MARCO MENDOZAに度肝を抜かれる 初心者・中学時代 (24)

Screaming Blue Murder

 

先日の続きになりますが、このライブアルバムでのマルコのアプローチはそうそう聴けるものではないでしょう。

 

6弦フレットレスを縦横無尽に弾くだけでも強力ですが、とにかく自由に弾いてる感が凄い。

決まったフレーズを弾いている感じがしない演奏を聴いたのはこれが初めてだったように感じます。

 

ロックバンドの場合、自由を掲げるイメージとは意外と異なり、フレーズはガチガチに固めてあるのが常なことも多い。

 

これはたぶん、サイクスがそれだけマルコを認めていたということでもあると思いますし、あれこれ指定せず任せていたのだろうとも想像します。

 

もちろん、バッキングもろくにせずに弾きまくるとかそういうことではなく、あくまでもベースとしてのポジションにいるのは確か。

 

それにしたって、ギターソロを弾いてるバックでこんなにベースが動いていいのか、積極的に絡んでもいいのか、このフレーズはどこから来てるんだ、この自由奔放さは何なんだと、その未知な演奏に驚かされ感動もした次第。

 

スクリーミング・ブルー・マーダー~フィルに捧ぐ

縦横無尽な6弦フレットレス

 

超お気に入りだった【Please Don't Leave Me】に関しては、サイクスのゲイリーばりのギターにも感動しましたが、マルコのプレイも自分にとって非常に大きな衝撃をもたらした。

 

言葉は悪いようですが、ゲイリーのバンドは完全にワンマンショーな感じと言いますか、ある意味ではカラオケみたいになっちゃってるような気もするんですよね。

 

どんなにギターが凄くてもベースとしては聴きどころがない印象。

一方、ブルーマーダーに関してはやはり、マルコの存在を強烈に感じるわけです。

 

特にこのライブアルバムに関して言えば、「ギターのオクターブ下担当」みたいな役割だけで終わるようなのとはまったく違う。

 

好みも分かれそうですが、そういったセッション的な要素やグルーブが非常に面白かった。

 

コピー不能 

 

それだけにまぁ、演奏技術だけでなく楽器についてもそうですが、正直、手も足も出ずにコピーを諦めるしかない曲も多かったですね。

 

やったのは【We All Fall Down】【Dancin' In The Moonlight】とか、それぐらいだった記憶があります。

 

単純に16分音符を刻むだけならメタルでずっとやっていたことですが、マルコのプレイや未知な点が多すぎて頭を抱えてしまいました。

 

独特の間を持たせたり、休符も上手く使い空間をつくったり、そういった感覚が当時の自分にはまったく分からず実現もできない。

 

ラテン系でよくやるタッピングとかグリッサンドのテクニック、フレットレスならではのスライドハーモニクスなど、それは今聴くからこそ気付いたり分かります、

 

しかしやはり、当時はベースの音として認識してなかったと思いますし、完コピなんてまず不可能でしたね。

 

どの曲にも聴きどころがありますが【Jelly Roll】などもコピー不能な見本だったかもしれませんし、【Still Of The Night】の間奏部分なんかもどう弾いたらよいのか分かりませんでした。

 

そもそも、一曲目の【Riot】からしてもう、6弦フレットレスならではのプレイが炸裂してたり、イントロからずっとローC♯が必要って時点ですでに無理な話。

 

とにかく聴きまくったのは確かだけど、中学生当時の自分にはあまりに遠い世界の演奏だったような気もします。

 

ベースがよく聴こえて面白かったアルバム

 

絶賛しているようですがこのライブアルバム、ミックスや音質の問題からか、サイクスのファンからは実はあまり評判がよろしくない様子。

 

確かに、一番大きく目立つべきギターの音が小さく引っ込んでいます。

 

しかし、自分としてはそれが逆に良かったのか、ジャズやフュージョンなどへの入り口にもなってくれたように感じるところ。

 

ギター主導でガンガン引っ張っていく、ドラムも何もかもうるさく全力疾走する、幻想的なファンタジー世界に浸るなど、そういうサウンドとは異なっているのがまた大人な感じで良かったのかもしれません。

 

バラード集みたいな感じではありますが、サイクス個人名義の『Love Land』ってアルバムもお気に入りで後によく聴いていましたね。

 

やはり、音楽的な嗜好が変わりつつあったんじゃないかと思いますし、また、このあたりから指弾きの練習時間も確実に増えていったかなと。

 

マルコは今聴いても凄い!

 

ま~ほんと、マルコ・メンドーサのベースとの出会いは、自分の人生においてかなり大きな影響をもたらしたように感じる次第。

 

 「フレットレスでロックはできない!」みたいな先入観も壊してくれましたし、そういう常識はずれなところを早くに知れたというのも良いですよね。

 

それ以前に『フレットレス』なんて楽器があることすら知りませんでしたし、イメージや言葉もクソもなく「この人凄ぇ!」と唸らせることをやってたのがやはり素晴らしい。

 

ハードロックの中でこれだけ6弦フレットレスを駆使して自由に弾いているアルバムは他に存在しないんじゃないかとすら思うところです。

 

今聴いても凄いと感じる貴重な一枚だなと。