありません。

 

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ポップなカラーであることも面白いポイントではないかと。

 

ブリッジについて

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とにかくこだわりの詰まったこのW-BASS。

ブリッジも同様、非常に贅沢なものです。

 

以前、「ジラウドはブリッジに特にこだわりはなさそうな印象」と話しましたが、このベースに関してはちょっと別だと思います。

 

既成の金属のブリッジでは厳しい高さと角度を実現するためか、完全に専用のパーツとして製造されています。

 

真っ黒なエボニーの削り出しで作られているのがなんとも贅沢。 

 

加えて現在は、ブリッジの浮きや経年変化によるボディへのダメージを考慮し、土台に分厚いブビンガの板を埋め込んでいます。

 

極太のネジも追加されている為、状態が変わる心配はないと思いますし、完全ソリッド構造のボディと相まってとにかく安定している印象。

 

環境による変化やトラブルがつきまとうとか、アコースティックな楽器にありがちですが、そういった扱いにおける心配がほとんどないってのが嬉しい。

 

箱物楽器の音色や魅力には心惹かれる一方、管理が面倒だったり諸問題と付き合わなければいけないのは辛いところ。

 

ソリッドボディであることに加え、ブリッジがしっかり密着している意味は大きいはず。

 

このベースはすでに20歳近くになりますが、まだまだ平然としてそうです。

ちょっとしたことでバランスが変わったとか、「今日は何か調子悪いな・・」みたいなそういう心配事がありません。

 

エレクトリックベースらしく常に安定しているのも魅力であり実用的。

サイズもごく普通なのでギグバッグで楽に運べます。

 

3Dピックアップ

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厳密にどんな構造になっているかは分かりませんが、このマグネットPUは本当、ジラウドにしか存在しないオリジナルなものでしょう。

 

繰り返すようですが、指にも弓にも対応できることが素晴らしい。

音量バランスが極端に崩れるようなことがなく、やはり安定しています。

 

今はピエゾにも色々あることかと思いますし、かなり進化しているのだとも想像しますが、マグネットPUでここまでやった製品が20年も前に存在してたというのが、なんとも驚きな話。

 

パサパサで量感に乏しいものとは異なり、滑らかで豊かなサウンドが実に素晴らしい。

ちょっと見る分にはPBのアレンジに思えなくもないですが、いざ音を出すとその濃密なサウンドに脱帽。

 

専用に作られたエスカッションもこれまた贅沢なポイントであり、指板とブリッジと同様、真っ黒なエボニー仕様。

 

さらに言うと、ナットも同じくエボニー製だったり、隅々まで統一させたこだわりを感じます。

 

派手な木目とかで主張するだけが贅沢じゃないってのがよく分かるところ。

 

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プリアンプ・JFDT-W

 

とにかく専用パーツが多いこのベース。

やはりと言いますか、プリアンプも専用の物が搭載されてます。

 

JFDTの名を冠してはいますが、1トーン仕様なので操作感覚は実にシンプル。

それでも音づくりの幅はかなり広く、驚くほどに音色を変化させることが可能です。

 

ブーストすればハイとローが持ち上がると同時にミドルがカットされる。

逆に絞った場合は、ミドルが持ち上がりハイとローはカットされていくという、ユニークな仕様。

 

帯域のポイントもJFDT-Cの方とは異なり、こちらはもっとディープでボトムが凄まじい。

 

一方、元の鳴りがとにかくしっかりしている為、結局はセッティング次第であり、何もせずツマミがセンターのままでも十分に良かったりします。

 

このあたりについては、入力インピーダンスが1MΩなのが大きな利点だと思いますし、1PUの楽器に対しては特に効果を発揮するはず。

 

250kのポットなどを通してからプリに送るのとは異なり、1MΩ入力の恩恵をほぼ最短で受けられるのはかなり強力。

パッシブそのままに出力するのとは天と地ほどの差があるでしょう。

 

と、話してばかりでも何なので、ちょっとした動画でも。

 

極端なようですが、ツマミをセンター、フル、0の順番で弾いてみました。

0までカットしてもスカスカになったりするわけじゃないのが面白い。

プリアンプを積極的な音づくりに使っても良いし、美味しいバッファ的に使っても良い感じ。

 

弾くポジションとタッチでアタックやサスティーンが激変するのが楽しい、実にアコースティックなエレクトリックベースと言えます。

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W-BASSの生鳴りは格別! ただし・・

 

ジラウドベースの大きなこだわりの一つはその生鳴り。

 

電気的な部分にだけ注目が集まりがちな印象もありますが、楽器本体の鳴りにこそ、その音の肝があるんじゃないかと感じます。

 

その中でもW-BASSの鳴り方には特別なものがあるかもしれません。

 

もう20年近くが経過しているということもありますが、この音の深さと複雑な鳴りを持っているものには今後も出会えないだろうなと。

 

生音からして一般的なベースとは一味も二味も違うと言うか、あまりにも違いすぎる。

 

ただそれだけに、このベースを扱うにおいて注意すべきこともあったり。

弦を安易に交換すると結構な苦労をするはめになるから本当に要注意ですね。

 

フラットワウンドと言えど、新品時は結構硬質で明るい音が出たりするものですが、このW-BASSの場合、なぜだかその影響が恐ろしいほどに出てしまう印象。

 

ウッドベースのような音を出そうにも全く雰囲気が違う感じだったり、 望んだそれっぽいサウンドにならなくなるという不思議。

 

半年ぐらい弾いても落ちつく気配がないフラット弦に当たった時は心底絶望しました。

結局、張り替え以前のような音にはならなかった為、泣く泣く他の弦に交換したのはトラウマかもしれません。

 

そして、その弦に納得するまでこれまた時間がかかったりするから、結局、また新たに困るという。

最低でも三か月は弾かないと、イメージ通りの音にはならない印象でした。

 

しかしま~、弦が馴染んできて音に統一感が生まれるともう最高。

「一音弾くだけで満足できる!」そんな素晴らしいベースになります。

 

生音を否定していたらこの音には出会えません。

それと同様、電気的な部分をおろそかにしても駄目だと感じるところ。

 

全ての要素が絶妙に絡み合うからこそ、こういう楽器が生まれるのでしょう。

そのトータルが素晴らしい楽器だからこそ、他では得がたい素晴らしい魅力が生まれる。

 

W-BASS・ジラウドベースの魅力

 

生鳴りの必要性には様々な意見があることかと思いますが、このW-BASSを弾いて「エレキに生音は関係ない!」と否定するのはまず無理でしょう。

 

なんでもかんでもオカルト視したり、音の要素を安易に否定してしまうのはもったいない話。

感覚的な部分と具体的な部分とが絶妙に噛み合う楽器は面白いし、何より実用的です。

 

「やっぱりフェンダーがいい!」みたいな話にしても、結局はそのへんの問題なんだと想像。

 

また、ジラウドの魅力もそんなところにあるように感じる次第。

曖昧で解明できない部分と電気的に優れている点との融合が素晴らしい結果を生むんじゃないかと。

 

たまにジラウドが、「国産ハイエンドブランド!」のように扱われていることがあったりもしますが、正直な印象、「徹底的に真面目に無駄を排除!」とかそんな雰囲気とは異なるものを感じるかもしれません。

 

合理的なようで曖昧な部分もあったり、良くも悪くも、プレイヤーとそのタッチによって全くの別物になったりもするから面白い。

 

やっぱり、実際に弾いてこそ価値があるし、そこに一番価値がある楽しい楽器だと思います。

そして、W-BASSにはそんな魅力がこれでもかと詰まっている印象。

 

奥が深すぎるものすごいベースです。

 

※元記事

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