ジラウド ブラッククラウド 初期記事まとめ (2)

Jiraud Black Cloud リライトまとめ2 目次

f:id:bakibakibass:20170129160240j:plainf:id:bakibakibass:20170129160252j:plain

 

ディープジョイント

 

ジラウドベースならではの仕様

 

ネックの過剰な振動を減らし豊かなボディ鳴りを得るのに貢献するこの仕様。

デッドポイントの発生を軽減するにも非常に効果的だと感じます。

 

世の中にある楽器のレビューを見るとネックが鳴りまくっていることが称賛されていたりもしますが、個人的にはどうかと思う面も多々ありますね。

 

それが個性になるとも考えられるけど、ポジションによってやたら詰まったり膨らんだり、あまりに安定感がないのも困りもの。

 

特定のポジションへの影響が強すぎたり音がボヤけてしまったり、その傾向があまりに強いとアンバランスで扱いづらくなってしまいます。

 

かと言って、ガチガチに硬めた作りでは冷たい印象になったり、味もそっけもなくなったりする為、このへんのトータルバランスを見極めるのが実に難しい。

 

暴れもあるから魅力的

 

このディープジョイントなどもそうですが、感覚的な部分と実用性との塩梅がジラウドベースは凄くいい感じなんですよね。

 

楽器ならではの曖昧で深い領域とカッチリさせるところのバランスがなんとも美味しい。

ただ綺麗な音が出るとか安定してるけどつまらないなんてことではないんです。

 

「ドカーン!」とくる気持ちよさ、荒っぽさがしっかりあるから弾いてて楽しい。

 

派手な音だったり電気的なことに注目されがちですが、渋くポイントを絞ったサウンドを狙ってもちゃんと答えてくれますし、楽器本体そのものへのこだわりも実は見事。

 

でなければ、こんな受けの悪そうな方法は絶対に選択しないはずですし、このオリジナルシェイプが誕生することも有り得なかったように感じる次第。

 

シングルカッタウェイならディープジョイント?

 

ハイエンド系によくあるシングルカッタウェイのベース。

 

一見するとものすごいディープジョイントに見えるあれですが、自分としては方向性がちょっと違うと思うところ。

 

プレイアビリティの向上を目的としている為でしょうか?

結局、ネック裏を大きく削ってしまっているものばかりという印象です。

 

パッと見は凄いジョイント方式に見えるようではあっても、あんなに大きく削っていてはそんなに効果は発揮しないんじゃないかと想像。

 

かと言って、あのままジョイントを超ごつくするのも考えものですし、個人的には縁の無い仕様だと感じています。

 

弾き込んでこそのディープジョイント

 

ジラウドベースの評価で賛否が分かれそうなこのディープジョイント。

 

確かに、ハイポジションでの演奏にはちょっとコツがいりますし、慣れるまで練習が必要になることも否定はできないかもしれません。

 

基本的にネックもごついものが多かったり、24フレットのものがないこともあってか、ハイポジションを多用する人からは相性が悪い印象をもたれるだろうなと想像します。

 

しかし、よく鳴っているディープジョイントの楽器を体験しすれば、その考えも変わってくる可能性があるはず。

 

たとえハイポジションを多用するにしても、そのバランスの良さやサスティーン、肝心のサウンドに対する恩恵が大きいことに気付きます。

 

自分の望む演奏性に徹底的こだわるかどうか、それはもちろん好みとスタイルの問題。

でも自分だったら、ボディ鳴り豊かで満足できるサウンドの方を取りたくなりますね。

 

よく弾きこまれたジラウドベースは本当に強力です。

弾けば弾くほど、その魅力に引きこまれていきます。

 

慣れれば多くの恩恵を受けられる

 

もう10年以上もディープジョイントの楽器を弾き、それに慣れてしまっている自分。

 

面白いと言うか皮肉と言うか、「最終フレットまでスムーズ!」って感じの楽器の方が落ちつかなくなってたりもします。

 

「感覚が狂うからカッタウェイは入れないで欲しい」

 

なんてウッドプレイヤーの声をエレクトリックアップライト(EUB)のレビューなんかでも見たことがありますが、そういった気遣いみたいなものが必ずしもプラスになるわけではない様子。

 

それと同じことかもしれませんよね。

結局のところ、最初からそれならそういうものだと受け入れてしまうのが人間なのかなと。

 

ただまぁ、最初からジラウドを選び、しかもそれ一本で行くなんてのは超がつくほどのレアケースでしょう。

やはり、どうしても慣れと練習が必要だとは思います。

 

しかし、その最初の違和感・抵抗さえ越えてしまえば後はしめたもの。

 

ディープジョイントならではの恩恵は素晴らしいですし、長い演奏生活をおくる上においても必ずプラスになるはず。

 

親指を過剰に使おうとしたり握力に頼ったフィンガリングではなくなってくる為、腱鞘炎などそういった怪我に悩まされてる人にも効果的。

 

左手が強くなってくれば低弦高のペチペチ状態にしないでも済むようにもなりますし、計り知れない恩恵があるでしょう。

 

練習動画

 

そんなわけで、ハイポジションの練習動画でも。

 

www.youtube.com

 

ちょっと大袈裟にも見えそうですが、ネックを握らず親指は放りだす感じで弾いています。

 

普通のジョイントに慣れている場合、とっつきにくいのも確かですが、地道に練習していきさえすれば、問題なく弾けるようになります。

 

ディープジョイントでなくともこのテクニックは凄く使えるものですね。

練習しておくとハイポジションがものすごくスムーズに弾けるようになります。

 

【スポンサーリンク】

 

 

オリジナルシェイプ

 

三次元的シェイプのボディ

 

ジラウドオリジナルのベース、その大きな特徴が3Dデザインのボディ。

単純なフラットトップのものと比較すると、ちょっと複雑な形状にも見えるかもしれませんね。

 

f:id:bakibakibass:20170202134453j:plain

 

でも実は、

 

「基本はジャズベース」

 

と考えてよさそうです。

 

手にしたら分かりますが、決して奇をてらった変形シェイプの類ではありません。

ディープジョイントと相まって豊かなボディ鳴りを実現するデザインは秀逸。

この生鳴りとバランスの良さは実際に体験しないと絶対に分からないものでしょう。

 

ヘッドデザインの話については後述しますが、そのあたりも含めバランスが非常に良く、ヘッド落ちの心配などもありません。

 

見た目のごつさとは裏腹に体へのフィット感も良く、大きなボディと演奏性を両立している設計が見事。

 

同社のフーリエなどになると5弦でも3kg台になってきたり、そういった使用材の厳選についても恐れ入るところ。

 

もちろん、音まで軽量スカスカなんてことはなく、その生鳴りの良さからか他では考えられないような凄い音が出せます。

 

まぁ、ルックスに関しては好みが分かれそうではありますが、他にないオリジナリティを有していることに間違いはないはず。

 

当然、自分は最高に気に入っており、これ以上のものはないと思っています。

このベースを使ってもう7~8年、他のものに手を出す気も探す気も失せてきました。

 

楽器を見れば誰だかすぐ分かるというのも大事なポイントですしね。

 

こだわりのヘッド

 f:id:bakibakibass:20170202130439j:plain

 

『テンションバランス』というのが正しい言葉かどうかはともかく、言葉のニュアンスはよく分かりますし、非常に重要なポイント。

 

高音弦はやたら硬くて低音弦はボヨンボヨンとか、個人的には弾きづらくてしかたない。

 

昨今、低音側と高音側でスケールが違うものを見かけるようにもなってきましたが、あれもそのへんの都合と解決目的のためにあるものなのかもしれません。

 

斜めのフレットになかなかのインパクトを感じますし、弾いてみると意外と違和感がなかったりすることを考えると、ただのハッタリではなくちゃんとした根拠を感じます。

 

ただ、正直言って自分の好みとは違いますし、あれに慣れた体を今からつくるのも辛い。

 

ジラウドらしいこだわり

 

楽器のクオリティをも決めかねないそんなテンションバランスという存在。

 

ジラウドはこの点についてかなりうるさく感じますね。

ヘッドデザインに対するこだわりも相当なものだなと。

 

特に5弦についてはナットからペグまでの距離などもよく考えられている印象。

適切なペグ位置の設定というのは本当に大切です。

 

ローB弦のような極太弦に対する影響力は馬鹿になりませんし、実際、他の楽器で痛い目にあったことがあります。

 

ベースはギターとは違う

 

その意味では弦をまっすぐ張れるようになっているのもポイントでしょう。

 

ものによっては弦に変な角度がつき(ヘッド角やテンショバーとはまた違う話)、ナットからペグまでの間に斜めになってしまったりもしますが、あれは勘弁して欲しいところ。

 

ベース弦というものは太いんです。

そこがギターとは決定的に異なります。

 

本当に単純な話なんですが、残念ながら意外と考慮されてないものがあるのが悲しい。

極太弦を無理に曲げたり、無意味に窮屈に角度をつけたりするのは結構キツい話。

 

ブラッククラウドはヘッド角あり

 

ジラウドのオリジナルシェイプの楽器はヘッド角をつけていますが、現実的な範囲で実用的にできているように感じます。

 

角度をつけず弦にストレスを与えない方向を好む人もいる為、このあたりは完全に好みやスタイルの問題になりそうですが、個人的にはある程度の角度は欲しいところですね。

 

それも、テンションバーを使用したりするよりヘッド角をつける方が自然で好みです。

 

「張りと弾き応えが欲しい!」

「しっかりボディを鳴らしたい!」

「バーで押さえつけるのは好きじゃない!」

 

そんな好みの人だったらヘッド角があった方が合うんじゃないかと。 

適切なペグ位置を設計してある楽器であればその鳴りにも大きく貢献してくれるはず。

 

ブリッジについて

 

ブリッジ位置

 

ジラウドから感じる地味なこだわりポイントの一つ、それがブリッジの取り着け位置。

 

バダスあたりが搭載されていると見た目にも分かりやすいかもしれません。

 

製造時期によって異なる個体もありますが、スパイラルタイプのものなどからそのまま交換するのとは明らかに異なる場所に取り付けられていることが確認できます。

 

ボールエンドから駒までの距離をなるべく取るようにできている、つまり、駒をなるべく前に出せるように配置されています。

 

これは弦の裏通しなどにおいても効果的らしく、よりその恩恵を受けることができる様子。

逆に、穴から駒までの距離が近すぎるようなものの場合、色々と不都合が起こる印象が強いですね。

 

ベース弦は太い

 

前述の通り、太い弦を無理に曲げるというのは相当に辛い方法です。

 

あまりに酷いとピッチにも影響が出ますし、実は肝心のテンション的にも効果が微妙だったり良いことがありません。

 

スムーズに弦が張れなければ鳴りに対するメリットも薄くなったり、極太のフラット弦などにおいては目も当てられない事態にすらなりかねません。

 

ただ無闇に強く張れればいいとか弦高を上げればいいとか、そう単純なものではないから難しい。

 

駒の調整

 

そんなブリッジ位置に加え、もう一つこだわりを感じるのが駒の高さの調整。

律儀なまでに指板のRに合わせて調整するなんてことはせず、右手のタッチとその感覚を優先します。

 

どの弦でも同じぐらいの張りを感じられるように調整していった場合、自然と高音弦側は下げ気味になり、低音弦側の方が上がり気味になっていくはず。

 

こうすることで各弦ごとの弾き心地の違和感が減り、非常にスムーズに弾くことが可能になります。

 

意外と無頓着なものが多い

 

この調整法についてはそこまで特別な話でもない気はしますし、常識だと認識している人もいることでしょう。

 

しかし困ったことに、このへんの感覚が意外と無視されてるものがあったりするのも現実だったり。

 

たとえ高級な楽器であっても無神経にそんな状態だったりもするから参りますね

 

酷いのになると明らかに音詰まりしてたり、弦がベロベロになってるにもかかわらず、頑なまでに指板Rに合わせようなんてこともあるから恐ろしい。

 

やるべき事をやるべき

 

安易にスケールを伸ばしたりなんてしなくてもやれることはあるはずですし、また、弦のような消耗品に特殊なものが必要になると、それの入手で痛い目に遭うことも考えられます。

 

楽器が特殊になるとそれだけ弦の選択肢も減ったり、安定して手に入れるのが難しくなったり、このあたりのリスクについてはもう少し語られてもよい気がするところ。

 

34インチというのはスペック的には普通ですがスタンダードなだけに安心して使えますし、ちゃんと仕事がされていれば本当に実用的な仕様です。

 

当たり前のようですが、それって素晴らしいことなんじゃないかと。

 

【スポンサーリンク】

 

 

セットアップについて

 

ブリッジの駒

 

「弦高が高くて弾きにくいなぁ・・」

 

「よし!駒を下げよう!」

 

これは楽器が鳴らなくなる典型と言いますか、まず避けた方が無難ですね。

適切な駒の高さを見極めるのは意外に重要なポイントです。

 

ジラウドに限らずどこの工房であろうと、いきなり駒をベタベタに下げるということはほとんどやらないはず。

 

たとえ超低弦高にするにしても、まずはネックを調整するなり他にやるべきことがあるでしょう。

 

何も考えず、「駒を下げれば解決!」なんてことはまず無いんじゃないかと。

 

ナットも同様

 

ナットの方もブリッジ駒と同じく、調整がいいかげんだと本当に弾きづらくなります。

 

市販品にありがちですが、「バズが出るのは嫌だ!」ということなのか、溝の調整がいまいちなものが多かったりするから困りもの。

 

もちろん、このへんは好みの問題ではありますが、楽器店や作ってる方の都合を優先して無神経に放置するのは勘弁な話ですよね。

 

「Fが押さえられない!」なんて話がギターの世界にいまだにあるのかと思うと、正直、かなり微妙な気分にさせられます。

 

真面目にまともに調整すれば驚愕なぐらい弾きやすくもなるのに。

 

ジラウドはプレイヤーの感覚を優先

 

太い音やタッチで有名であろうジラウド。

でも実を言うと、意外なぐらいナットの溝は深かったりもします。

 

駒も不自然なほどに上げるということはない印象ですね。

押弦に対するストレスも少なく、ピッチに対しても良い影響があるでしょう。

 

無暗やたらに根性論で弦高を上げれば良いというものでもありませんし、このあたりはやはり、ちゃんとしたプロのプレイヤーが作ってる楽器だと感じるところ。

 

テンションバランスなどへのこだわりなども実際に演奏するからこそ分かるものであり、弾いていて心地よくストレスを感じないというのは本当に大切なことではないかと。

 

根性・精神論で自分を潰しては意味がない

 

毎日弾いていく上であれもこれも我慢したり、

 

「これも練習だ!」

「自分の力不足だ!」

 

と理想を遠のけ、無理に苦行を求めるみたいなのはどうなのかって気がします。

 

確かに、謙虚になったり理想高く上を見るのは良いことですが、特に目的があるわけでもなく闇雲に弾きづらくしたり枷をはめても大した意味はないはず。

 

かえって変な癖がついたり、感覚が狂ってしまう可能性もあります。

 

一本道に特化した楽器やセッティングも良いですが、異常にバランスが悪かったり音も抜けてこなかったり、完全に実用外で個性まで潰してしまうほどの欠点があったら、それは単純に辛いですよね。

 

「味わいがある!」で済ましたり目をつぶるのは、現実的にはなかなか難しいと感じるところ。

 

大袈裟に作ってあったり基本から崩したものを使うのも確かに面白いけど、ちゃんとした目的と整合性のあるものに触れてみることにも価値があるはず。

 

ジラウドは弾いてなんぼ

 

電気的な部分に注目が集まりがちなジラウドですが、実は本体にこそ魅力がたっぷり詰まってる楽器ではないかと思いますね。

 

そして、その全ての要素が弾き手のために存在すると言っても過言ではない。 

弾いててこんな楽しく自由に使える楽器はそうそう存在しないんじゃないかと。

 

容赦なく厳しい面があるのも確かですが、それだけに自身の成長の手助けをしてくれる存在でもあります。

 

ちゃんと弾けばちゃんと応えてくれる、いざという時に本当に頼りになる、そんな素晴らしい楽器です。