ベースの歪み 選び方のポイント 楽器探しについて考える (8)

ベース歪み選び 目次

 

 

まず分類してみる

 

歪みペダルの種類を簡単に分けてみると、

 

・ソロ用・ハッタリ系

・オールレンジ系

・ローファイクラシカル系

・原音ブレンド系

・多機能プリアンプ系

・シミュレーター系

 

個人的にはこんな感じになるかもしれません。

 

自分が持っている歪みだと、ジラウドはオールレンジ系かクラシカル系、K&Rはブレンド系のペダルでありソロ用にも使いたい感じですね。

 

音痩せのなさで言えば、これはもう、ジラウドの「ダブルドライバー」が圧倒的に優れていますし、相手になるものは存在していないとすら認識しています。

音の押し出しやレスポンスなど、基本性能がまったく違う。

 

ただし、歪みの世界はそれが絶対的な正解になるわけでもないから面白いところ。

下から上まで全部歪んでしまうと逆に、求めているサウンドとニュアンスからは外れたりもするから難しい。

 

チープだからこそ、それっぽいノリが生まれたり独特のサウンドが生まれたり、そんなギター的な領域に足を踏み入れる楽しさも醍醐味ではないかと思う次第。

 

歪む時点で音は痩せている

 

誤解を承知で言うならば、「音痩せのない歪み」というのはそもそも矛盾してるような気もしたり。

 

これまた言葉は悪いようですが、「汚い音でこそ!ノイズあってこそ!」な領域のようにも感じますし、生真面目なサウンドばかりを求めるのは面白くない。

 

それこそ前述の「ソロ・ハッタリ用」に特化して使うのであれば、かえってレンジを絞った方が目立つサウンドになりそうですし、低音の充実度ばかりなどを気にするのは違うはず。

 

と言いつつ、それでボトムがスカスカになったりアタック感も無くなったり、やはり、まるでアンサンブルが成立しないのでは困る話。

そして、それで悩む人が多いのも容易に想像がつくところ。

 

正直、「一台でぜんぶ解決!」みたいなものを求めるのは、あまり現実的ではないように感じます。

 

一つであれこれ四苦八苦するより、もっと目的用途をはっきり分け、そのペダルの性能を存分に発揮させてあげた方が正解なんじゃないかと。

 

たとえば、ボスのメタルゾーンとかだって、用途を限定すれば面白く使えるはず。

 

とてもベースのバッキングに向いているとは思えませんが、それも結局、道具の使い様というもので価値が変わってくるはず。

 

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ODかDSかはとりあえず気にしない

 

オーバードライブかディストーションか?

表面的なその言葉だけを気にしても、実はあまり意味がないように自分は感じます。

 

と言うのも、そんなものは弾き手と作り手のイメージ、好み、匙加減で適当に決まってしまったりするので、固執するだけ無駄な気がするからです。

 

どんな音かなんて実際に弾いてみないことには分かりません。

 

「え・・?この程度でディストーション?」って人もいるでしょうし、「こ、これでオーバードライブ!?」となる場合もあるでしょう。

 

「チューブならではの温かいサウンドが魅力!」なんて話とかもアテにはならない。

 

分かりやすい表記も過剰な売り文句もなく、枠決めも定義づけもされてないものも普通にあったりする為、とにもかくにもやはり、実際に弾いてみて判断するしかないですね。

 

例えば、ジラウドのダブルドライバーのディストーションCH。

それをちょっと極端なセッティングにすると、こんな感じの音になったりもします。

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まぁ、これはちょっと極端な例ですが、それでもダブルドライバーの場合、ソリッドでタイトなサウンドを保ちたいなら、オーバードライブCHの方が的確かもしれません。

 

で、それらとはまた違い、こちらはそのオーバードライブCHをパッシブに対するバッファとして使用した場合。

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音の違いは明らかですが、歪ませているわけではありませんし、EQなども何もいじっていません。

アンプの入力インピーダンスが低い場合など、こうしてゲインを下げてただ通すだけでも劇的な効果をもたらします。

 

そんな感じに「ディストーション」という言葉だけにとらわれたり、それで超ハードとかメタリックでソリッドなイメージなどをしても、ほとんど意味が無いんじゃないかと。

 

バッファと言いつつローインピーダンス出力になってないものに遭遇したこともありますし、「ベース用」と言いつつスカスカになるのもあったり、本当に言葉ってアテにならないですね。

 

原音とブレンドできると無難

 

原音と歪みと合わせることが出来るものは、選択肢として非常に無難な印象。

 

中には「完全に分離して聴こえるだけ」みたいなのもありますが、それでも、星の数ほど存在するギター用の歪みからベストな一台を探すよりは、ベース用としては遥かに使いやすいのではないかと。

 

下の方の帯域やアタックはなるべくクリアーに保ちたいとか、そういった場合には特に威力を発揮する印象ですし、激しいサウンドの中でもベースが生き残りやすくなるはず。

 

例えば、自分が持っているK&Rの『Groove Drive』

それを使った動画がこちら。

 

・最初はエフェクト無しでクリーン。

・次にモディファイバージョン。

・その次に元々のグルーブドライブ。

・最後に両方通す

 

という順番で弾いています。

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楽器本体の特性もクソもなく、みんな同じキャラとサウンドにしてしまうようなものも多いですが、原音をしっかり残せるタイプだとその心配がなくて助かりますね。

 

ピックで激しいアタックを出したい人などにも良いんじゃないかと。

 

多機能系は便利だけど扱いが難しい

 

ブレンド系がおすすめと言った一方、機能を盛り込みすぎたり、音づくりが複雑になってしまうようだと、個人的には苦手になったりします。

 

加えて、アンプシミュレーターみたいな音づくりをしてしまうものは、そのペダル自体のキャラが強くなりすぎて引いてしまうところ。

 

まぁ、このへんも完全に好みの問題ですし、自分の独断と偏見というものではあります。

DI機能があったりEQなどツマミが沢山あったり、そういった機能も便利に実用的に使えるのであれば、なにも問題ありません。

 

ただ、一聴は派手だったり格好いいサウンドに聴こえるようでも、実際はものすごく引っ込んでしまったり、他の楽器にかき消されてしまったりなんてことも多い為、その判断ってのがなかなか難しい印象。

 

特に、大音量のアンサンブル下などにおいて、そういった「芯のない音」ってやつは本当、何の役にも立たないと痛感するところ。

 

バンドの中での混ざり方や聴こえ方を無視して、単体で最高の音を求めたり満足したり、そのやり方だと絶対に限界があるはず。

 

「良い音だから!」と、ハイとローをブーストしまくったり、ミドルを過剰にカットしたり、そういった音づくりをすると大抵は酷いことになりますよね。

 

まぁ、それをペダルの方のせいにするのもどうかって気はしますが、でもやはり、選択肢が多すぎるものはそれだけ迷いが起きやすくなるし、ポイントを絞るのが難しくなってくるのは確かなことなんじゃないかと。

 

楽器本体がアクティブとかなら尚更で、さらに歪みのEQ、グライコorパライコ、他のプリアンプのEQ、アンプの方のEQまで全て複雑に操作とか、そんなことをやるのは現実的ではないと自分は思う次第。

 

歪まさない

 

身も蓋もない話ですが、上記のように無茶苦茶にEQを操作したり、あれこれと悩むぐらいだったらここはもう、思いきって一回ぜんぶ外すのもおすすめです。

 

どストレート・どクリーンにするのは選択肢として普通に有りでしょう。

 

歪ませるのはギタリストに任せたり、ドライブ感は自分のタッチやピッキングで表現したり、冗談でも皮肉でもなく、それが一つの正解だと強く感じます。

 

たとえばアイアンメイデンのスティーブ・ハリスなど、めっちゃくちゃバキバキで攻撃的なサウンドに聴こえるところですが、激しく歪ませたりエフェクトを駆使するようなイメージではありません。

 

激しいサウンドや過酷な環境になればなるほど、むしろ、ベースはクリーンにはっきり聴こえるようにした方が存在感を出せるものだったりしますし、エフェクター中毒みたいな状況を打破してみると、音もプレイもまた変わっていくはず。

 

それが実現できてからのエフェクター探し、歪み探しというのも現実的な選択だと思います。

 

雑談

 

実用性もクソもなく、好きなものを使ってやりたい放題やるからこその『歪み』ってモンなのかもしれませんが、ベースって楽器の現実問題、それがなかなか出来なかったりしますよね。

 

オモチャ的遊び感覚や単純なかっこよさ、憧れ、それらと実用性とのバランスをどうするか、けっこうな悩みどころではないでしょうか。

 

しかしまぁ、ある意味、そうやって悩んでいる時点で向いている歪みと向いてない歪みってのがある気もしますし、そもそも歪ませるかどうかってのを性格診断的なもので決めたりするのも実は面白かったりして?

 

自分の場合、おとなしげ・控え目に見せておいて、「ギタリストぶっ潰してやる!」なんてゆがみを抱えながら弾いていた時期もありますし、実際、シンプルな刻みやってる時でも存在感を食ってやろうと歪ませてたことなんかもあったり。

 

マルチエフェクターとかに頼ってまったく抜けてこないギターサウンドとかが嫌いな為、サポートの役割とかアンサンブルの協調性もどこへやら、攻撃的なサウンドにしていた次第。

 

でもほんと、そんなことではビクともしないバンドってのが良かったりしますよね。

マーシャル&レスポールでペダルはブースターオンリーとか、そういう鳴らし方をしている人はやっぱり音強かったですし、互いに遠慮なく弾けて楽しかった。

 

そういう意味では、理想の歪みが欲しいのなら、それに動じないバンドである事こそが重要であるとも言えるのかもしれません。

 

もちろん、音が痩せまくりで存在感がないとかそれは論外ですが、「ベースはまったく主張しないでほしい」とか、「カラオケ的にいてほしい」なんてのは、あまりに寂しい話。

 

そんなベース観に反逆するためにも、歪みってのはやっぱり最高な存在になるはず。

ピックで弾くのだって最高に気持ち良いし、その「分かりやすいかっこよさ」ってのが凄く重要なポイントだと感じるところ。

 

でかい音で

 

「ズギャ~~ン!!」

 

と鳴らして成立するのであれば、もうそれでいい。

 

歪みの基本はそれでしょう。

弾いててその気になれない、気持ち良くなれないのは駄目ですね。