ポングとベース

ベース楽しむ人生を

多弦ベースの魅力は音域を広げる事だけではない

「多弦」と言うと、音域が凄く広がるようなイメージがあるんじゃないかと想像するところ。

 

20フレットの4弦と24フレットの6弦などと比較してみるとやはり、かなり感覚が異なるんじゃないかと思います。

大袈裟ではなく、まったくの別物みたいに認識してもおかしくはない。

 

しかし、実際のところは、最低音・最高音の拡張にしても、1オクターブにすら満たない場合がほとんどではないでしょうか?

 

「ローE」なんて言葉を聞くことはほぼないと思いますし、7弦で30フレットとか超多弦とかそういう話でもない限り、高音域に関してもそこまでの拡張になるわけではない。

拡張分を全部合計して考えるならともかく、そのイメージや楽器本体の大型化とは裏腹に、実は音域的にはそこまで多大な変化が起きてるものでもないんじゃないかと。

 

思うに、弦が増えることによって変化するのは、使える音色やフレーズのニュアンス・バリエーションなんじゃないかと自分は感じます。

 

前述の流れで言うならば、「たかが一本増えるだけで?」なんて話にもなりそうなところですが、ベースの音楽におけるそのポジションを考えれば、たった一音だけでも全体に大きな影響を与えることは可能です。

極太弦による存在感は凄まじいですし、問答無用の支配力がある。

地味な実用性で言えば、たとえばの話、キーがE♭とかだった場合、その存在や利便性を強く実感できたりもする。

 

また、開放弦を使用したフレーズの選択肢が増えるだけでも、話がだいぶ変わってくると言いますか、実際、ローBを使用したヘヴィなサウンドに惹かれる人も大勢いるはず。

これは、4弦をドロップしたとかそういうことでは真似のできない話だと思いますし、個人的な好みで言うならば、チューニングは変化させずEの開放は絶対にあって欲しい。

 

低音域が増えることで、オクターブのフレーズを弾くのにも大きな影響があったり、実際、それだけでもプレイやバンドサウンドにかなりの変化がある印象。

そういう意味では、他の弦とのコンビネーションやそのバリエーションが増加することも多弦の魅力だと考えます。

 

そして、高音弦に関して言うならば、「ベースの音は太くなければならない!縁の下の力持ちである事が理想!」みたいな感じの固定観念やその立ち位置から解放されるような感覚を覚えます。

 

たとえ同じ音程だとしても、ハイC弦によるサウンドと低い方の弦から出る音には、良くも悪くもかなりの差がある。

ベースサウンドとしてボトムをキープするには厳しいのも事実ですが、しかし、ギターを弾くのとは明らかに何かが異なるのが面白い。

 

その使いこなしが分かってくれば、曲の中で独特の存在感やアクセントを生むことが可能になります。

重力に魂を引かれるなんて話じゃありませんが、あまりにも強力なベースへの固定観念やイメージの強制から解放される、そんな快感が非常に魅力的。

 

複雑なボイシングを求めることは流石に厳しくとも、和音が凄く弾きやすくなるのは確かですし、開放弦とも合わせてフレーズのバリエーションは豊かになります。

無理にテクニカルなことをしようとせずとも、そういったサウンドやアイデアに触れるだけで視野が広くなる可能性も十分にあるんじゃないかと。

 

そんなこんな、自分が多弦に魅力を感じるのはこんな理由からかもしれません。

音域の拡張は勿論、そこだけではなく新たな発想や自由を手に入れられると言いますか、それがすごく楽しく素晴らしいポイント。

 

まぁ、ワケあって今は5弦を弾いていますが、本当は6弦が欲しい、6弦を弾きたい、そんな思いが年々高まっています。

ずっと6弦がメインの人間だったので、また戻りたいなぁと思う次第。

 4弦も良いですが、やっぱり自分は多弦が好きですね。

 

また、身体的もことを考えるのであれば、6弦までが限界というのも現実かなと。

一応、7弦までは弾ける実感があるけれど、メインには絶対ならなそうです。

 

先日の話ではありませんが、超多弦になると使えるポジションが減ったり、音色も限定される気がする為、実はまったく自由になれてないんじゃと疑問になるところ。

低音弦のハイポジションだって普通に使いたいわけですが、それを身体的に制限されるとか実現困難になるとか、そうなるとかえって、やる事もできる事も制限されてしまうような気がする次第。

 

そう考えるとやはり、多弦の魅力って単純に音域を広げることだけではないんじゃないかと強く思います。

 

今後また書いていくことになるかもしれませんが、ドリームシアターのジョン・マイアングなどはやはり、このへんの使いこなしが実に素晴らしい印象。

ただ音域を拡張したということだけではなく、6弦ならではの強みと魅力を活かしたフレーズを沢山弾いてますし、曲に対する強力な印象づけにも成功しているなと。