ジャズベース 選び方のポイント 楽器選びについて考える (6)

ジャズベ選び 目次

 

 

いっぱいあって訳が分からない

 

ジャズベースを選択する際、一番困るのはここだと思います。

とにかく作ってる会社が多い為、どれが良いんだかさっぱり分からない。

 

正直言って、自分もこれは同じ。

 

この世に存在する全てのジャズベを弾いたことなんて当然ないし、弾こうとも思いません。

たとえ「隠れた名工」なんてのがいたとしても、気付きようがないのもあるかもしれませんよね。

 

なので、ここではとりあえず、スタンダードなものを大まかに分けたり、ポイントを絞りながら話をしていきたいと思います。

 

まずはフェンダーありき

 

当たり前の話ですが、まずは本家があってこそというもの。

そこを無視してジャズベースがどうとは語れないはず。

 

と言いつつ、60年代前半とかそのあたりを基準にして考えるならば、「ヴィンテージかそれ以外か?」と、フェンダーでもまた話が分かれてしまう気もするところ。

 

さらに、CBS期、70年代、ジャパン、メキシコ、USA、カスタムショップ、マスタービルダーだの、そうやってまたさらに分かれてもくるからややこしい。

 

フェンダー党でもなんでもない自分が語るには限界がありますし、王道・大手の定番でありつつ、なかなか厄介な存在でもありますね。

 

フェンダーかそれ以外

 

色々あってもやはり、ジャズベースはそうやって分類すべきでしょう。

ひねるのは後にして、これを知らないことにはどうにもならない。

 

個人的な印象では正直、フェンダーって欠点だらけな楽器なんですが、しかし、だからこその「らしさ」ってのが存在しているように感じたり。 

 

アクティブ化やデッドポイントの解消など、より実用的に改良されたものも沢山存在しますが、不思議とそれを詰めていくと「フェンダーらしさ」が消える気もするから奥が深い。

 

ゆえに、「フェンダーの良いジャズベが欲しい!」となると、話が難しくも思える次第。

 

「全音域のバランスが完璧!状態もまったく変化しない!」

 

なんて言われると、「それはフェンダーじゃないだろ!」なんてツッコミたくなったりして?

 

暴れも詰まりもないものを求めるほど遠くなる気がするという、そう考えると実は定番でありながらも、かなりとんがった存在と言えるのかもしれません。

 

「それが好きならそれを弾くしかない!」という、他にはない不思議な楽器かなと。

コピーを求めるにしても、その絶妙な荒さがあるかないか、それが大きなポイントになる印象。

 

値段やランクに関係なく、自分好みの塩梅をどう見極めていくかというのが、フェンダー系ベース探しの基本でしょうか。

 

サドウスキーかそれ以外

 

ちょっと極論なようですが、業界への影響力も含め、勢力図的にそんな面があるのは間違いないんじゃないかと。

 

「ジャズベースをもっとバランス良く実用的にしたい!」

 

そんなことを詰めていった結果、誕生したのがサドウスキーのスタイルなのかもしれません。

形は同じジャズベースに見えるようでも、楽器としては意外なぐらいの別物感がある。

 

・デッドポイントを少なくする

・ローインピーダンス出力化

・EQを使用して幅広い音づくりに対応

・より安定した出音と汎用性を実現

・品質の安定化

 

など、フェンダー党やパッシブ派からは嫌われそうなことを平然とやれるのが強みだと思います。

一回り小ぶりにしたスタイルもサドウスキーならではの特徴と言うか、そういうアレンジが面白い。

 

フルサイズのものも存在はしますが、個人的なイメージとしてはやはり、コンパクトな方がよりサドウスキーらしいって気がするところ。

 

当たり前のように軽量化も図ったり、「演奏の道具」としての合理化を進めていく姿勢が見事。

 

合う人には最高の道具になるし、合わない人には徹底的に合わない、そんなベースだからこそ成功したんじゃないかと想像する次第。

 

サドウスキーを「めっちゃ使いやすい!最高!」と感じるか、「優等生でつまんねぇ!」と拒絶するか、それで一つの基準が出来上がるかも?

 

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重いベースが好きかどうか

 

個人的には、重い楽器ってそれだけでNGですが、一方、「それだからこそ!」とハマる人も多いのではないかと思います。

 

ブリッジについてもバダスのようなゴツイものを搭載したり、こういった仕様の楽器というのもまた、初期のフェンダーとは違うスタイルを確立していると言えそうです。

 

このあたり、『マーカス・ミラー』の影響力というのも非常に大きいのではないかと想像。

それか、70年代のフェンダーとも言うべきですかね?

PU位置の問題もありそうですが、ヘヴィな個体による独特の魅力ってのがあるんじゃないかと。

 

これはただの推測ですが、打撃による強いインパクトや重さなどを求める場合、これはやはり、余計なブレなどは少ない方が良いですし、力をより確実に直接叩きこめるはず。

 

その意味で、重いベースの方がフォームが安定したり、楽器自体のブレも少なく済んだり、それが好まれる面があるのかもしれません。

特にスラップなど、高速で打撃を叩きこむことになるわけですから、それを受け止める側がフラフラしてるんじゃ困ります。

 

プル時に楽器も持ち上がってしまうなんてのは笑えない話。

 

これまた極論なようですが、漫画などでよくある、衝撃を逃がす技や吸収してしまう技をベースがやってしまってるとか、そういう状況は確かに勘弁ですよね。

 

単純に、硬く重い材の方がそれらしく響くとか、その反発感が心地よいなんて面もありそうですが、重い材にはそれ以外の何かもあるように感じるところ。

 

ハマる人はやっぱりハマるものなんだと思います。

このあたりは完全に好みと感覚の問題でしょう。

 

小型・24フレットは別の楽器になっていく

 

これも個人的な印象、ボディが小さかったりフレットの多いジャズベースというのは、その時点でもう別の楽器という気がします。

 

特にスラップサウンドへの影響が大きく、これが苦手という人も多いことでしょう。

徹底的にこだわる人ならば、20フレットが絶対で21フレットすら許せない可能性もあります。

 

指弾きにおいても楽器の響きはかなり異なりますし、「とりあえず多い方が得だろ!」みたいな感覚で選ぶと痛い目を見ることになるかもしれません。

 

また、ハイポジションの演奏性を考慮し、カッタウェイを深くしたりジョイントを削るものなどもあったりしますが、これも音に大きく影響があるポイントではないかと。

 

・24フレット

・コンパクトボディ

・狭い弦間ピッチ

・低出力PU

・アクティブ

 

なんて感じのジャズベスタイルの楽器を実際に持っていたことがありますが、ものすごく扱いやすい一方、音の方はこじんまりと小さくまとまってる感じが強く、「ジャズベらしさ」みたいな魅力はかなり薄かった印象です。

 

やっぱり、パッシブでも問題なく使えるフルサイズのジャズベって理屈抜きに良いんですよね。

 

これまた自分の好みで言えば、4弦の開放をドーン!と鳴らした時にピンと来ないものは、その時点でダメかもしれない。

そして何故だか、多彩・秀才な方向を狙うほど、そんな印象が強くなります。

 

どちらにも利点はあるけれど、ジャズベらしい気持ちよさとかそれっぽさを狙うなら、要素をシンプルに凝縮していくほど、魅力ある楽器になると感じる次第。

 

ただ、それが果たして扱いやすい楽器はどうかはなんともなので、このへんのバランスをどう取るかってのが実に難しい。

 

しかし、「何でも屋」な感じを求めると大体は失敗する傾向にあるような?

 

心配しなくても、ジャズベースって楽器の時点で汎用性には優れていると思うので、あまりスペック的・パーツ的に欲張る必要はないかも?

 

木目・木材に固執するとややこしくなる 

 

個人的な好みと偏見たっぷり、誤解を承知で言うならば、ジャズベースにはあまり芸術性など求めず、まずは楽器・道具として優れたものを選んだ正解ではないかと強く感じます。

 

「特別なものが欲しい!」という意識を上手く料理することが、使える楽器選びの大きなポイントとも言えそうです。

 

例えば、豪華なトップ材や見慣れない特殊な木材など、そういった要素を追加すればするほど価格はどんどん上がる一方、逆に実用性と出音は鈍化していくような印象。

 

そりゃ、見た目が最高に気に入ってる方が満足感は味わえますし、自分の好みや感覚を無視するというのも本末転倒。

変わった材や凄い木目などが好きなら、それをどこまでも求めるのも個性というもの。

 

ただし、そこには確かなリスクが存在すると自分は強く感じます。

 

過去の体験談で言えば、超トラネックに惹かれて買ったはいいけど、とにかく状態が安定せずグニャグニャ動きまくり、実際に使用するのには泣きを見たものがありました。

 

柔らかく薄いメイプルを張ったぐらいで音的にそんな凄い効果が現れるとは思えませんし、よくある売り文句なんかあてにしない方が良いでしょう。

 

逆に言えば、単一材には単一材ならではの豪快な魅力があるわけです。

それに気付かない、知らないというのは勿体ない話ではないかと。

 

リアオンリーでも良い音が出ると安心

 

60年代前半のジャズベのフレットレスを弾いた際、「なんでリアだけでこんな音出る?」とびびった経験がありますが、それが一つの基準にもなるように思えました。

 

要するに、リアの音が軽すぎたり全然ボトムが出ないようなものは、そもそも楽器自体が鳴ってないことを意味しているのかなと。

 

そうなると、いくらプリアンプでブーストしても厳しいものですし、理想的なバランスを実現するのは不可能なんじゃないかと想像します。

 

パワーのあるPUをのせれば良いということではなく、ちゃんと楽器全体がバランス良く鳴っているかどうか、それをしっかり判断することが大切でしょう。

 

フレットレス選びの話でも触れましたが、これは本当、良いフレットレスを求めるのであれば、特に重要なポイントになってくるはず。

 

音にぜんぜん腰がないとか、ハイミッドから上ばかりが出てくるとか、リアの音がスカスカなものには注意が必要かもしれません。

 

そしてPUをミックスしてそれなら論外ってことで。

 

結局、何を選べばいいのか?

 

こればっかりは「好みによる」としか言い様がないので、何も口出しのしようがないのも正直な話。

 

しかし、現実として確かなのは「予算」の問題が凄く大きいということではないでしょうか。

ここをはっきり決めた方が目移りしなくなりますし、手の届かないものに対する諦めもつく。

 

一方、「いくらでも出す!」と言うのなら、ヴィンテージを探しまくるのも良いと思いますし、どこかにオーダーでもして、究極の自分仕様を作ってみるのも良いんじゃないかと。

 

たとえそれが外れたとしても、「どこが間違ってたのか?」とまた新たに分析することができますし、そこからさらに理想に近付いていくことができるはず。

 

「何が欲しいかも分からないし何が良いのかも分からない」

 

と、基準がまったく出来上がってないなら、評判の良さげなものを選ぶか、それか上記のように、フェンダーやサドウスキーが好みの傾向を判断するのには分かりやすい気がします。

 

後は国産の定番ならアトリエとかですかね?

扱ってる店も多いはずですし、まずは触れてみると面白いのではないかと。

 

よく見かけるとかよく使われているとか、そういったものを「人と同じでつまらない!」と安易に避けず、「何で評判が良いのか?定番になってるのか?」など分析したり研究していくことで、自分の中でだんだんと基準が出来上がっていくはず。

 

スペック先行は考え物

 

楽器オタク的に、

 

・パッシブかアクティブか?

・PUはシングルコイルかハムキャンセルタイプか?

・ボディはアルダーかアッシュか?

・ディンキーシェイプかフルサイズか?

・薄いネックか太いネックか?

・指板はローズかメイプルかエボニーか?

 

こういう話をするのも面白いものですが、正直、ろくに基準になるものが出来ていないのにもかかわらず、文面だけを見て判断するというのは非常に危険な行為のようにも思えます。

 

「アッシュはドンシャリ!バンドじゃ駄目!」とか言いきってしまうのは怖い話。

 

スペック評だけ見て音の傾向から何からイメージできる人というのは、これはもう、相当なキャリアがある強者でしょう。

 

という事は、それだけ失敗も重ねてきているだろうし、さぞかし無駄遣いもしてきたはず。

 

まぁほんと、そんな難しい世界の中でプレイヤーの支持を集め定番になるというのは、相当なことだと思います。

それだけの積み重ねと意味があるわけですから、「まずは定番から」という選択をするのはやはり、一つの正解だと言えるのではないかと。

 

そして信頼できるお店で買っておけば、メンテなど後の心配も無くなっていくかもしれません。

で、それを判断する・見極めるためにも、とにかく実際に色々弾きまくるのがおすすめ。

 

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まとめ・雑談

 

実は超アンチフェンダーな身だった自分。

 

色々あってそれは打ち砕かれてしまいましたし、それはこのブログの『パッシブベースと上達の思い出』って記事でも話しています。

 

40万クラスの工房系アクティブJBがフェンダージャパンにバンドの中で完敗したとか、そんな実体験もありますし、楽器は本当に奥が深い。

 

自分の場合、「作りが丁寧で超弾きやすい!」ってのは正解になりませんでした。

軽量は軽量でも「小型超軽量」ではなく「大型軽量」の方が理想かもしれません。

 

「完璧な5弦が欲しい!」ということで、ジラウドのブラッククラウドを7~8年弾いていますが、実際、このベースの超高速レスポンスと超ワイドレンジ、何でもできる多様性に勝てる存在はないと感じる次第。

 

ジャズベ系サウンドの一つの完成系だと認識しています。

 

一方、「フェンダーそのものが欲しい!」なんてことは求めていないし、それを求める意味もないと割り切ってたりするのも本音。

 

これはもうほんと、フェンダーが好きならそれを弾くしかないって話でしょう。

多少のバランスの悪さもデッドポイントも含め、その全てがオリジナリティ。

良い悪いもクソもなく、認めるしかないって感じですね。

 

ただ、それそのもので行くのは自分はちょっとキツイですし、もっと刺激的なところも欲しい。

そして、その自分の理想を実現しているのはこの世にジラウドしか存在しないと結論し、ベストな楽器であると辿り着いた次第です。

 

ジャコ丸出しなフレットレスなんかも持っていたりしますが、これがほんと、めちゃくちゃ良いですからね~。

先日も話しましたが、簡易ネオパッシブの美味しさ爆発って感じのシンプルさが最高。

 

ブラッククラウドと比較すると物足りないところも多かったり、完璧とは言えないのも確かなんですが、でも逆にそこに味わいがあったり、真似できない個性が生まれたりもするのだから面白い。

 

まぁ、完璧ではないと言ってもそれはジラウド内で比較しての話なので、他と比べれば圧倒的な存在だと思いますし、その塩梅が本当に良い感じですね。

 

後、良いジャズベースを求めるというのは、「弾きこんでなんぼ」って思っていたりもするので、そこを無視してあれこれ探すのもちょっと違うかなと考えています。

 

「エージングなどまやかし!」と不確定要素として切り捨てるかどうか、それは各々の好みと価値観の問題ですが、本当に良いジャズベースを欲しているのであれば、まずはとにかく弾きこむことが先決だと自分は認識している次第。

 

これまたジラウドの話ですが、【Super JB】というジラウドでは珍しいノーマルジョイントのジャズベース。

それ故になかなか鳴ってこないと思っていたり、自分的にはあまり興味が湧かない楽器だったりしたんですよね。

 

ところがどっこい、そのスーパーJBをメインとして10年以上も弾きこみ、とんでもない音に育て上げた人に実際出会ってしまったのでした。

 

ま~、あの弾きこんだサウンドと鳴りは衝撃以外のなにものでもありませんでしたね。

「ここまで違うのか!?」ってビビること間違いなし。

 

また、ジラウドのフルチューンの真の実力というのも改めて知りました。

「ジャズベースってこんな凄い音が出る楽器なの!?」とブッ飛びます。

 

そして、そんな凄い楽器を作るための元になってきたであろう存在というのが、ジラウド店主の福田さんが使っていた69年製のジャズベと考えると、これがまた実に興味深い。

 

ちゃんとオリジナルPUのままのヴィンテージフェンダーはレンジが狭いどころか広いとか、最初は正直、それがまったく信じられませんでした。

レスポンスも凄く速かったり、だからこそ気持ちいいサウンドが素直に出るとか、自分のイメージとまるで逆だったりする話もあるから面白い。

 

一方、状態が安定しないとか、各弦のバランスが悪かったり、そういった扱いにくさの解消を求めジラウドが誕生したのだと想像しますし、やはり、手放しで称賛できるわけでもない存在なのがフェンダーかもしれません。

 

でも、「だからこそいい!」なんて許せちゃったりもするから困った話。

 

自分の中では良いジャズベース探しの結論ってのはジラウド一択になっていますが、もっと粗くきったない楽器が好みということなら、それはまた違うような気もするところ。

 

やっぱり、好みってのは自分で決めて自分で見つけていくしかないですね。

無責任なようだけど、本当にそれしかない。

誰々が使ってるとか周囲の評判が良いとか、それが参考にはなっても最終的には関係ない。

 

「自信持って弾きたいものを弾け!」

 

ってことではないかと。