ポングとベース

ベース楽しむ人生を

速い音、遅い音、遠い音、楽器選びについてなど

音が速いの遅いのと言っても、時速何kmで出るとかそういう話のことではありません。

非常に曖昧だったり感覚的な話だと思うし、本来はどんな表現が的確なのか分からないところ。

 

しかし、言葉で難しく説明せずとも、この感覚が分かっている人は意外と多いはず。

 

例えば、空間系のエフェクターをかけすぎた音とか、間違いなく遠く感じるんじゃないかと思います。

アンプシミュレーターなどで音を作りこんだはいいけど、バンドじゃ全然だめだったとか、そんな事態におちいった経験のある人なんかも結構いるんじゃないかと想像します。

 

野外や大ホールなどで音が聞こえづらかったり変なふうに感じたり、楽器に限った話でなくとも、普通にありえることなんじゃないかと。

聴覚の自然な判断と言うか、実はそんなに難しい話でもないのかもしれません。

 

ところがなぜか、楽器選びにおいてこの感覚は置き去りにされがちにも感じるところ。

第一印象の音色や扱いやすさなど、そういった要素や印象を重視するのが当たり前なのは分かります。

しかし、それがいざアンサンブルで使えるものなのか、抜けてくるのか、存在感があるのか、意外と微妙な場合も多いはず。

そして、それで悩む人も多いんじゃないかと。

 

高価な買い物になるほど、優れた音色を求めてしまうのもよく分かる話ですが、ちょっと違う観点や感覚から判断するのも良いんじゃないかと思う次第。

個人的には、「遅くて遠い」って印象の楽器は、絶対に避けたいかもしれません。

 

パッシブにこだわりがある人で、アクティブが嫌いという、よくある意見。

そこにはこの「速い、遅い、遠い」など、そんな感覚が働いてる可能性もある気がするところ。

 

ドンシャリで嫌とか、ニュアンスが出ないから嫌とか、偽物くさくて嫌とかそれは、出音に妙なタイムラグが起きてるゆえに感じることでもあるのかもしれません。

特に、帯域による時間差を感じるような音というのには強い違和感があり、弾いてて明らかに気持ち悪いはず。

 

感覚的に高い帯域の方が耳に聞こえやすいものだと思いますし、それを強調した場合はおそらく、音が速く感じたり、抜けもいいと判断するんじゃないかと想像します。

その逆に、低域はどうしても鈍重に感じたり、歯切れも悪くなりがちなところ。

酷い場合、音が団子のような状態になって不快になる可能性もあります。

 

嫌なアクティブ楽器の特徴として、やたらと上がギラギラしていたり、下の方が無駄に出てきて不自然になっていることがあるように感じます。

極端に言うと、「上が速くて下が遅く感じる」状態なのかもしれません。

 

そして問題なのは、そもそもが遠く感じる音だったり、遅い特性だったりするのに、それを補おうとハイを強調したり、過剰に加工していくことなのではないかと思います。

 

上の方が過剰で細く聴こえれば今度はローをブーストしたり、下が過剰になってくれば逆にまたハイを足したり、根本的にタッチも弱くしてみたり、馴染みやすい様に素直に抜ける様にと中域も上げてみたり、音を上手くまとめようとコンプもかけたりペダルで頑張ってみたり、そうやって悪循環を起こすことで、どんどん音がめちゃくちゃになっていく気がします。

 

回路の元々の特性がひどいとか、余計な部品を通って遠回りすることになるとか、それで音が遅かったり遠く感じる状態になっているのは、感覚的に本当に気持ち悪いはず。

アクティブが嫌いになるというのも分かる話ですし、確かに避けたくもなるなと。

 

そして、楽器本体の生鳴りも重要になってくるはずなんですが、これがまた、話がこじれそうで困るポイント。

世の中、ラミネート加工を駆使したものもよくありますが、これを良い方向にコントロールして成功させるのは本当に難しい印象。

後づけで何とかしようとする場合、大体は悲惨な結果になるから悲しい。

 

先日の冗談みたいな話も、意外と笑えない現実だったりする可能性もあるから、なんとも恐ろしい話。 

製作の時点でもうすでにおかしなことになっているのに、さらにプレイヤーまで混乱した音づくりをしていたらどうにもならないはず。

 

複雑な構造でも実用的に見事に作れる人も存在するのかもしれませんが、やはり大体の場合、生鳴りはひどいことになるし、例の「遅くて遠い音」にもなる印象が強いです。

凝ったものが好きな人がシンプルなJB等の良さに驚くことなどもあるかと思いますが、その理由や原因というのは当然の話だったり、実に分かりやすいものなんじゃないかと。

後づけ+遠回りしたままになってるような物には警戒した方がい気がする次第。

 

まぁほんと、そういった不自然極まりない楽器に振り回されたくないのであれば、シンプルな物を試してみたり、それを弾きこんでみることが大切なんじゃないかと思います。

帯域による妙な時間差や立ち上がりの違和感が少ない楽器って弾いてて気持ちいいです。

「速い音」と「高域がうるさい」のをイコールにするのは抵抗があると言うか、似たようでぜんぜん違う話な気がするところ。

 

音が素直に前に出てくれば高域を変に強調する必要も無いし、立ち上がりも速く感じるはずであり、低音も過剰に出す必要も感じなくなるのではないかと。

ボディがよく鳴ってる楽器は、後づけ加工では真似できない充実した中域を持っていたり、バンドの中で非常に心地よく自然に馴染んだりもするかと思います。

よく弾き込まれた楽器は、下から上まで音が一つの塊のようになって出てくる印象。

 

そんな音の一体感を求めてパッシブを愛するなんてのも分かる話だし、ビンテージに惹かれる人が多かったり、そこに特別なものを感じるのも理解できる話。

 

そもそも出ていない帯域を無理に持ち上げようとしても破綻するのがオチと言うか、足元にどんなに沢山のペダルを用意しようが、こだわり抜いて厳選しようが、元々がおかしなことになっているのでは解決はしないんじゃないかと。

 

だったら、下手にレンジを広げるより、あえて狭くした方が正解になる可能性もあるかもしれません。

極端なサウンドが必要なジャンルやバンドなどでは、いろいろと話が難しいところもありそうですが、でもやはり、明らかにおかしな楽器を使って損をしている人も多いのではないかと想像します。

 

以前にも話しましたが、ナチュラルに遅延があったり音が奥まって聞こえなかったり、そんな遅くて遠いなんて特性の楽器で頑張るのはなかなか辛いことだと感じるところ。

そして変に高域を強調したり、アタックを過剰に出そうとしたり力んだり、悪循環な音作りとタッチにおちいることも、決して珍しくはないんじゃないかと。

また、そうやってアクティブに対しても誤解が広まることになる気がするかもしれません。

 

楽器選びは音の速さやまとまり方を意識すると、また視点が変わってくると思います。

速さを意識すると言っても、前述のように高域の出方だけを意識するのではなく、低音も遅れなく前にしっかり出てくるか、違和感なく立ち上がるか、そのあたりにかなり注意した方が良いんじゃないかと感じるところ。

 

ドンシャリで抜けてこないとかバンドじゃ弱いとか、それはまず楽器本体の生鳴りや構造から疑った方がいいし、PUや回路の癖なども疑問に思うべきなんじゃないかって気がします。

生音が薄い遅い、PUは癖があってレンジも狭い、プリも遅いし音色も変、そんな状態ではドンシャリもクソもなく、そもそもが不味いことになってるはず。

いくら電気的に高速でも、生鳴りの時点で痩せていたり鈍重なのでは厳しいわけですね。

ひどい楽器はパッシブ/アクティブ関係なく、そのまんま「ひどいもの」なんだと思います。

 

タッチを見直すのはもちろん大切なことだし、根本的な話かもしれないけど、やはり、それに機敏に答えてくれる楽器を使用することも重要に感じます。

今の時代、良い音が出てくれる物は沢山あふれているぐらいなのかもしれませんが、シンプルに高速に音が飛び出てきてくれるものってのは、意外と存在してないような印象。

 

音づくりに苦労したり悩み続けている人は、音色のことはいったんまず置いてみて、「音の速さ」について考えてみたり、、意識することをおすすめしたい次第。

 

たとえハイエンドだろうと、安物にすら劣ってる場合もある可能性は否定できません。

それこそ、先日のようなパターンが現実に存在したら、これは全力で回避したいところ。

特に、「あの人が使ってんだから悪いはずない!」みたいな思考停止は危険な気がします。

 

個性の塊とか達人など、そういった人と自分が同じ領域にいる前提で考えたり、楽器選びをするのは無茶な話ではないかと。