シンプルなメリットは計り知れない
先日の話の流れだと、
「4弦=旧式 多弦=最新式」
みたいな話になってしまいそうなところかもしれません。
しかし、それはあまりに安易な判断か極論でしょう。
自分が考えるに、4弦の方が身体的な面で有利と言いますか、動作に制約が少なくなることが非常に大きなポイントだと感じます。
4弦を使ってる時点で技巧的に劣るとか、そんなことも有り得ません。
超人的なプレイを期待するのであればむしろ、4弦がメインである方が有利な点も多いでしょう。
ステージパフォーマンス的にも、多弦での自由度と4弦での自由度とでは確実に異なると思います。
その意味で4弦を愛用している人も絶対に多いはず。
見栄えが良いだけでも大きなメリット
今の時代、6弦でもバリバリに弾きまくり・動きまくりなんて人もいることでしょう。
と言うか、実際にこの目で見たことがありますし、楽器の大型化から発生する制約など問題にしない人がいるのも確かです。
それでもやはり、シンプルがゆえに自由度が高いというメリットは絶対に無視できない話。
「見た目がスマートで格好良い!」
なんて単純な理由でも十分すぎるこだわりになりますし、「4弦の方が気軽に自由に暴れられる!」なんてのも立派に目的に沿っているはず。
たとえばの話、ラリー・グラハムやルイス・ジョンソン、ブーツィー・コリンズなど。
この人達が6弦を持って大人しく弾いているというのは想像ができません。
自分としてもそんな姿を見たらガッカリしてしまうと思いますし、「そうじゃねぇだろ!」と絶対ツッコミたくなります。
ビリーシーンなんかにしても恐らく、4弦だからこそのドライブ感や勢い、迫力でしょう。
あれでちまちまと6弦を弾いてたりしたら、さぞかし格好よくなくなるだろうと想像します。
もちろん、そんなレジェンド級のミュージシャンであれば、何を使っても素晴らしいプレイを披露してくれるとは思います。
でもですね、「やっぱりなんか違うよなぁ・・・」とはなるはずです。
弦の本数に合った動きや雰囲気が存在する
逆に、多弦じゃないと全然しっくりこなかったり、雰囲気が出ないなんてこともあるから、世の中というのは面白い。
これは自分の話。
多弦歴の方が長い為、珍しく4弦を持って行ったりして、
「なんだそれ似合わねぇ~!」
なんて仲間に言われたことがあったりします。
『堂に入る』
なんて言葉がありますが、結局、どこまでそれを自然に扱えるか、感覚が行き渡っているか、そういうことが大切なのかもしれません。
そういう意味では、「多弦なんて絶対弾きたくない!」と言うのも分かる話。
感覚的にまったく受け付けない、自然なものとして認識できないのであれば、それは仕方のないことでしょう。
どうやっても無理なものはそりゃ無理ですよね。
自分の良いところを潰してしまったり活かせなくなるのでは意味がない。
そういう直感って大事です。
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弾くのは人間、ベースはベース
選択肢もスタイルも無数に存在するような世の中だからこそ、4弦が無くなるなんてことは絶対に有り得ないでしょう。
それを扱うのが『人間』である以上、実は楽器の進化なんてたかが知れているものだとも考えます。
確かに、音楽が無限のように変化したり発展することはあるかもしれません。
しかし、それをつくるための道具自体については、根本的にそんな変化はしないのだろうと想像。
いくら現代的に改良したところで野球のバットはバット、ゴルフのクラブはクラブ。
それ自体や存在を否定したり古いと言ってもどうにもならない。
必要に応じて最適なものを選んだり開発、そしてそれを使いこなせばよい。
弦を増やすかどうかなんてのはある意味、安易で原始的な発想もいいところなんだとも思います。
結局、コチコチの頭のままでいたり、視野があまりに狭いのが問題なんでしょうね。
「4弦だからシンプルに渋く」とか「6弦だからテクニカルに」とか、そんな風にイメージを限定しようとすることに大して意味はない。
自分がやりたいことに合わせて道具を選べばよいのであり、必要なサウンドを自由に好きに手に入れればよいだけのこと。
そういう意味ではあまり難しく考えずに直感を信じてみるのも正解ですよね。
スペック云々ではなく、自分が欲しいものを確実に選択できるのも大切なことでしょう。