Anthony Jacksonのタッチなどについて語る

先日触れた横振動や回転運動などのコントロール、この辺が異常に上手いのはやはりアンソニージャクソンではないかと思います。

楽器本体にトーンはおろか、ボリュームのツマミすら無い楽器を操っているだけあって、そのタッチコントロールへの拘りは尋常ならざるものだと感じるところ。

大まかに分けた場合、ネック寄りの位置などで後鳴りさせる様に弾くのと、ブリッジ付近でミュートして親指でタイトに弾くのと、絶妙に使い分けてるんじゃないかと。

 

ピークが遅れて来る感じで後鳴りさせる様に弾くのは、大体の場合、鈍臭くかったるいノリにもなりがちですが、この辺は流石としか言い様がないところか、ゆったり弾いててもリズムがフラフラ揺れるなんて事はまず無い印象。

その独特の重さなど、見事に自分のグルーブと世界観を作り上げていると感じます。

アタックやサスティーンのコントロールは勿論、ボリュームペダルの操作も含めた音のピークとダイナミクスのコントロールなど、その凄まじい演奏レベルと集中力の高さに感動すらするかもしれません。

 

縦振動のタッチの事を考えた場合、28フレットの楽器と言うのはあまり条件が良くない様に思いますし、実際、本人もその辺を十分に理解しているのではないかと想像します。

フレットが多い分、弦を押し込むのが難しくもなり、そのフレットに弦がぶつかってしまうリスクも高くなる為、そうなると低音は痩せてしまうはず。

そこで、やはりと言うのも変ですが、ミュートして弾く奏法を多用している様に自分は感じる次第。

サスティーンをコントロールする意味合いも大きいとは思いますが、回転運動によるサウンドを求める意味も大きいんじゃないかと。

 

この辺は36インチという長いスケールの問題も絡んでいるのかもしれないし、色々興味が湧いてきます。

大きくなった振幅によるその後鳴りするサウンドが良い方向に作用すればいいけれど、前述の様に、ゆったりしすぎたり鈍臭い事になってしまう可能性も有り得る。

そうなると、ミュートして立ち上がりやアタックをコントロールした方が、後鳴りする方との使い分けとしてよりハッキリする気がしますし、それこそ、横振動と縦振動の様なタッチの使い分けにもなっているはず。

倍音豊かなサウンドと基音を際立たせた太く重いサウンドと、その使い分けや意味、曲における的確さを考えても、やはり見事としか言い様がない。

 

他にも、様々なポジションで弾くのを使い分けたり、弦・フレットにわざとぶつける様にバキバキした音を出したり、クラシックギターの様な3~4フィンガーも見せたり、ボリュームペダルを駆使したバイオリン奏法を異常なレベルでやってのけたり、フランジャーをかけてピック弾きなんかもしたり、ま~、語っていくとキリが無いかもしれません。

 

恐ろしいのは、そういったスタイルが実は若い頃にすでに完成していたと言うか、後はひたすら理想を追い求め、自分自身は勿論、投資を惜しまず使用する楽器のクオリティも高めていったという、その事実に脱帽。

あっちこっちで弾いてたり、ジャンルも関係なく何でも弾く様にも見えるけど、やっぱりアンソニーはアンソニーでしかない、ブレずにそのオリジナリティを追求する姿勢に感動させられます。

 

エフェクターを色々駆使したり、それに拘るのも良いものですが、しかし、最初から最後まで重要になるのはやはり、自分の手ではないかと痛感するところ。

自分が必要としている楽器を理解する事も凄く重要だと思いますし、また、それを実際に手に入れる努力を惜しまない事も大切だなと。

 

アンソニージャクソン、本当に尊敬しています。

妥協って言葉からは対極に存在している様に感じる次第。