弓矢をイメージしてベースを弾いてみる 縦振動のタッチ (20)

最後の瞬間が大事

 

「弦を垂直に押しこむことが大事」

 

というのが前回の内容ですが、とにかく難しいのがそのまま指を綺麗に抜くこと。

 

弦から指が離れるこの瞬間が勝負と言いますか、全てとも言いますか、角度やタイミングがおかしいと即、立ち上がりにも出音にも影響が出てしまう印象。

 

いくら理想的に弦を押しこむことが出来たところで、その最後の肝心な瞬間、横や斜めに引っぱってしまう場合がほとんどかもしれません。

 

まだまだ自分も完璧なコントロールなど到底できないと日々練習を重ねています。

 

そもそも弦振動ってどんなもの?

 

弦というのは自ら勝手に振動を始めるものではありません。

 

何らかの力が加わることによって元位置からずらされ、そこから戻ろうと運動するものだと言えるんじゃないかと。

 

思いっきり横に引っ張ろうが、垂直に押しこもうが、そこから元の位置に戻ろうとすることについては同じ。

 

と言うことは、その元の位置に戻ろうとする初動とスピードが如何に大事か、妙な軌道を描かこうとせず如何に最短最速で綺麗に戻るか、それが結果的に立ち上がりの良さや、整った倍音構成に繋がるんじゃないかと想像するところ。

 

そう考えると少しイメージが変わってくるのではないかと思います。

 

弓矢をイメージ

 

そこから考えてみると分かりやすいかもしれません。

 

矢を放つその瞬間、タイミング悪く変に力を抜いたりすれば、当然のことながら弦の張りは弱くなり、飛んでいく勢いも落ちるはず。

 

それではいかに綺麗に弓を引いたとしても、最後の瞬間に台無しになってしまいます。

 

また、放つ瞬間だけではなく、最初から明らかに変な方向に引っ張っていたり、震えたりブレてて安定性もないのでは、思った場所に矢を射ることは難しいんじゃないかと。

 

弓道のことは知りませんし、矢が綺麗に水平に飛ぶものかどうかはともかく、

 

・弓をまともに引くこともできない

・妙な癖があって素直に放つこともできない

 

なんて話だと、闇雲な勘頼みで的に当てる技術を身に付けるしかないことになるんじゃないかと想像します。

 

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タッチに置き換えて考えてみると

 

・まともに弦を押しこむことも引っぱることすらも出来ない

・指が離れる瞬間にさらに変な方向に引っぱってしまう

・妙なタイミングで力が抜けて勢いが弱くなり立ち上がりも悪くなる

・振幅も小さくなるから音量も落ちる

・指が離れるタイミングを掴めず出音もリズムも具体的に出せない

 

など、かなりの問題点を抱える事態になってしまいそうです。

 

もちろん、闇雲の勘頼みだろうが何だろうが、それで素晴らしい演奏をする人は沢山いるはずですし、それが個性を生む要因になるのも否定はできません。

 

しかし、自分自身を含め、音色や音抜けについて悩む人が多いのが言うまでもない現実。

 

リズムやグルーブに悩み続ける人も大勢いるであろうことを考えると、根本的に何かおかしい、なんらかの不味い原因があるんじゃないかと冷静に見直してみるのも大事ではないかと。

 

長い目で見てじっくり音を育てる

 

縦振動のタッチというのは、そういった基礎的な部分や大切なグルーブなどを具体的に体感しやすくなる奏法のように感じます。

 

そのコントロールを身に付けることに想像以上の大きな価値があると実感する次第。

 

まず弦を綺麗に垂直に押しこみ、いかに無駄なくスムーズに指を抜くか、弦から離れるようにするか、理屈としては凄く単純な話なようでも、これが本当に難しい。

 

先日も言ったように、フレットなどが障害物にもなりますから、それに当たってミュートされてしまうような弾き方をしていては、低音は確実に痩せてしまいます。

 

押しこむことばかりを意識して力んでいてはとても演奏になりませんし、 曲の中でも限定的にしか使えなくなってしまう。

 

机上の空論のようにしない為には、相当な修練が必要になるでしょう。 

 

まったく溜めも何もなく矢を全て的の中心に当てるとか、それは人外的な領域の話。

そんな次元をいきなり目指すのはあまりにも現実的ではありません。

 

まずは一本一本、一音一音じっくりと向き合い、確実に実践できるように取り組むことが望ましいのではないかと。

 

派手な技術の習得に比べ、退屈な練習になってしまう事も否定はできません。

 

しかし、自分の出す音が太くなっていくのを実感できてくると、「やってて良かった!」と心の底から喜べるようになります。

 

そして絶対にグルーブも変わっていくはず。