JOHN MYUNGと6弦ベースの魅力を語る (2) AWAKE

Dream Theater・AWAKE 目次

 

 

ドリームシアターのコピー初挑戦

 

始めて聞いたのが15歳ぐらいの時だったか、実はその頃は良さがまったく分からないアルバム。

 

前作の方が圧倒的に聴きやすく華やかで好きだった為、重々しくマニアックな雰囲気のこの作品は微妙にしか感じませんでした。

 

ところが何でしょう?

聴けば聴くほど不思議な魅力があって面白い。

しまいにはこっちの方が好きになってしまい、コピーをするにまでいたってしまったという。

 

友人と小遣いを出し合い、譜面を買ったのを思い出しますね。

 

「ド、ドリームシアターだぜ?」

「できるのか?大丈夫なのか?」

 

なんてお互いにびびりながらも、

 

「上手くなりたい!」

 

という思いと憧れの方が遥かに上回り、挑戦を決意するのでした。

 

6弦ベースに目覚めたアルバム

 

聴いていた当初は何も意識していなかったのですが、コピーしていくと明らかにおかしい部分があるのが分かるんですよね。

 

「あれ?なんか違わなくね?」

「え?何これどうすんの?」

 

と困惑しました。

 

当然っちゃ当然なんですが、タブ譜は4弦用にしか書かれていなかったので(現行は分かりません)、どうもサウンドしてないことに気付くわけです。

 

6弦ベースの存在自体に関して言えば、ブルーマーダーのマルコ・メンドーサを先に知ってはいたり、そういう楽器があることも把握していました。

 

そして、マイアングがそれを弾いていることも理解していたつもり。

 

でも、ベースだけでなくギターまで多弦だったり、ローBを積極的に使用して曲をつくるなんてことはまったく想定していなかった為、それで本当に困り果てましたね。

 

メインのリフや刻みをオクターブ上にして弾くって、もうそれだけで完全な別物になっちゃいますよね。

4弦では格好悪いし、良い感じに代用もできないのが凄く辛い。

7弦ギターと6弦ベースを駆使するという、その時点でコピーが詰んでいるから恐ろしい。

 

このアルバムの発表が94年ですから、 20年以上も前にこんなことをやっていたのかと考えると、ま~ほんと、とんでもない話です。

 

また、ただのハードロックやメタルとは異なる世界観、サウンドの構築にマイアングがどれだけ貢献しているか、この世界に6弦を持ち込むという新しいことをやっていたか、その挑戦精神にも感服する次第。

 

歴史をたどれば、アル・ディ・メオラのバンドとアンソニー・ジャクソンの存在などもありはしますが、メタルの世界で6弦ベースを違和感なく弾いていた元祖はやはり、『ジョン・マイアング』その人なんじゃないかと思います。

 

Awake

 

Caught in a Web

 

一曲目の【6:00】は4弦でもまだ何とかなったのですが、完全に挫折したのがこの二曲目。

 

とりあえずローBがないとお話になりません。

前述の通り、ヘヴィに弾きたいのにオクターブ上でやらないといけないとか、そりゃないよって話です。

 

ユニゾンパートも華やかなものではなく、重く複雑で淡々とシリアス。

そのダークでヘヴィな雰囲気が命なのに、それが自分の楽器では出せないというのがショックで仕方なかった。

 

このアルバムにハマっていた高校生当時、憧れだったワーウィックを20万出して買ったのですが、それがいきなり戦力外通告を受けるわけです。

 

もうほんとあの絶望感たるや、ある種のトラウマとすら言えるかも?

 

Innocence Faded

 

ある意味、非常にマイアングらしさが出ているのがこの三曲目。

派手な見せ場などはありませんが、独特の間を活かしたプレイが何ともらしい。

 

しかし、これまた厄介なのがローBの存在。

一応、なくても弾けることは弾けるんですが、やっぱり雰囲気が出ないんですよね。

 

このあたりについては7、8曲目の【The Mirror】【 Lie 】なんか特にそうですね。

思いっきりローBがメインになるリフなので、これをオクターブ上でやるともう泣けてきます。

 

まったくそれらしくならないし、やる気も起きません。 

ローBの支配力、影響力というのは本当に凄いものです。

 

Erotomania

 

記念すべきドリームシアターの初コピー曲が実はこれ。

完全インストであり、変拍子もバリバリだったり、当時は一番の難曲だと認識していましたね。

 

まぁほんと、

 

「あえてここに挑戦しよう!」

「これが弾ければ不可能はなくなる!」

 

という意気込みで開始したのを今でも覚えています。

4弦でも何とか形になる曲ですし、展開も複雑でかっこいい。

 

ただ問題は、本当に終わりも終わりのアウトロ。

ここで6弦ならではと言うか、ハイC弦を使用する華麗なフレーズが出てきます。

 

一応、24フレットの4弦ならできるところでもあるのですが、いまいち自然に繋がらないんですよね。

 

ギターっぽくしたいのにベース感が強く出てしまうのもいまいちですし、このへんやはり、6弦ならではのサウンドと表現力というのが羨ましくなるポイントでしょう。

 

マイアングという人は本当に地味で裏方に徹するようなイメージですか、随所にこういうフレーズを入れてくるんですよね。

 

それがまた実に美味しいわけです。

 

Voices

 

そのマイアングによるギター的フレーズからの流れのまま始まるのが5曲目。

 

メインのリフになるフレーズをハイCの高音域で弾くのですが、これがまた印象的。

歪まさずにクリーンなサウンドな分、静寂で怪しくもあり、一気に世界観が構築されます。

 

こういう演出が本当に上手いですよね。

 

他のバンドとの差別化という意味もありそうですが、マイアングメインだったり単独から始まるイントロが多いのも頷けます。

 

この曲自体は4弦でもそれほど違和感はないので、コピーするにもそこが安心かもしれませんね。

難易度もまだ数段マシな方だと思いますし、ドリームシアターのコピーを始めるなら結構おすすめです。

 

Lifting Shadows Off A Dream

 

これぞまさに6弦ならでは、マイアングならではの曲ですね。

イントロは完全にマイアングオンリー。

そして6弦がないと弾けないフレーズで始まります。

 

と言っても、テクニカルで派手なのではなく、ものすごく淡々として静寂感が強いから面白い。

ローBの開放と高音弦のハーモニクスが中心のプレイなんですが、これがまた独特に良い感じ。

 

曲も実にダークな雰囲気で音数も少なに淡々と進行していきます。

マイアングの音数もこれでもかってぐらいに減らしていて逆に驚かされます。

 

ただ、音数が少ないからこそローB弦の存在感がものすごく出てるんですよね。

その深く沈みこむサウンドが一層この曲を引き立てる印象。

 

素晴らしく「重い」です。

 

で、その重さと打って変わり、希望の光が差し込んでくるようなサビが実に素晴らしい。

後半の盛り上がりと相まって実に印象的で感動的。

 

ほぼ音数を弾かなかったマイアングも4分音符と8分音符を刻み始めるのですが、それがまた良い。

何の変哲もない刻みなんだけど、それまで思いっきり音を伸ばすパートが多かっただけに効果絶大。

 

そして、マイアングがイントロと同じパターンで静けさを取り戻し、余韻を残しながら淡々と終わっていくのがまた美しい。

 

ドリームシアターの中でも屈指の地味な曲だとは思いますが、これ好きなんですよね~。

こういう曲がマイアングオンリーから始まるのがまたユニークで魅力的。

 

超絶技巧のイメージが強い彼らだけれども、こういった世界観も表現できるからこそ、ただのテニクカル集団とは一線を画すのでしょう。

 

Scarred

 

これまたマイアングが起点になるイントロです。

しかもタッピングによるフレーズです。

で、これまた淡々としてます。

 

タッピングとはいえ派手でもなんでもなく、ただ和音を単純に鳴らしているだけなんですが、それが実に印象的になるから面白い。

 

イントロでメインになるのはジョン・ペトルーシのギターソロなんだけれども、曲の雰囲気と印象をまずつくっているのはマイアング、そう感じます。

 

この曲は一応、4弦でも行けると思いますし、不可能というほどの違和感はないかもしれません。

タッピングの入門的な意味でもおすすめですね。

 

本当はハイCも使ってローB弦も折り混ぜたいところなんですが、無いものは仕方ないですし、そこを工夫するのも面白いところ。

 

ちょっと長めなので大変ではありますが、ベースに関してはそこまで超絶テクニカルな動きが求められるわけでもない為、曲を覚えてしまえば何とかいけるはず。

 

展開が複雑な一方、ダークで淡々ともしていたり、実にこのアルバムらしい存在だと感じます。

 

Space-Dye Vest

 

キーボードのケヴィン・ムーアのその傷心と脱退を印象・決定付けるのがラストのこの曲。

最初から最後まで絶望感と無力感に満ちた世界が繰り広げられます。

 

テクニカルなところもないし、ベース的にも特にこれと言って注目する点はありません。

聴いてるだけで憂鬱になる、思考が麻痺する、力が入らなくなる、そんな曲ですね。

 

しかし、その強烈なトラウマの植え付けたるや半端ではない。

 

アルバム自体がダークな雰囲気で長いというのもありますが、その最後に待ってるのがさらに輪をかけて絶望的な曲ですからね。

 

落ち込んでいる時などにはあまり聴かない方がいい、精神的に危険になる、そんな印象すらあります。

 

そんなわけですから、ライブで演奏されることもほとんどなかったであろうこの曲。

もしかしなくても一生やらないのだろうと思ってました。

 

それが今では映像作品として見れる、聴けるというのだから驚愕。

 

しかも【The Mirror】から通しで演奏するというのだから涙もの。

つまりはこのアルバムの後半をぶっ続けでやってくれるということです。

 

PS4でBDで見ながら【Space-Dye Vest】でしんみりするとか、中学・高校時代の自分では絶対に考えられなかったことですねほんと。

 

ファンであるならば必聴必見でしょう。

感動して泣きそうになります。いや泣きました。

 

ブレイキング・ザ・フォース・ウォール(ライヴ・フロム・ザ・ボストン・オペラ・ハウス)【Blu-ray】

もちろん、このアウェイクの曲だけではなく見所満載でめっちゃ熱くなります。

ファンでなくともその圧倒的な世界観とサウンドにひっくり返るはず。

人間とはここまでやれるのかと勇気付けられますね。

 

やっぱりドリームシアターは最高!

マイアングについてもまだまだ語れます!